ワイパックスは抗不安薬と呼ばれるカテゴリーに属する薬です。
抗不安薬は精神安定剤とも呼ばれる薬です。
ワイパックスは抗不安薬の中でもよく使われている薬で、使用されている方も多いのではないでしょうか。
ここではワイパックスの効果・副作用と、実際に使ってみた体感をご紹介します。
なお、ロラゼパムという抗不安薬は、ワイパックスのジェネリックになるため、名前こそ違いますが中身は同じ薬になります。
ワイパックス(ロラゼパム)の効果と副作用
ワイパックスはベンゾジアゼピン系と呼ばれるカテゴリーに属する抗不安薬です。
ベンゾジアゼピン系というのは現在主流として使われているカテゴリーになります。
このワイパックスは、抗不安薬の中でもよく使われている薬で、レギュラーとして使うのみならず、頓服としてもよく使われています。
ワイパックスの効果
抗不安薬というのは脳の興奮を抑え、不安を和らげる効果のある薬です。
ワイパックスの半減期(血中濃度が半分になるまでの時間)は12時間程度で、中期作用型の抗不安薬に属します。
半減期は効果の持続時間の概ねの目安になるのですが、実際にはそれよりも短く感じます。
ワイパックスを使った経験でいうと、実際に効果を感じる時間は大体4~6時間程度という印象があります。
お薬110番には効果は以下のように記載されています。
このお薬は、おだやかな作用の心の安定薬です。
不安や緊張感をやわらげ、気持ちを落ち着かせます。神経症やうつ病など精神的な不具合にはもちろん、心身症のような体の不調が前面にでる病気にも使われます。
穏やかな作用を持ち、不安や緊張を和らげ、気持ちを落ち着かせるという記載になっています。
実際に使ってみた経験でも、ワイパックスは気持ちを落ち着かせる効果に優れた薬であると実感しています。
ワイパックスの副作用
また、副作用については以下のように記載されています。
この系統の優れた特徴として「安全性が高い」ということがあげられます。
重い副作用はほとんどありません。
比較的多いのは、眠気、ふらつき、けん怠感、脱力感などです。
安全性が高く、重い副作用はほとんどないという記載になっています。
ただし、ここにも記載がありますが、ワイパックスは眠気を誘ったり、その結果としてふらつきやすくなるということがありますので、この点に関しては注意が必要であると思います。
ワイパックスを使ってみた体感
初めて処方された抗不安薬
ワイパックスは私が初めて精神科で処方された抗不安薬です。
当時は頓服薬として処方され、「しんどくなったときに飲んでください」と指示されました。
この頃はまだ抗不安薬というのがどういうものかわかっておらず、この「しんどいとき」というのを間違えて使っていました。
例えば、仕事中にエネルギーが枯渇し、体が動かなくなり、でも仕事をやらなけらばという状況の時、エネルギーを復活させてくれるのを期待してワイパックスを使いました。
しかしながら、この症状には全く効果がなく、この薬は意味がないんじゃないかと失望した覚えがあります。
抗不安薬なので不安を和らげる効果はあっても、当然エネルギーレベルを上げるような効果はないのですね。
抗不安薬は、気持ちややる気を持ち上げるアップ系の薬ではなく、不安や緊張を取り除き、休みやすい状態にするダウン系の薬なのです。
当時はまだそんなこともわかっていませんでした。
使うことに強い抵抗感を感じる
また、ワイパックスは初めて処方された抗不安薬のため、使うに当たってはとても強い抵抗感を感じました。
というのは、抗不安薬というのは要は「精神安定剤」のことなので、この薬を使うと脳に変な影響を及ぼし、自分がおかしなことになってしまうのではないかという偏見があったためです。
実際には人格が変わるとかそういうことは全くなく、脳の機能を少し麻痺させることでぼーっとしやすくなったり、眠くなったり、不安感を取り除いたりというものです。
なので危ないということは全くないのですが、やはり当時は初めてということでとても強い抵抗感を感じたことを覚えています。
