ドグマチールのジェネリック「スルピリド」の効果・副作用と薬価・適応

森と空

スルピリドは、ドグマチールのジェネリック薬品です。

ドグマチールには、スルピリド以外にも、ベタマックやマーゲノールといったジェネリックもありますが、ここではよく使われているスルピリドについて主に取り上げます。

ドグマチールは、抗精神病薬というカテゴリーに属する薬で、統合失調症やうつ病、また胃腸薬としても使われる非常に多彩な効果を持っています。

ジェネリックは別名後発薬とも言われ、元祖の薬の特許期間が過ぎた後に、元の薬と同じように作られたものになります。

つまり、ジェネリックは効果や副作用という観点からは元祖の薬と同じものになります。

ドグマチールの発売が1973年で、非常に歴史のある薬ですので、その分ジェネリックの種類も豊富にあります。

ここでは、ドグマチールの主たるジェネリックであるスルピリドについてご紹介します。

ジェネリック医薬品とは?

ジェネリック医薬品とは、新薬の特許が切れたあとに販売される、新薬と同じ成分を持ち、同じ効き目薬です。

製薬会社が新薬を発売した際には、特許を取得するため、特許期間中は他の製薬会社は同じ薬を開発・販売することができません。

特許期間が切れた後に、先発薬(新薬)と同じように作られた薬がジェネリックとなります。

新薬で既に有効成分、薬の構造などがわかっているため、ジェネリックは少ないコストで開発することができます。

そのため、一般的に先発薬に比べ、薬価が安いという特徴があります。

スルピリド(ベタマック、マーゲノール)の概要

まず、上記のように、スルピリドはドグマチールのジェネリックであるため、効果としてはこの2つは同じものと考えてしまって差し支えありません。

以下に簡単にドグマチールの効果と副作用をご紹介します。

ドグマチールの効果

ドグマチールはSSRIというカテゴリーに属する抗精神病薬というカテゴリーに属する薬です。

元々は胃腸薬として使われていた薬ですが、その後様々な精神疾患に効果があることがわかり、統合失調症やうつ病などにも使われている薬です。

ドグマチールは脳内のドーパミンに作用することにより効果を発揮すると言われていますが、その作用の仕方には特徴があります。

簡単に言ってしまうと、使う量によってドーパミンに対する働き方が変わってくるのです。

少量の使用でドーパミンを増やす

まず、ドグマチールを少量しようすると、ドーパミンを増やす効果があります。

ドーパミンには意欲を高める効果があるため、主にうつ病にはこの少量のドグマチールが使用されます。

ただ、その効果はそれほど強くなく、気分を少し持ち上げるというのがドグマチールを使ったときに感じる効果です。

一方で、ドグマチールには即効性があるため、抗うつ剤のように2週間以上待つ必要がなく、使ってすぐに効果が実感できるという点がメリットの1つとなります。

ある程度の量を使用するとドーパミンを減らす

一方で、ある一定以上の量を使用すると、今度はドーパミンを減らすという効果が現れます。

そのため、ドーパミンが過剰になっている統合失調症にはある程度以上のドグマチールが使用されます。

自己判断の使用量調整は危険

このように、ドグマチールは使用量によって作用の仕方が全く異なる薬です。

そのため、使用の際には医師の指示をよく聞き、自分の判断で使用量を増やしたり減らしたりしないことが大切です。

ドグマチールの副作用

ドグマチールの副作用には、大きく分けて「プロラクチンの過剰」によるものと「パーキンソン症状」に分けられます。

プロラクチンの過剰によるもの

プロラクチンの過剰による副作用としては、以下のものが挙げられます。

  • 生理不順
  • 乳汁分泌

主に女性に関わる症状になりますが、男性でも乳汁分泌がおこる場合もあります。

パーキンソン症状

パーキンソン症状としては、指が震えたり腕がこわばるなどの副作用が挙げられます。

特に高齢者に起こりやす症状ですので、高齢の方はより注意が必要です。

少量の使用では副作用は出にくい

薬の副作用は、多くの量を使うほど出やすくなります。

ですので、ドグマチールの場合、多くの量を使用する統合失調症向けの場合の方が注意が必要で、うつ病や胃腸薬としての処方の場合にはそれほど副作用は出やすくないということになります。

私自身の経験では、ドグマチールを使っての副作用はほとんど感じたことはありません(あえて挙げればわずかな眠気くらいでしょうか)

ただし、副作用には人それぞれの相性がありますので、少量の使用でもやはり注意するにこしたことはないかと思います。

なお、ドグマチールの詳細については以下の記事にまとめています。

ドグマチール(スルピリド)の効果と副作用。即効性はあるが強さはマイルド
ドグマチール(スルピリド)は、非定型抗精神病薬と呼ばれる薬の一つで、統合失調症、うつ病および胃潰瘍、十二指腸潰瘍など様々な疾患に用いられる薬...

ドグマチールのジェネリック

ルボックスのジェネリックは以下の種類になります(心のサプリより)

  • スルピリド錠: 50mg・100mg・200mg
  • ベタマック錠: 50mg・100mg・200mg
  • マーゲノール錠:50mg
  • スルピリド細粒:10%・50%

上記のように、スルピリド以外にも、ベタマックやマーゲノールというジェネリックもあります。

ドグマチールは歴史があり、かつよく使われている薬の1つなので、その分ジェネリックの種類も豊富にあります。

ジェネリックのメリット

ジェネリックのメリットはなんといっても薬価が安いことです。

一般的に、ジェネリックになると、薬価は数分の1程度になります。

もちろん効果は先発薬(ドグマチール)と変わりません。

現在ドグマチールを使われている方は、ジェネリックを使った方がお財布に優しくなります。

スルピリド錠の薬価

では、ドグマチールのジェネリックであるスルピリド錠の薬価はどのくらいなのでしょうか。

以下が先発薬のドグマチールとの比較になります。

  • 50mg:ドグマチール15.9円⇒スルピリド6.3円
  • 100mg:ドグマチール19.0円⇒スルピリド6.3円
  • 200mg:ドグマチール26.8円⇒スルピリド6.3円

用量によって価格差は異なりますが、先発薬のドグマチールの2分の1から4分の1の薬価になっています。

そもそもドグマチール自体が古い薬のため薬価が安くなっていますが、それよりもさらにジェネリックでは安くなっています。

このように、ドグマチールを処方される際には、ジェネリックのスルピリドの方が圧倒的にコストパフォーマンスがよいです。

既に述べたように、効果はドグマチールとスルピリドで同じですので、利用できる場合には是非ともジェネリックを使用することをおすすめします。

スルピリド錠の適応

スルピリド錠の適応疾患は以下になっています。

  • うつ病、うつ状態
  • 統合失調症
  • 胃・十二指腸潰瘍

これは先発薬のドグマチールと同じです。

ですので、どの適応であっても、今ドグマチールを使っている方は、そのままスルピリドに置き換えることが可能です。

適応疾患が違う場合もある

ジェネリックが発売された直後の場合には、先発薬とジェネリックとで適応が異なり、単純に置き換えることができない場合があります。

なぜこのようなこと起こるかと言うと、先発薬の特許は適応疾患毎に管理されているためです。

例えば、最初に統合失調症の適応でAという薬が発売され、その後何年かしてうつ病が適応に加わったとします。

このような場合には、Aのジェネリックが発売されても、当初は適応が統合失調症しかなく、ある程度時間が経ってからうつ病も適応になるということが起こり得ます。

スルピリドに関しては、このような適応の不一致はありませんので、どの適応であってもそのまま置き換えることが可能です。

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