悪夢を良く見る睡眠薬、悪夢を減らす効果のある睡眠薬と漢方薬

リラックス睡眠が乱れると悪夢を見るようになると言われます。

私の経験でも、睡眠の質が落ちると悪夢を良く見るようになりました。

しかしながら、この悪夢というのは、病気によって引き起こされたものではなく、睡眠薬の影響による場合もあります。

そして、不思議な話ですが、睡眠薬の中には悪夢をよく見やすいものと、悪夢を軽減するものがあります。

学的な根拠はないのですが、経験的に知られていることです。

ここでは、悪夢を見やすい睡眠薬と、悪夢を軽減する効果のある睡眠薬をご紹介します。

悪夢を見やすい睡眠薬

悪夢を見やすい睡眠薬には共通の特徴があります。

それは作用時間が短いということです。

なぜ作用時間が短いと悪夢を見やすいのかその理由ははっきりとはしませんが、以下のような仮説が考えられます。

まず、作用時間が短いということは、それだけ血中濃度の変化が大きいということになります。

この血中濃度の大きな変化が睡眠に影響を与え、悪夢を見させているのではないかというのが1つの考えです。

また、作用時間の短い睡眠薬は睡眠中にその効果が消失します。

そして消失する過程において、眠りの深さが浅くなり、レム睡眠となり、その時に悪夢を見やすいということも考えられます。

このようにいくつかの仮説はあるのですが、根本的なところはよくわかっていません。

ただ、傾向としては、作用時間の短い睡眠薬ほど悪夢を見やすい傾向にあるというのは経験的によく言われていることになります。

作用時間が短く、悪夢を見やすいと言われている睡眠薬を例として以下に記載します

ハルシオン

ハルシオンは超短時間作用型の睡眠薬で、切れが良く、効果が強いことで有名です。

超短時間作用型の中では一番効果が強いと言われています。

このハルシオンは寝つきの悪さにはよく効くのですが、一方で悪夢を良く見るということもよく聞きます。

効き方が鋭く短時間で効果が得られる一方、短時間で速やかに効果がなくなるため、超短時間作用型の睡眠薬の中でも悪夢を見やすいのではないかと考えられています。

マイスリー

マイスリーはとてもよく処方されている睡眠薬の1つです。

病院で寝つきが悪いと言うと大抵このマイスリーが処方されます。

睡眠薬としてはハルシオンよりは効き目はマイルドな印象がありますが、それでも短時間で効果が消失するため、その変化の速さから悪夢を見やすいのではないかと考えられます。

ルネスタ

ルネスタもハルシオン、マイスリーとほぼ同じような効果の睡眠薬です。

ハルシオンやマイスリーよりは若干作用時間は長いですが、それでも3,4時間程度で効果が消失する短時間作用型の睡眠薬です。

これら3つの睡眠薬はいずれも超短時間作用型に属し、やはり、作用時間の短い睡眠薬で悪夢を見やすい傾向が見られます。

また、これらの睡眠薬のみならず、他の睡眠薬においても悪夢を見るという話はよく聞きます。

現在主流のベンゾジアゼピン系の睡眠薬は深部睡眠を妨げる効果があるため、その辺りも影響しているのではないかと考えられます。

悪夢を軽減する睡眠薬と漢方薬

悪夢を見やすい睡眠薬がある一方で、不思議なことに悪夢を軽減する効果があると言われている睡眠薬(と漢方薬)も存在します。

これらの睡眠薬の特徴としては、作用時間が長いということです。

そのため、上記の悪夢を見やすい睡眠薬で述べたような急激な血中濃度の変化はなく、この辺りが影響しているのではないかと考えられます。

ただし、作用時間が長いと必ずしも悪夢を軽減する効果があるわけではなく、この辺りはとても不思議なところです。

それでは以下に悪夢を軽減する効果のある睡眠薬(抗不安薬及び漢方薬)をご紹介します。

セパゾン

セパゾンはカテゴリーとしては睡眠薬ではなく抗不安薬に属しますが、睡眠作用も持ち合わせているため、睡眠薬として使われることもあります(そもそも睡眠薬と抗不安薬は化合式が似ておりほとんど親戚みたいなものです)

