抗不安薬がやめられない!依存性・耐性の問題とやめるタイミングの見分け方

緑と雲と空抗不安薬(精神安定剤とも言います)をなかなかやめられないと悩んでいる人は多くいます。

抗不安薬というのは使い始めのころはよく効いてくれるのですが、慣れるにしたがって効きが悪くなります。

そして、抗不安薬を使うのが当たり前という状態になると、そこからやめるのが大変になってしまいます。

なんとか無理にでもやめようとする人もいますが、無理にやめようとすると反動で離脱症状が出てしまうこともあります。

抗不安薬をやめる際には、無理にやめようとせず、もう必要ないと思えるようになってから徐々にやめていくことがポイントです。

抗不安薬(精神安定剤)の依存性・耐性の問題

現在主流のベンゾジアゼピン系の抗不安薬は、安全性が高く、医者の指示通り使用していれば問題ないと言われています。

一方で、よく新聞や週刊誌などにも取り上げられていますが、抗不安薬というのは使い始めると、なかなかやめにくくなるという問題点があります。

これは、抗不安薬の依存性や耐性といった性質に起因します。

依存性

依存性というのは、その名の通り、抗不安薬に依存してしまい、その薬なしではいられないという状態になってしまうことです。

タバコを吸った経験のある方であれば、体内からニコチンが抜けると体がニコチンを欲するため、タバコを吸わずにはいられないという状態をイメージするとわかりやすいかと思います。

この依存性には、大きく分けて身体的依存と精神的依存の2つが存在します。

身体的依存

身体的な依存とは、その薬をやめるとこれまで体内に存在していた成分がなくなり、それが原因で様々なよくない症状が引き起こされる状態をいいます

例えば、動悸がしたり、不安感が強くなったり、余計な汗をかいたりといったところが代表的な症状です。

このような症状が出てしまうがために、薬をやめられないというのが身体的依存に陥っている状態です。

精神的依存

精神的な依存とは、その薬はなくても身体的には問題ないものの、精神的に「薬がないとまずいのではないか」と思ってしまい、結果として不安や不眠といった症状を引き起こしてしまうことを言います。

これに関しては、完全に心の持ちようの問題なのですが、この心の持ちようというものは実に厄介で、なかなか自分でコントロールすることが難しい側面があります。

耐性

耐性とは、その薬を使うことに体が慣れてしまい、徐々に効きが悪くなってしまうことをいいます。

そのため、効果を維持するために徐々に量を増やしていき、気が付いたらかなりの量を使わないと効果が得られないということも起こり得ます。

耐性には個人差がありますが、やはり使う期間が長くなるにつれ、耐性がついてしまい、使用量が増える傾向にあります。

それでも必要なときは使った方がいい

このように、抗不安薬には依存性や耐性といった問題があります。

では問題があるから使わない方がいいのかというと、そういうわけではありません。

やはり、不安感が強く、いてもたってもいられないような時には薬を使った方が落ち着きますし、落ち着くことにより、心身をより休みやすい状態に持っていくことができます。

ですので、使うべき時にはしっかりと薬を使い、不安に対処するということが大切です。

不安や焦燥感に苛まれ続けながら1日を過ごすより、薬を使っても平穏に過ごした方がよっぽど健康的な生活が送れます

もちろん、すでに述べたように、耐性・依存性の問題はあるのですが、それはまず体調が回復してから取り組んでいくべき問題になります

ですので、まずは必要以上に抗不安薬を怖がらずに、使うべき時はしっかり使うという姿勢が必要です。

抗不安薬をやめるタイミング

まず最初の段階として、不安に対処し、心身を休みやすい状態にするために抗不安薬を使い始めます。

そしてある程度の期間が経つと、使う量が安定してきます。

つまり、抗不安薬を使えば概ね平穏に生活できるという状態が続きます。

さらに使い続けていると、今度は抗不安薬を使うと日中に眠くてしょうがない、どうしても昼寝をしてしまうという状態になります。

このような状態になると、いよいよ抗不安薬を減らしたりやめたりするタイミングになります

人間の体には自然治癒力が備わっているため、不安障害のような一時的に心身のバランスが乱れてしまっている時には薬を必要とするのですが、そのバランスの乱れが改善するに従い、徐々に薬を必要としなくなってきます。

この、薬を必要としない状態になってから、徐々に抗不安薬をやめていくというのが無理なくやめるためのポイントになります。

具体的には、日中眠くてしょうがない、日中にどうしても寝てしまう、活動するのに抗不安作用が邪魔になるといったことがそのサインになります。

ただし、このような状態になったからといって、いきなりやめることにはリスクがあります。
上記のように抗不安薬には依存性・耐性の問題があるためです。

抗不安薬の減らし方

抗不安薬の減らし方には2通りあります。

使う頻度を減らす方法と、使う量を減らす方法です。

使う頻度を減らす

例えば、1日3回使っていたとすると、それを1日2回にします。

そしてその状態で2週間ほど様子をみます。

もし減らすことで離脱症状が出てしまった場合には、元の量に戻します。

大丈夫な場合には1日1回にします。

そして更に2週間ほど様子をみます。

このように、使用頻度を徐々に減らし、最終的に0にするのが1つの方法です。

なお、様子を見るのは必ずしも2週間ではなく、自身の状態や気持ちに合わせ、1か月であったり2か月であったりしてもよいと思います。

このようにして、徐々に使う頻度を減らしていくのが1つの方法になります。

使う量を減らす

頻度ではなく、量を減らすという方法もあります。

基本的な考え方は頻度を減らす場合と同じで、対象となるのが頻度ではなく量になります。

例えば、1回2錠使っていた場合、1回1錠に減らし、2週間程度様子を見ます。

もし減らすことで離脱症状が出てしまった場合には、元の量に戻します。

大丈夫な場合には1日0.5錠にします。

そして更に2週間ほど様子をみます。

このように、使用量を徐々に減らし、最終的に0にするのがもう1つの方法です。

なお、ここでも様子を見るのは必ずしも2週間ではなく、自身の状態や気持ちに合わせ、1か月であったり2か月であったりしてもよいと思います。

完全にやめず、頓服にしてもよい

抗不安薬は、完全にやめようとするのではなく、徐々に使用頻度を減らし、頓服にしていくという方法もあります。

やはり気分の波によっては抗不安薬を必要とする場合もあるため、定期的な使用をやめたからといってその後無理に完全に使うのをやめる必要はありません。

必要な時には必要なだけ使った方が結果としてうまくいくことが多いです。

また、頓服として使う限りにおいては、常に体内に薬の効果が残っている状態にはならないため、依存性や離脱症状のリスクは大きく低減されます。

睡眠薬よりは抗不安薬の方がやめやすい

あくまでも個人的な感想ですが、睡眠薬に比べると、抗不安薬はやめ易いと思います。

というのは、睡眠薬は睡眠という無意識の領域に作用するため、なかなか対処するのが困難なのですが、基本的に抗不安薬は起きている時に効果を発揮する薬ですので、対処しやすいためです。

精神的には、睡眠薬に関しては、眠れなかったらどうしようと考えてしまい、実際によく眠れないと翌日に大きな影響を与えてしまいます。

一方で、抗不安薬の場合には、日中に使うことを考えると、必要になったら使えばいいやと割り切れるところがあります。

そのため、精神的な依存という観点から、睡眠薬は抗不安薬よりやめる難易度が高いと感じます。

しかしながら、もちろ抗不安薬の場合にも、長期に渡りある程度の量を使用している場合には、依存性や離脱症状が問題になることがあるため、やめる際には注意するに越したことはないと思います。

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