うつ病への偏見とカミングアウトの難しさ

澄んだ海うつ病という病気は、世間一般への認知度は広がったものの、まだ大きな偏見を持たれている病気であると感じます。

私自身、一度職場へ復帰したとき、偏見を恐れ周囲にカミングアウトすることはできませんでした。

ここでは、私がカミングアウトすることのできなかった経験や、他の人はカミングアウトしているのか、そしてうつ病に対する偏見について思うところを述べています。

うつ病への偏見

うつ病に限らず、精神疾患というのはどうも他の病気に比べ、偏見をもたれているという印象を受けます。

人間の心に関するものであり、実際にどういうものかよくわからないという病気に対する理解の不足が偏見を生んでいる要因になっているように思えます。

私自身、うつ病を初めて患ったとき、正直恥ずかしいという気持ちがあり、周囲に素直に打ち明けることができませんでした。

今となっては、家族や親しい友人などは私の病気について理解してくれていますが、やはり初対面の人やそれほど親しくない人へはあえてカミングアウトすることはしていません。

復職時に感じた偏見とカミングアウトの難しさ

以前一度復職したときの話です。

もちろん直属の上司や人事部は私の病気のことは認識していましたが、それ以外の人へは特に何も説明はありませんでした(薄々は感じていたと思います)

率直に言って、うつ病を抱えながら仕事をすることは大変なことなので、少しでも多くの人に理解してもらい、サポートしてもらう方が、お互いにとってプラスだと思います。

しかしながら、やはりカミングアウトすることで、一部の人に偏見を持たれたり、またあからさまに病人として扱われることを恐れ、結局カミングアウトすることはできませんでした。

カミングアウトすることによるプラス面より、マイナス面のリスクを恐れたのです。

また、会社では毎年面談がありましたが、そこでいつも聞かれるのは、

「以前休職していたけど大丈夫なの?」

ということでした。

もちろん心配して聞いている面もあると思いますが、受け取る側としては、私=うつ病になった人という印象が固定化され、時間が経ってもずっとそのままで変わらないのだなという残念な気持ちでいっぱいでした。

一度張られたレッテルを変えることは非常に難しい。私はこのときとても強くそう感じました。

このような出来事があったこともあり、ますますカミングアウトすることのマイナス面を意識するようになってしまいました。

みんなカミングアウトはしているのか

はたして他の人たちはカミングアウトしているのだろうか?

気になったのでツイッターでアンケートをとってみました。

まず働いている人向けの結果がこちら

かなり結果はバラけました。

3人に1人は職場の人はみんな知っている一方、4人に1人は誰も知らないという結果です。

このアンケートには障害者雇用枠で働いている人も含まれています。

そのため、一般的な雇用の方のみを対象とした場合には、より知っている割合は減ることが予想されます。

この結果の中で特に気になるのは27%も誰も知らないという人がいるということです。

うつ病をはじめとした精神疾患を患いながら働くことは大変なため、ある程度周りのフォローを必要とします。

しかしながら、「誰も知らない」と答えた方は、ただ1人で抱えながら働いていることになります。

正直そのすごさにただただ頭が下がる思いです。

また、より広い範囲でのアンケートもとってみました。

こちらは働いているかどうかに関わらず、周りの人が知っているかどうかを聞いています。

約半数の人が、親しい人は知っていると答えています。

やはり、親しい人にのみ話すというのが最も一般的なようです。

一方で、誰も知らないという方も7%います。

普通に生活していると、少なくとも家族にはこちらから言わなくても気づかれてしまいそうですが、あまり接点がないということなのでしょうか。

いずれにせよ、周りに病気に対する理解者がいるかどうかは、心身の安定を図る上で重要な要素になりますので、「誰も知らない」と答えた方の生活が少々心配になります(余計なお世話かもしれませんが)

このようにアンケートの結果を見ると結果は多岐に渡りますが、全体的な傾向としては、やはり自分との距離が近かったり、親しい人は知っているという方が割合としては多いという結果になっています。

偏見のない社会へ

うつ病に対する偏見は以前比べると減ってきたのかもしれませんが、まだまだ根強く残っているという印象があります。

もし偏見をなくすことができれば、早期の治療が可能になり、休み中もうつ病であるということに負い目を感じるこも少なくなり、社会に復帰してからもうつ病という葛藤を抱えることなく過ごすことができ、確実に病気から回復する期間が短縮されると思われます。

偏見の背景には、うつ病に対する正しい理解の不足があるのではと感じています。

うつ病は人格を変えてしまう病気ではありません。あくまで一時的に脳内の伝達物質に異常が起こっている状態なのです。

是非少しずつでもうつ病に対する正しい理解が広がり、他の病気と同列に扱われ、偏見のない社会になってくれることを期待しています。

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