うつ病で休職してから復職するまでの期間の長さはどの程度か

空と海うつ病で会社を休職する場合、どのくらいの期間休む必要があるのでしょうか。

できるだけ早く復帰したいというのが多くの人の思うところだと思いますが、一方で早すぎる復職というのは再発、再休職のリスクを高めることにもつながります。

ここでは、一般的にうつ病で休職してから復職するまでにかかる期間をご紹介します。

1か月では難しい

うつ病で休職することになった場合、休めばすぐに治ると思っている人が多くいます。

そもそもサラリーマンは長期間休むということに慣れていない為、休職と言ってもせいぜい1か月くらいだろうと思う方が多数います

しかしながら、うつ病で仕事ができない、という状態になってから、1か月で回復することは現実には難しいです。

もちろん1か月という時間があれば、体調をある程度回復させることは可能かもしれませんが、再び会社で働ける状態に持っていくには1か月ではほとんどの場合足りません。

中には、無理をして1か月で復職する方も散見されますが、この場合には復職後非常に苦労し、頻繁に休みや遅刻、早退をしながら、無理やり勤務を続けるというパターンに陥ることがあります。

そして結局再び働けなくなり、再休職するというケースも多々あります。

1か月の休みというのは一般的に見れば長い休みですが、うつ病から回復するための期間としては短いと言わざるをえません

有給の範囲内だと1か月くらいしか休めない、という話も聞きますが、やはり1か月では焼け石に水というのが現実です。

最低3か月は必要

では、最短でどのくらいで復職できるかというと、3か月が最短の目安です。

この3か月の根拠を理解するためには、うつ病からの回復のステップを理解する必要があります。

うつ病からの回復の3つのステップ

うつ病からの回復には大きく分けて以下の3つのステップが存在します。

1、急性期(最悪期)

