ルネスタの効果と副作用。アモバンを改良した睡眠薬

空と太陽

ルネスタは非ベンゾジアゼピン系というカテゴリーに属する睡眠薬です。

確かな睡眠作用がある一方、副作用が少ないという特徴があります。

アモバンという1989年に発売された睡眠薬がありますが、ルネスタはこのアモバンの改良版になります。

ここではルネスタの概要や効果と副作用、マイスリーやアモバンとの比較などをご紹介します。

ルネスタの概要

ルネスタは日本では2012年に発売された睡眠薬です。

睡眠薬としては新しい部類に入ります。

以下にルネスタの基本情報をご紹介します。

睡眠薬としての系統

  • 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬とは、現在主流として使われているベンゾジアゼピン系睡眠薬と概ね同一の系統ですが、副作用がベンゾジアゼピン系よりも軽減されているという特徴があります。

作用時間

  • 半減期(薬の血中濃度が半分になるまでの時間):約5時間
  • 血中濃度最高点到達時間:約1時間

薬の効果は服用後約1時間で最大になり、約5時間で血中の濃度が半分になります。

半減期がおおよそ薬が効果を発揮する時間の目安になりますが、実際にはそれよりやや短く感じることが多いです。

ルネスタに関しては、実際には3~4時間程度効果を実感します。

適応疾患

  • 不眠症

ルネスタの作用時間の長さと強さ

ルネスタをはじめとした睡眠薬は、「作用時間の長さ」と「作用の強さ」という2つの軸で特徴が表されます

睡眠薬の作用時間の分類

まず、睡眠薬の作用時間の4つの分類を見てみます。

  • 超短時間型:作用時間が概ね6時間以内
  • 短時間型:作用時間が6時間から12時間程度
  • 中時間型:作用時間が12時間から24時間程度
  • 長時間型:作用時間が24時間以上

