エビリファイの1mgが発売。うつ病への少量処方の利便性が上がる

うつからの回復エビリファイ(抗精神病薬)は主に統合失調症に使われる薬です。

しかしながら、その多様な効果から、うつ病の治療においても使われることがあります。

うつ病で使う際には基本的に少量での使用となるため、1mgという従来よりも少量の錠剤が発売されたことは利便性を上げるという点で喜ばしいことです。

むしろ、このエビリファイ1mgという量は、うつ病への使用を狙った用量ではないかと思われます。

エビリファイの錠剤の種類

エビリファイの錠剤には、以下の3種類がありました。

  • 3mg
  • 6mg
  • 12mg

今回は、これらに加え、新たに1mgという少量の錠剤が加わることになります。

症状によってエビリファイの使用量は違う

エビリファイという薬は使用量により効果が異なるという特徴があります。

具体的には、少量の使用ではドーパミンを増やし、多くの量を使用するとドーパミンを増やす効果があります。

症状別の概ねの使用量の目安は以下のようになります。

  • 統合失調症:1日6~24mg
  • 双極性障害:1日12~24mg
  • うつ病:1日3mg程度

つまり、ドーパミンを増やす必要のあるうつ病では少量を使用し、減らす必要のある統合失調症や双極性障害では多くの量を使うということになります。

そのため、エビリファイの1mg錠というのは、まさにうつ病への使用を意図した量であると言えます。

うつ病に使う少量のエビリファイ

うつ病でエビリファイを使う場合は、既存の抗うつ剤に加え、増強療法としてエビリファイを追加するという形をとることが基本です。

抗うつ剤だけでは効果が十分に見られない場合に、エビリファイを加えて既存の抗うつ剤との相乗効果を狙うという意図になります。

参考記事:エビリファイの効果・副作用と使ってみた体感

このときに使われるエビリファイはごく少量であり、人によってその量は異なります。

2mgという人もいれば、3mgという人もおり、この辺りの調整は人それぞれのようです。

少量の使用ではドーパミンを増やすため、必ずしも量が多いほど効くというわけではないところに調整の難しさを感じます。

1mgからスタート

私の場合、エビリファイを使う際には1mgからスタートしました。

その後の経過をみながら量を調整し、最終的には0.5mgというごく少量を使うという形になりました。

そして、この1mgや0.5mgといった量は、既存の錠剤では対応できないものでした。

そのため、処方の仕方としては散剤(粉になった薬)を使い、目的の分量になるまでに調整してもらう必要がありました。

散剤を使って調合することのデメリット

散剤は時間がかかる

まず、散剤での処方にはかなり時間がかかります。

私の場合、基本的に30分以上薬局で待たされます。

病院で待たされ医者の診察を受け、更に薬局で待たされとなるとそれだけで多くの時間とエネルギーを使います。

体調の悪い時などは、しんどいことこの上ないです。

また、散剤を使っての処方もあまり歓迎されず、たまに薬局で嫌な顔をされます。

これでもちょっと嫌な気分になることがあります。

散剤は服用しにくい

実際に薬を服用する時には、袋を破り、粉末を口に入れ、水とともに飲みこむことになります。

つまり、錠剤に比べると手間がかかります。

飲むときには、粉末が袋に残ってしまい、口に入れる作業を何度かしなければいけないこともあります。

エビリファイの1mgの錠剤が登場したことにより、こうしたデメリットが大いに緩和されることが期待されます。

1mgの処方であれば錠剤をそのまま使え、0.5mgも半分に割れれば対応が可能です。

わざわざ粉末が全部口に入ったかを確認する必要もなく、錠剤であれば一瞬で服用することができます。

このように新しい量の錠剤が発売されるという地味なニュースながら、当事者にとっては複数のメリットがあります。

そもそも精神科の薬というのは使用量の個人差がかなり大きいため、できる限り多くの種類の錠剤を用意してくれていると、使う側にとっては利便性が上がり、助かります。

薬剤師の手間を省き、また薬局での待ち時間を短縮するためにも今後も多くの薬で様々な種類の錠剤が発売されることを期待します。

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