うつ病による休職と会社での評価への影響

うつ病からの回復うつ病に罹り、休職する際に気になる点の1つは、会社での評価はどうなるかということではないでしょうか。

結論から言ってしまうとうつ病による休職は会社での評価を下げます。

しかしながら、その影響度合いは会社により異なります。

ここでは会社の特徴を2つに分けて、うつ病による休職の評価への影響をご紹介してみたいと思います。

うつ病による休職は会社での評価を下げる

うつ病で休職すると、ほぼ間違いなく会社での評価は下がります。

やはりメンタルヘルスに問題があるというのは会社にとっては大きなマイナスポイントになります。

また、休職というのは目に見えてわかりやすい評価を下げる要因になりますので、休んだ時ならず、その後も尾を引くことが多いです。

では実際にどの程度評価が下がるのかという点については、会社によって大きな違いが見られるようです。

ここではわかりやすい例として年功序列的な会社と実力主義的な会社の2つを取り上げます。

年功序列色の強い会社の場合

いわゆる昔ながらの日本の大企業で、年功序列色が強く社員間の評価にあまり差をつけないような会社の場合、評価の下がり具合は相対的には小さい場合が多いようです。

年功序列色の強い会社の代表例としては元国営の企業や重厚長大の企業などでしょうか。

このような会社の場合、ベースには年功序列の考え方があるので、もちろん休職中に年を取ることにより評価が上がるということはありえませんが、休職中は評価据え置きとなる場合がわりと多いようです。

つまり、このような会社では、うつ病で休職した場合、その後復職を果たして通常に働けるまでの期間をあたかも時間が止まっていたかのように扱い、その後通常通りに年功序列に戻るというパターンが多いようです。

このようなシステムの場合には、イメージとしては評価が下がるというよりは据え置かれるという形になるため、ダメージはそれほど大きくはありません。

だたし、もちろん自分の評価が据え置かれている最中も他の社員は年功序列に従って徐々に昇進・昇格をしていくため、相対的な評価は下がることになります。

また、その期のパフォーマンスが反映されるボーナスに関しては、大きく減額される(もしくは支給されない)可能性が高いです。

このように、うつ病による休職のダメージはあるものの、比較的評価への影響が少ないのがここで挙げた年功序列色が強い企業群になります。

実力主義の強い会社

実力主義の強い会社は、そもそもの評価がとてもシビアです。

大きいな成果を上げればその分報酬は期待できますが、そうでない場合にはどんどん下の人にも抜かれ、給料も上がりません。

このような会社の場合、うつ病で休職すると評価は奈落の底に落ちます。

そもそも働けない(成果を出せない)というマイナスポイントに加え、精神疾患というハンデも負うため、休職すると評価という意味では終わります。

このような会社で働いていた場合の通常のパターンとしては、復職して最初の評価では、まず以前の自分の職位の中で一番下の評価に落ちます。

そして、その後もうつ病で休職という過去がネガティブに働き、自分の評価が上がることがほとんどありません(もちろん表向きは別の理由をつけての低評価となります。病気を理由にすると訴えられる可能性がありますので)

このように、実力主義的な会社の場合には、一度うつ病で休職すると、その後大きく昇進、昇格することはかなり難しいと思います。

むしろ復職後きちんと働けるようになっているにも関わらずどんどん後輩にも抜かれ、評価という点ではずっと不満を抱えたまま過ごすことにもなりかねません。

このような会社に在籍している場合の選択肢は以下の2つです。

  • 評価については割り切って働く
  • 転職するなど環境を変える

どちらもある程度のハードルを越える必要がありますが、残念ながらうつ病というのはそれだけキャリアに大きな影響を与える可能性があるのです。

会社によってうつ病への対応や理解はかなり違う

ここでは両極端な2つの例を取り上げましたが、現実には個々の会社でそれぞれ評価に対するスタンスは異なるかと思います。

また、もちろん会社の属性だけでなく、本人の元々の評価という点ももちろん影響するかと思います。

そして、個人的に思うのは、会社によってうつ病への理解はかなり違うということです。

大企業の方が制度的な面では優れている

やはり大企業の方がうつ病に慣れている(従業員が多いのでうつ病になる人の数も多い)ので、ある程度理解のある会社が多いように思います。

そして、復職後の対応などについても、制度的にしっかりしているところが多いように思います。

一方で大企業ほど余力のない中小企業や、実力主義的な考えの会社では、うつ病はとてもネガティブに捉えられる傾向があるように思います

そしてうつ病になって思うのは、福利厚生や支援制度の充実している公務員や大企業がうらやましいということです。

もちろん事前に病気になることは予期できないので仕方ないのですが、多くの大人が、「働くなら公務員や大企業の方がいい」と考えるのも一理あるなと思う今日この頃です。

それはそれとして、やはり社会全体として、うつ病への理解を深め、より働きやすい環境になってくれたらよいなと思っています。

病気を理由に評価を下げることはできない

実は、会社というところは、評価をする際には病気をその理由にすることはできません。

病気を理由にしてしまうと、差別とみなされてしまうからです。

同じような問題は、人種や性別などでもありますね。

ですので、表向きは別の理由をつけて評価を下げるのですが、実際には病気が大いに影響しているということが多々あります

例えば、評価のフィードバックを受ける際に、あれこれの案件がどうのこうので、といった理由で低い評価をつかられるかもしれませんが、実はそれは建前で、本音は病気を患っていることにあるということが多々あります。

このような対応は、受ける側からすると、正直やりきれない気持ちになります。

到底納得できるものではありませんし、あまりにも言っていることのピントがずれているからです。

素直に病気だから、もしくは休職していたから、と言われた方がひょっとすると気持ち的には腑に落ちるかもしれませんが、それでも成果ではなく、属性で評価されるというのは納得がいかないと思います。

いずれにせよ、このように休職後の評価のフィードバックというのは、非常にストレスフルで納得のいかないものになることが多いです。

もしその会社で働き続けたいと考えているのであれば、このような対応に目をつぶる必要があるのかもしれませんが、もしそうでなければ転職などをして新しい環境を探すというのも1つの方法かと思います。

過去の休職がその後何年にも渡って影響し続けるのであれば、その職場には見切りをつけるのも、気持ちの踏ん切りをつけるにはいいのかもしれません。

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