セパゾンの特徴の1つは、作用を感じる時間が約5時間~10時間と比較的長いということです(半減期は10~21時間程度です)

実際にセパゾンは何度も使ったことがありますが、言われてみると以前より悪夢を見なくなったように感じた記憶があります。

ただなぜセパゾンが悪夢の軽減に効くのかは医者もわかっておらず、全くの謎です。

セルシン

セルシンもセパゾン同様に抗不安薬に属する薬です。

作用時間も長く、半減期は50時間程度、実際の作用時間は12時間程度です。

作用時間がかなり長いので睡眠薬として使われるケースはあまりないようですが、このセルシンを使っていると悪夢が軽減されると経験的に言われています。

なぜなのかはセパゾン同様に謎ですが、ただ作用時間が長いという点はセパゾンと共通しています。

ただし、より作用時間の長いメイラックスでは悪夢を軽減する効果はあまり聞きません。

単純な作用時間の長さではなく、薬の効用の一部に悪夢を軽減する効果が隠れているのではないかと想像されます。

リボトリール

リボトリールは、抗てんかん薬というカテゴリーに属し、元々はてんかん発作を抑えるための薬です。

しかしながら、不安を和らげたり、眠くなったり、けいれんを抑えたりといった様々な効果があることから、抗不安薬や睡眠薬としても使われることのある薬です。

このリボトリールにも悪夢を減らす効果があると言われています。

特徴は上記の薬と似ていて、半減期が約27時間と長時間作用する薬になります。

ただし、リボトリールは効果が強く、かつ長いため、睡眠薬として使うと翌日まで眠気が残ってしまうという欠点があります。

一方でその睡眠作用の強さからなのか、悪夢を見る頻度はリボトリールを使うことで顕著に減ったように感じます。

十全大補湯

十全大補湯は西洋の薬ではなく、漢方薬です。

とても不思議なことに、この漢方薬にも悪夢を軽減する効果があると言われています。

そもそもの十全大補湯の効果は、胃腸の働きを良くし、食欲を上げ、体力や気力を補うというものなのですが、なぜか悪夢にも効くという不思議な効果を持っています。

なぜ効くのかは全く持って謎なのですが、ここで紹介した薬の中で、私が最も悪夢に効果があると感じたのはこの十全大補湯になります

かつて医者に悪夢を良く見てうなされて起きると体調がすこぶる悪いと訴えたところ、この十全大補湯が処方されました(一部の漢方薬は病院でも処方が可能です)

そして本当に漢方薬が悪夢に効くのかと半信半疑で(というかほとんど信じずに)使ったのですが、十全大補湯を使い始めてからは明らかに悪夢を見る頻度が減りました。

そもそも漢方薬自体が効果がマイルドでなかなか効果を実感しにくい側面があるのですが、この十全大補湯の悪夢に対する効果はかなり衝撃的でした。

なぜ効くのかと医者に聞いても、

よくわからないけどなぜかこれを使うと悪夢が軽減される人が多いんだよねー」

という全く答えにならない回答が返ってきました。

まとめ

全く学的ではない話ですが、悪夢を良く見る睡眠薬と悪夢を軽減する効果のある睡眠薬をご紹介しました。

何度も述べていますが、学的な根拠は全くなく、あくまで経験的に知られていることを紹介させていただいたという内容になります。

ですので、もちろん人によってはハルシオンを使っても悪夢を見ない、セパゾンを使っても悪夢を見るということは往々にして起こることだと思います。

精神
の領域というのは不思議なもので、ここで述べたような話以外にも、なぜか理由がわからないけどこの薬はこれに効くというものが結構あるようです。

そもそも世界最古の抗うつ剤であるトフラニールが、理由はよくわからないけどうつ病に効果があるようだということで使われ始めたことからも、かなりアバウトな世界だと言えます。

理由はわからないけどなぜか効く、そんな不思議な話をご紹介させていただきました。

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