現在抗うつ剤には様々な種類が存在しますが、
それは、意欲ややる気を上げる効果のある抗うつ剤と、
ざっくり言ってしまうと、前者はアップ系抗うつ剤、
もちろん、両方の特徴を兼ね備えた抗うつ剤もありますので、
ここでは、この2つの種類の抗うつ剤の特徴と、
抗うつ剤の2つの効果
抗うつ剤には大まかに2つの効果があります。
1つは意欲ややる気を上げる効果で、
抗うつ剤によって、どちらか一方の特徴を持っていたり、
この2つの効果には、
セロトニン
セロトニンは不安や焦燥感といった部分に作用する神経伝達物質で
脳内のセロトニンが不足することにより、
そのため、
このような抗うつ剤は、
ノルアドレナリン
ノルアドレナリンは意欲ややる気といった部分に作用する神経伝達
うつ病になると、
いくつかの抗うつ剤には、
このような抗うつ剤は、意欲ややる気を上げるという意味で、
意欲ややる気を上げる効果のある抗うつ剤
では、
以下がその代表的な抗うつ剤になります。
- 三環系抗うつ剤(除くアナフラニール)
- SNRI系抗うつ剤(除くトレドミン)
三環系抗うつ剤
三環系の抗うつ剤は全般的にノルアドレナリンへの作用が強く、
ただし、
また、
加えて、その副作用である強烈な鎮静作用も考慮すると、トリプタノールはダウン系の抗うつ剤と言ってしまった方が適切かもしれません。
SNRI系抗うつ剤
SNRI系の抗うつ剤は以下の3つになります。
- サインバルタ
- イフェクサー
- トレドミン
SNRI系の抗うつ剤はセロトニン、
ただし、上記の3つの中でトレドミンは効果が弱いため、
そのため、
ただし、SNRIはセロトニンにもしっかり作用するため、
不安や焦りを和らげる効果のある抗うつ剤
一方の、
- SSRI全般
- NaSSA(リフレックス・レメロン)
SSRI系抗うつ剤
SSRIは日本語で「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」
つまり、セロトニンだけに選択的に作用する抗うつ剤となります。
そのため、
SSRIには以下のような抗うつ剤があります。
- ルボックス・デプロメール
- パキシル
- ジェイゾロフト
- レクサプロ
これらのうち、ルボックス・デプロメールは抗うつ作用が弱く、
NaSSA系抗うつ剤
NaSSAはセロトニンとノルアドレナリンの両方に作用する抗う
ですのでアップ系及びダウン系どちらにも分類可能なカテゴリーで
というのは、NaSSAは副作用の鎮静作用がとても強く、
現在存在するNaSSA系抗うつ剤はリフレックス・
(リフレックスとレメロンは名前は違いますが、
アップ系とダウン系の抗うつ剤の使い分け
アップ系とダウン系に属する抗うつ剤をご紹介しましたが、
そのため、使うのに有効な場面というのもそれぞれ異なります。
アップ系抗うつ剤を使う場面
前述のように、
そのため、有効な使用局面は以下のような場合になります。
- しっかり休み、エネルギーは溜まってきたものの、
いまいち意欲ややる気が上がってこない - 働きながらなんとか意欲ややる気を上げて乗り越えたい
- 復職に向けしっかり準備してきたものの、
どうしても億劫感が抜けず、やる気が出ない
このような時に、アップ系の抗うつ剤は有効でないかと思います。
逆に、しっかり心身を休ませ、エネルギーを回復させたい時には、
適さないどころか、やる気を上げて無駄にエネルギーを消耗することによって、回復を遅らせる危険性すらあるのではないかと思います。
ダウン系抗うつ剤を使う場面
ダウン系の抗うつ剤は心身を休みやすい状態にする抗うつ剤です。
そのため、特に以下のような場合に有効であると考えられます。
- エネルギーが枯渇し、ゆっくり休む必要があるとき
- 不安感や焦燥感などが強いとき
- ストレスにより自律神経のバランスが乱れ、
交感神経やノルアドレナリンが優位になってしまったとき
要するに、しっかりと休む必要があるときには、
うつ病の治療の基本はしっかり休むことです。
そういう意味では治療期間全体を通じては、
まとめ
抗うつ剤の代表的な2つの種類ということで、
現在主流の抗うつ剤はダウン系ですが、
そういう意味で、抗うつ剤の選択肢の広がりとともに、
この両者は異なる方向性の効果を持つため、