エビリファイのジェネリックであるアリピプラゾールが2017年6月に発売されました。
エビリファイの発売が2006年ですので、10年以上経ってのジェネリック発売となります。
ここではエビリファイの概要と発売されるジェネリック、そしてジェネリックに関する注意点んをご紹介します。
エビリファイの概要
エビリファイは抗精神病薬というカテゴリーに属する主に統合失調症に用いられる薬です。
しかしながら、その多様な効果から、双極性障害やうつ病にも用いられることのある薬です。
エビリファイは脳内のドーパミンに働きかけることで、統合失調症やうつ病などに効果を発揮しますが、使用量により、ドーパミンに対する効果が変わるという特徴があります。
具体的には、高用量の使用でドーパミンを減らし、低用量の使用でドーパミンを減らすという特徴があります。
そのため、ドーパミンが過剰となっている統合失調症には多くの量が使われ、ドーパミンが足りないうつ病の場合には少量が使われます。
大まかな目安としては、うつ病に用いる場合には3mg以下、統合失調症にはそれ以上の用量が使われることが多いようです。
このように、使用量によってドーパミンの量を調整するのがエビリファイの特徴となっています。
エビリファイのジェネリック
2017年6月に発売されたエビリファイのジェネリックは以下の種類になります(MeijiのHPより)
- アリピプラゾール錠 3mg・6mg・12mg・24mg
- アリピプラゾールOD錠 3mg・6mg・12mg・24mg
- アリピプラゾール散 1%
- アリピプラゾール内用液分包 3mg・6mg・12mg
アリピプラゾールというのはエビリファイの一般名称になります(ちなみにエビリファイは商品名です)。
エビリファイには錠剤であったり、粉であったり、いくつかの形状が存在するのですが、今回はそれら全てがジェネリックの対象となっています。
なお、2016年に新しく登場したエビリファイの1mg錠については、今回のジェネリックの対象外となっているようです。
こちらは発売からまだ時間が経っていないため、今回の対象外となったと思われます。
関連記事:エビリファイの1mgが発売。うつ病への少量処方の利便性が上がる
ジェネリックのメリット
ジェネリックのメリットはなんといっても薬価が安いことです。
一般的に、ジェネリックになると、薬価は数分の1程度になります。
もちろん効果は既存のエビリファイと変わりません。
現在エビリファイを使われている方には、お財布に優しくなる朗報と言えます。
アリピプラゾール錠の薬価
では、実際にエビリファイのジェネリックであるアリピプラゾール錠の薬価はどのくらいなのでしょうか。
以下がエビリファイとの比較になります。
- 3mg:エビリファイ82.5円⇒アリピプラゾール28.4円
- 6mg:エビリファイ156.7円⇒アリピプラゾール54.0円
- 12mg:エビリファイ297.8円⇒アリピプラゾール102.6円
- 24mg:エビリファイ566.0⇒アリピプラゾール195.0円
ざっくりいうと、概ね既存のエビリファイの3分の1の薬価になっています。
エビリファイを処方される際には、ジェネリックのアリピプラゾールの方が圧倒的にお財布に優しいと言えます。
後述するように必ずしもすべての疾患にジェネリックが適応されているわけではありませんが、利用できる場合には是非ともジェネリックを使用することをおすすめします。
注意点:適応は統合失調症のみ
ただし、今回のエビリファイのジェネリックには注意点があります。
それは、適応が統合失調症のみに限られるという点です。
元々、エビリファイは統合失調症の薬として登場し、その後双極性障害やうつ病にも効果があるということで、徐々に適応が広がってきたという歴史があります。
そして、今回はエビリファイが登場したときの統合失調症に対するジェネリックという位置づけのため、それ以外の病気に対しては適応外となっているのです。
これは今回のジェネリックが双極性障害やうつ病には効かないという意味ではなく、適応になってからまだ時間が経っていないため、こちらはジェネリック薬の適応にならなかったという話です。
ですので、将来的には双極性障害やうつ病もジェネリック薬の適応となると考えられますが、現在の段階では統合失調症のみの適応という形になっています。