最も症状が重く、ほとんど何もすることができない時期。
基本的に1日中寝たりぼーっとしたりして過ごし、ひたすらエネルギーを溜める時期。

2、回復期

徐々に体が動くようになり、できることが増えてくる時期。
少しずつできることを増やしていき、散歩や家事などをしながら体力の回復や精神的な安定を取り戻す時期。

3、社会復帰準備期

復職や社会復帰のためのリハビリを行う時期。
規則正しい生活を送り、図書館に通うなどして外で過ごす練習をし、社会復帰の準備をする時期。

各ステップで1か月は必要

以上の3つのステップを経て、復職までたどり着くことになります。

そして、それぞれのステップにおける最低限必要な期間は、それぞれ1か月程度です。

つまり、休職してから復職するまでは、最低でも

  • 急性期1か月 + 回復期1か月 + 社会復帰準備期1か月

で、トータル3か月が必要ということになります。

この3か月という期間はあくまで最低限の数字です。

ですので、休職期間を想定する際には、この3か月というのをベースに、これ以上という認識を持つことが必要です。

平均的には6か月程度

では、平均的には休職期間はどのくらいかというと、6か月程度が平均的な休職期間の長さになります。

ただし、6か月という期間はあくまで平均的な数字になりますので、もちろんこれより短い場合もあれば、1年以上休職をする方もいます。

また、この数字はあくまで休職をして復職をした方を対象としていますので、退職した方は含まれていません。

そういう意味では実際の療養期間の平均はもっと長い可能性もあります。

6か月の休職期間の内訳ですが、ざっくりと以下のようになります。

  • 急性期2か月、回復期2か月、社会復帰準備期2か月

要するに、各ステップ2か月ずつで計6か月というのが標準的な内訳となります。

だたし、うつ病の治療というのは一筋縄でいかないものです。

例えば、急性期から回復期に進んだものの、体調が悪化し再び急性期に戻る、急性期からなかなか回復期に進まない、などということが多々起こります。

ですので、必ずしも急性期⇒回復期⇒社会復帰準備期と順調に進むわけではありません。

むしろこのように一本調子に進んだ場合には、かなり順調な回復と言えます。

人によって、また症状の重さによって休む期間の長さは異なりますが、一般的には6か月程度が1つの目安ということを頭に入れておくとよいと思います。

焦って早く復帰することの弊害

ここまで読んで、最低3か月も休めない!ましてや6か月なんて休んだら会社にいられなくなる!と思った方もいるかと思います。

しかし現実的な問題として、うつ病という病気の治療には多くの時間を必要とします。

時間が回復のための薬といってしまってもいいくらいです。

不十分な状態での復職は再発リスクを高める

ところが、どうしても長い期間休むということを受け入れられず、体調が不十分なまま復職してしまう方もいます。

この場合どのようになるかというと、冒頭の方でも少し触れましたが、不十分な体調での復職はその後の会社生活を大変辛いものにします

まず、不十分な状態だと休まずに行くことが困難なため、会社を休みがちになります。
そして、遅刻や早退もちらほらすることになります。

また、仕事をしている時もほとんどいつもしんどい状態が続き、苦しみに耐えながら仕事をこなしていくという状態になります。

帰宅後や休日は会社での体力の消耗を取り戻すために、ひたすら横になり休むことになります。

このような状態を続けていくと、そもそも何のために働いているのかわからなくなってきます。

さらに、体調が脆弱な状態であるため、ストレスや体力の消耗に弱く、再発や再休職のリスクも高まります。

このように、不十分な状態での復職というのは百害あって一利なしです。

会社側としても、しょっちゅう休んだり、仕事がなかなか進まなかったりすると徐々にその人を信用することができなくなり、仕事をやらせることもできなくなってきます。

こうなってしまうと、本人のみならず会社にとっても困った状態で、両者にとって何のメリットもありません。

やはり、焦って早く復職するのではなく、きちんと上記の3つのステップを踏んで、精神的に安定し、体力的にも回復してから復職するということがとても大切なことです。

復職時期には少し余裕を持つ

早すぎる復職は結果的に長くつく

復職における過ちの1つに、復職が早すぎるということがあります。

うつ病になる人は往々にしてまじめな人が多いため、出来る限り早く復職しようとする方が多いです。

そして、早すぎる復職は、上記のように多くの弊害をもたらし、結果的に回復が長引く要因にもなります。

復職にはある程度の余裕が必要

復職において心得るべきは、復職の時期には余裕を持つということです。

ある
程度状態が回復し、これなら会社にいってもなんとかやれそうだ、という気持ちになっても、そこではまだ回復が不十分な場合が多いです。

家や図書館などで過ごすのと、会社で1日を過ごすのでは、受けるストレス、消耗するエネルギーが圧倒的に違います。

このギャップを埋めるには、出来る限り復職前に体力を高め、ストレス耐性を上げておく必要があります。

そのためには、「これならなんとかやれそうだ」という状態ではなく、「ここまでやったのだからさすがに復職しても大丈夫だろう」という少し余裕すら感じさせる状態になってから復職することが大事です。

「この状態で復職しても大丈夫だろうか」という気持ちであれば、復職はまだ時期少々です。

「もはや休んでいても手持ちぶさただし、なんか暇だしやっぱり働きたいなあ」くらいの気持ちになってから復職するのがちょうどよいです。

復職後はとにかく体力勝負で、かつどんなにいい状態で復職しても、復職直後はとても疲れ、しんどい状態が続きます。

復職前にはどんなに準備をしてもしすぎることはありません。

参考記事:うつ病からの復職の可否を見分けるポイント

まとめ

うつ病で休職する場合に、どのくらいの期間休みが必要か、についてご紹介しました。

既に述べたように、最低で3か月、平均的には6か月というのが目安になります。

ただし、うつ病からの回復には個人差がありますので、1年以上かかる場合もありますし、数年単位の療養が必要な場合もあります。

一方で、うつ病という病は残念ながら急によくなることはないため、1か月ですぐ治るというようなことは基本的に期待できません(もし1か月で治ったらそれはおそらくうつ病ではありません)。

このようにうつ病の治療にはとても長い時間がかかるのですが、病気になってしまった以上は仕方のないことです。

できるだけ長い目で見て、焦らず、しっかりと療養に専念することが大切なのではないかと思います。

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