セディールのジェネリック「タンドスピロン」の効果・副作用と薬価・適応

入道雲と空

タンドスピロンは、セディールのジェネリック薬品です。

ジェネリックは別名後発薬とも言われ、元祖の薬の特許期間が過ぎた後に、元の薬と同じように作られたものになります。

つまり、ジェネリックは効果や副作用という観点からは元祖の薬と同じものになります。

セディールは発売が1996年と、抗不安薬の中では新しい部類に入ります。

ただし、それでも発売からは20年以上経っていますので、ジェネリックが存在します。

ここでは、セディールのジェネリックであるタンドスピロンについてご紹介します。

ジェネリック医薬品とは?

ジェネリック医薬品とは、新薬の特許が切れたあとに販売される、新薬と同じ成分を持ち、同じ効き目薬です。

製薬会社が新薬を発売した際には、特許を取得するため、特許期間中は他の製薬会社は同じ薬を開発・販売することができません。

特許期間が切れた後に、先発薬(新薬)と同じように作られた薬がジェネリックとなります。

新薬で既に有効成分、薬の構造などがわかっているため、ジェネリックは少ないコストで開発することができます。

そのため、一般的に先発薬に比べ、薬価が安いという特徴があります。

タンドスピロンの概要

上記のように、タンドスピロンはセディールのジェネリックであるため、効果としてはこの2つは同じものと考えてしまって差し支えありません。

以下に簡単にセディールの効果と副作用をご紹介します。

セディールの効果

セディールは抗不安薬と呼ばれる薬です。

抗不安薬とは、不安を和らげ、心身を休みやすい状態にする薬です。

セディールの特徴としては、従前よりよく使われているベンゾジアゼピン系の抗不安薬とは異なる作用プロセスを持つことです。

ベンゾジアゼピン系の抗不安薬は脳内の不安や緊張をつかさどるGABAという部分に働きかけることで抗不安作用を発揮します。

一方で、セディールの場合には、脳内のセロトニンにピンポイントで作用することで、不安を和らげるという特徴があります。

こう書くとセディールはとても優れた薬のように思えてきますが、実際のところ、セディールと言う薬は効果が弱いという弱点があります。

そのため、セディールは使っても効果を感じないという声をしばしば耳にします。

私もかつてセディールを使っていたことがありましたが、正直抗不安作用を実感することはできませんでした。

一方で、セディールにはメリットもあります。

それは副作用が少なく、安全性が高いということです。

詳しくは後述しますが、一般的に抗不安作用にはいくつかの副作用が存在します。

そして、セディールは抗不安薬の中でもトップレベルに副作用が少ないのです。

つまるところ、効果は弱いが副作用も少ない、まさにローリスクローリターンという特徴がセディールを象徴しています。

セディールの副作用

セディールをはじめとした抗不安薬にはいくつかの副作用があります

代表的なところでは、

  • 耐性
  • 依存性
  • 眠気
  • ふらつき

などです。

眠気とふらつき

抗不安薬と睡眠薬は親戚のようなものなので、「眠気」やそれにともなう「ふらつき」といった副作用が発生するのは致し方ないことです。

この辺りはあらかじめ認識しておく必要があります。

ただし、セディールの場合は、前述したように効果が弱い反面、副作用も弱いです。

そのため、眠気やふらつきといった副作用も起こりにくいというメリットがあります。

特に働きながら抗不安薬を使う人にとっては、眠くならないというのは大きなメリットの1つです。

従来のベンゾジアゼピン系の抗不安薬は、多かれ少なかれ眠気の副作用があります。

そして、眠気が訪れると、仕事に支障をきたしてしまう可能性があります。

セディールの場合、このような心配をせず使うことができるため、働きながら軽い不安に対処するという場合には適しているのではないかと思います。

耐性と依存性

抗不安薬で特に問題になりやすいのは、「耐性」や「依存性」といった副作用です。

「耐性」というのは、その薬を使い続けていると、体が慣れてしまい、同じ効果を得るためにはより多くの量を必要としてしまうことと言います。

「依存性」というのは、その薬に依存してしまい、その薬なしではいられない、その薬が止められないという状態になってしまうことを言います。

この2つは由々しき問題ですので、抗不安薬や睡眠薬は1か月以内の使用が望ましいと言われています

ただしセディールの場合には、非常に安全性が高いため、耐性や依存性といった問題はベンゾジアゼピン系の薬に比べて著しく低いです。

実際に私がセディールを使っていた際にも、耐性や依存性が問題になったことはありません。

なお、セディールの詳細については、以下の記事をご参照ください。

セディール(タンドスピロン)を頓服として使用。効果が弱く副作用も感じない
セディールは抗不安薬と呼ばれるカテゴリーに属する薬です。 抗不安薬は精神安定剤とも呼ばれ、不安や緊張などを和らげる効果のある薬...

セディールのジェネリック

セディールのジェネリックは以下の種類になります(お薬110番より)

  • タンドスピロンクエン酸塩錠: 5mg、10mg、20mg

先発薬のセディールと同じラインナップとなっています。

ジェネリックのメリット

ジェネリックのメリットはなんといっても薬価が安いことです。

一般的に、ジェネリックになると、薬価は数分の1程度になります。

もちろん効果は先発薬と変わりません。

現在先発薬を使われている方は、ジェネリックを使った方がお財布に優しくなります。

タンドスピロン錠の薬価

では、セディールのジェネリックであるタンドスピロン錠の薬価はどのくらいなのでしょうか。

以下が先発薬のセディールとの比較になります。

  • 5mg:セディール16.6円⇒タンドスピロンクエン酸塩10.0円
  • 10mg:セディール28.8円⇒タンドスピロンクエン酸塩16.9円
  • 20mg:セディール49.7円⇒タンドスピロンクエン酸塩31.4円

タンドスピロンの方が概ね4割程度安くなっています。

ディスカントの割合は用量によらず、概ね同じです。

前述の通り、セディールとタンドスピロンで効果は同じですので、利用できる場合にはジェネリックを使用することをおすすめします

タンドスピロン錠の適応

タンドスピロン錠の適応疾患は以下になっています。

  • 心身症(自律神経失調症、本態性高血圧症、消化性潰瘍)における身体症候ならびに抑うつ、不安、焦躁、睡眠障害
  • 神経症における抑うつ、恐怖

これらを見ると、主として不安や抑うつ、睡眠障害などに使用される薬となっています。

セディールと適応疾患は同じですので、今セディールを使っている方は、そのままタンドスピロンに置き換えることが可能です。

適応疾患が違う場合もある

ジェネリックが発売された直後の場合には、先発薬とジェネリックとで適応が異なり、単純に置き換えることができない場合があります。

なぜこのようなこと起こるかと言うと、先発薬の特許は適応疾患毎に管理されているためです。

例えば、最初に統合失調症の適応でAという薬が発売され、その後何年かしてうつ病が適応に加わったとします。

このような場合には、Aのジェネリックが発売されても、当初は適応が統合失調症しかなく、ある程度時間が経ってからうつ病も適応になるということが起こり得ます。

タンドスピロンに関しては、先発薬もジェネリックも発売からかなり時間が経過しているため、このような適応の不一致はありませんのでどの適応であってもそのまま置き換えることが可能です。

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