どの作用時間の睡眠薬を使うかは、睡眠障害の種類によって異なります。

睡眠障害には以下の3つのタイプがあります。

  • 入眠障害:なかなか寝付けない
  • 中途覚醒:途中で起きてしまう
  • 早朝覚醒:早朝に起きてしまう

睡眠薬の作用時間と、睡眠障害の種類の関係は概ね以下のようになります。

  • 超短時間型:入眠障害
  • 短時間型:入眠障害及び中途覚醒
  • 中時間型:中途覚醒及び早朝覚醒
  • 長時間型:早朝覚醒

ルネスタは半減期が約5時間の超短時間型の睡眠薬のため、主に入眠障害に使われる薬となります。

ルネスタの強さ

ルネスタは切れの良い睡眠薬で、確かな睡眠作用があります。

効果の出現がとても早く、服用後30分もすると眠くなってきます。

そして体感としては約3~4時間程度で効果は消失していきます。

すぐに効果が表れ、比較的短時間で消失するのがルネスタの特徴となります。

しっかりと効果の実感できる、作用の強い睡眠薬と言えます。

睡眠薬の強さは量で調整できる

なお、睡眠薬の強さは量で調整できますので、実際にはその薬の強さより、作用時間の方が重要になります。

きちんと自分の症状に合った作用時間の睡眠薬を選んだうえで、作用の強さを調整するというのが一般的な選び方になります。

ルネスタの副作用

ルネスタをはじめとした非ベンゾジアゼピン系やベンゾジアゼピン系の睡眠薬には主に以下の5つの副作用があります。

  • 耐性
  • 依存性
  • 眠気の持ち越し
  • 健忘
  • ふらつき

耐性

「耐性」とは、その薬を使い続けることによりその薬に体が慣れてしまい、同じ効果を得るためにより多くの量を使用しなければならない状態になることをいいます。

依存性

「依存性」とはその薬が体内に入ってくることが当たり前になってしまい、その薬なしではいられなくなってしまう状態になってしまうことをいいます。

眠気の持ち越し

「眠気の持ち越し」は睡眠作用が翌日まで残ってしまうことをいいます。

特に、作用時間が長い睡眠薬の場合には注意が必要です。

ルネスタは作用時間が短いため、眠気の持ち越しは起こりにくい薬となっています。

健忘

「健忘」は睡眠薬を服用後、自分のしたことを忘れてしまうことをいいます。

服用後にすぐに寝てしまえばこのようなことは起こらないのですが、何かをしようとすると、そのしたことを忘れてしまうことがあります。

翌朝起きてみたら意外なところに意外なものが置いてあった、などは健忘の1つの例と言えます。

ふらつき

「ふらつき」は睡眠薬の睡眠作用や筋弛緩作用(筋肉を和らげる作用)がふらつきにつながり、転倒などが起こりやすくなります。

この副作用も服用後に寝てしまえば問題ないのですが、服用後に活動しようとすると起こり得る副作用といえます。

また、寝ている途中でトイレに行くときなどには注意が必要な副作用と言えます。

基本的に安全性は高い

現在主流のベンゾジアゼピン系の睡眠薬は副作用が軽減されており、基本的に医師の指示通りに使用している限りにおいては大きな問題はない場合が多いかと思います。

ルネスタに関してはベンゾジアゼピン系より更に副作用を軽減した非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬のため、より安全性が高いと言えます。

上記の健忘・ふらつきに関してはかなり軽減されており、また超短時間型の睡眠薬のため、翌日への持ち越しもほとんどみられません。

ただし、耐性・依存性についてはルネスタに限らず睡眠薬全般に注意が必要です。

長期間使い続けると、やめる際に依存性や離脱症状といったリスクは高くなります。

できるなら短期間での使用に留める方がより安全に使えます。

ルネスタはアモバンの改良版

ルネスタはアモバンという非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬の改良版になります。

アモバンは1989年に発売された超短期型の睡眠薬で、切れの良さに定評のある薬です。

一方で薬の味が苦く、不快であるという点と切れが良い分、健忘などの副作用がたまにみられることがマイナス点でした。

ルネスタはアモバンのこうした副作用を軽減し、効果は概ねそのまま保った睡眠薬ですので、今となってはアモバンを使う意義というのがすっかり減ってしまいました。

ただし、アモバンのよくない特徴であった苦味が完全に消失したわけではなく、このルネスタも軽減はされたものの引き続き苦味が残っています。

ただ個人的にはアモバンに比べると大分ましになり、かなり服用しやすくなったと思います。

マイスリーとの比較

マイスリーは半減期が短い

私の場合、このルネスタが出る前には入眠用の睡眠薬としては長らくマイスリーを使用していました。

マイスリーはとてもよく使われている睡眠薬なので、知っている方も多いのではないかと思います。

マイスリーという睡眠薬は速やかに効果が出現し、眠くなる切れの良い薬なのですが、一方で半減期が約2時間と効果の持続時間がとても短いという特徴があります。

この効果がすぐに切れるという点が私にとってはデメリットで、早く寝ないと効果が切れてしまうというプレッシャーを感じながら眠りにつくことが多々ありました。

ルネスタの方が作用時間が長い

一方でルネスタの場合、半減期が約5時間ありますので、マイスリーの倍くらい効果が持続してくれます。

そのため、早く眠らなきゃというプレッシャーと感じることなく眠ることができるのがルネスタの大きなメリットです。

このような特徴の違いから、ルネスタが出てからは入眠用には主にルネスタを使用するようになりました。

ルネスタの特徴まとめ

以上、ルネスタの特徴をまとめると以下のようになります。

  • 効果の切れが良く、入眠障害に適した睡眠薬
  • 睡眠薬の中では新しい部類に入る
  • アモバンの改良版で、副作用が軽減されている
  • 苦味はアモバンより軽減されたものの依然としたある程度残っている
  • 超短期時間型の睡眠薬の中では作用時間は長く、早く寝なきゃというプレッシャーを感じないで使える

個人的には、現在のところ入眠に特化した睡眠薬としては、このルネスタが一番いいのではないかと思っています。

もちろん薬には人によって相性がありますので、使用の際には医者と相談の上、自分に合った薬を見つけていくことが大切かと思います。

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