効果をはっきり感じる切れの良い抗不安薬
肝心のワイパックスの効果ですが、この薬はかなりはっきりと抗不安薬としての効果を感じることができます。
服用して30分くらい経つと頭がぼーっとしてきて、眠くなるような感じになります。
脳の興奮というか、機能全般が抑えられている感じです。
そして、4~6時間くらいすると、速やかにその効果はなくなっていきます。
抗不安薬としての効果の切れ味はかなりいいので、その後も何度もお世話になっています。
頓服として使用
かつては1日3回のレギュラーとしてワイパックスを使っていましたが、体調がある程度落ち着いてからは頓服として使うようになりました。
具体的には、不安を感じた時や、自律神経が乱れてしまっていてなかなか休みにくい時に、体を休ませる目的で使うときが多いです。
ワイパックスを使って心身を休みやすい状態にし、場合によっては寝てしまうとこにより体調の安定化を図ります。
特に、朝起きた時に明らかに体調がおかしい時には、ワイパックスを使ってそのままベッドに寝続けるか、ぼーっとしていることが多いです。
そして効果が切れてくる昼過ぎくらいにベッドから出てきます。
効果がはっきりしており、効き初めと効果の終わりが明確に認識できるため、個人的にはかなり使い勝手のいい抗不安薬です。
ただし、効果が実感しやすい分、多くの量を頻繁に使ってしまうと依存しやすい薬と思われますので、この点には注意が必要と思われます。
ワイパックスを使った感想
ここで、ワイパックスを使った感想をいくつかご紹介します。
不安、肩こり、腰痛に効果
不安、肩こり、腰痛にはある程度の効果はありました。
眠気に関してはソラナックス錠のほうが強かった
1度で3つおいしいという効果の体験談です。
ワイパックスは抗不安薬ですので、基本的には不安へ対処する薬です。
しかしながら、筋弛緩作用といって筋肉をほぐす作用もあるため、上記のように肩こりや腰痛へも効果が見られます。
これらの不具合に同時に効いてくれたのは、ワイパックスが合っていた証拠ではないでしょうか。
動悸に効いた
自律神経の乱れからくる動悸がひどく、喉に異物感もありましたが、この薬を服んでから徐々に落ち着いてきました。
動悸に効いたということですが、自律神経の乱れからとあることから、おそらく不安を原因とした動悸でしょうか。
その場合、不安への効果を通じて動悸へも効果があったと考えることもできます。
個人的にはリボトリールという抗不安薬は動悸への効果が優れていると感じていますが、ワイパックスにも似たような効果があるのかもしれません。
眠気の副作用
服みはじめは眠くてたまりませんでしたが、慣れてくると眠気はあまり気にならなくなりました。
ワイパックスには眠気の副作用があります。
副作用というよりも、睡眠薬として使われることもあります。
慣れると眠くなくなってきたというのは、おそらく耐性がついてきたということではないかと思います。
ワイパックスは効果のキレ味が鋭い分、耐性には注意が必要です。
あまり効かない
ほんの1ヵ月だけ使ったことがありましたが、あまり効きませんでした。
ワイパックスは効き目を実感しやすい薬ですが、このように効かない場合もあるようです。
私の経験でも、体調がすこぶる悪い時、自律神経が暴走してしまっている時などは効いている実感がなかなか持てませんでした。
本当に効いていないのか、実感として効いていないように感じるのかは区別して考える必要があるかと思います。
参考文献:精神科のくすりを語ろう
ワイパックスの特徴まとめ
以上、ワイパックスの特徴をまとめると以下のようになります。
- よく使われる抗不安薬(精神安定剤)の1つ
- 効果のキレがよく、効いていることが実感しやすい
- 作用時間は短い方で、頓服としても使用しやすい
- 副作用で眠くなりやすい
- 長期にわたりレギュラーとして使用する際には依存性や離脱症状に注意が必要