近年ベーシックインカムという制度が議論されています。
世界のいくつかの国においてベーシックインカムの導入という議論が活発に行われております。
ベーシックインカムと言うのは、生活に最低限必要な金額を国が各個人に毎月支給するという制度です。
究極の社会保障制度とも言われています。
個人的にはこのベーシックインカムと制度は非常に優れており、是非導入して欲しいと考えています。
ここではベーシックインカムの概要と、導入されることによりどのようなメリットが生じるかについてご紹介します。
ベーシックインカムとは
ベーシックインカムと言うのは、国が一人一人に対して最低限必要な生活費を毎月支払う制度のことを言います。
現在では、生活保護であったり障害年金であったりと様々な国による給付制度が存在しますが、それらを一色単にまとめ、すべての国民に一定額を毎月支払う制度となります。
つまり、働こうが働くまいが、誰もが毎月一定額の給付を受けることができる制度です。
世界的なベーシックインカムの流れ
近年の動きで言うと、スイスがベーシックインカムの導入の可否を国民投票によって決めました。
この時は導入を否決するという結果になりましたが、いかんせんこの時はベーシックインカムの金額が大きすぎたようには思います。
日本円にして20万円から30万円の毎月の支給というのが、この時のベーシックインカムの金額でした。
さすがにこの金額は大きすぎるのではないかと個人的にも思います。
もし、日本でベーシックインカムを導入するのであれば、おそらく一人10万円程度というのが 現実的な落としどころではないかと考えています。
月10万円あれば最低限の生活はできる
個人的な経験から照らしても、月10万円があれば最低限の生活を送ることはできます。
もちろん、豪華な暮らしはまず無理ですが、質素な暮らしであれば可能な金額です。
都心に住んでしまうと家賃だけでほとんどの金額が飛んでいってしまいますが、物価の安いところに住めば 十分に可能な額です。
例えば、月3万円の家賃の部屋に住み、1ヶ月の食費を2万円程度に抑えることができれば、トータル10万円で生活をすることは 難しいことではありません。
もちろんこのような暮らしは最低限のものになるため、大変質素になります。
問題なのはこのような暮らしに満足できるかどうかです。
もし、このような慎ましい生活に満足できないのであれば、働いてもっと稼げば良いと言うことになります。
つまり、無理して働かずに質素な暮らしをするか、働いてより上の生活レベルを目指すかという自由が生まれることになります。
ベーシックインカムがあっても多くの人は働く
ベーシックインカムを導入すると、人々が働かなくなってしまい、社会全体が困ってしまうのではないかという議論があります。
しかし私はこの意見には賛成できません。
人々が働く動機は1つではない
そもそも人が働くのには大きく分けて4つの意義があります。
- 自分の成長を実感できること
- 社会の一員であることを実感できること
- 自分が何かの役に立っていることを実感できること
- お金をもらって生活をすること
つまり、人間と言うのはお金のためだけに働いているわけではなく、その他にも多くの理由があって働いているのです。
もちろん、世の中にはお金のためだけに働いている方もいるかと思いますが、私の周りを見てもそのような方は少数派です。
当然お金をもらうことも大切ですが、それと同じか若しくはそれ以上に、上記の様な欲求が満たされることを期待して働いている方が多いと思います。
そのため、もしベーシックインカムが実現できたとしても、多くの人は働き続けると言うのが私の考えです。
少なくとも、私自身は何らかの形で社会とのつながりを保っていきたいと考えています。
最大のメリットは人生の選択肢が増えること
ベーシックインカムの最大のメリットは、人生の選択肢が増えるということです。
現在の社会では、基本的に働いてお金をもらわないと日々の生活をしていくことができません。
一方で、もしベーシックインカムがあるのであれば、各々が働くか働かないかという選択をすることができます。
率直にいって、人間には個人差があり、働くことに苦痛を感じない人もいれば、そうでない人もいます。
このような生まれ持った人の特性の違いを、ベーシックインカムがある程度埋めてくれると捉えることもできます。
また、働かない場合にも、ずっと働かないのではなく、ある特定の期間だけ働き、ある期間は働かないなど柔軟な人生設計が可能になります。
生きていくために常に働いていなければいけないというプレッシャーがあるのとないのとでは、 精神的なゆとりが大きく変わってきます。
もし運悪くブラック企業のような会社に勤めてしまったとしても、無理して働き続けるのではなく、辞めると言う選択肢も容易にできるようになります。
このように、ベーシックインカムという制度は、人生において多くの選択肢を提供するという意味で大変優れた制度であると言えます。
弱者に優しい制度
世の中には多種多様な人がいます。
みんながみんな健康で周りの人とうまくやっていけるのであれば良いのですが、残念ながら世の中には周囲とうまくやるのが苦手であったり、病気がちで働くのが難しかったりと言う人が多くいます。
このような人たちにとって、ベーシックインカムは救世主となりうる制度です。
働けないときに真っ先に思ったのはお金の不安
私もかつて病気で働けない時期がありました。
この時にやはり一番気になったのはお金の問題です。
サラリーマンが病気になって働けなくなった場合には、ある程度収入を保証してくれるような制度も存在します。
しかし、正直こういった制度を使うことに後ろめたさを感じてしまったり、使える期間が限定されていたりと必ずしも気持ちよく使えるものではありませんでした。
ベーシックインカムは精神的なゆとりにつながる
もし病気で働けなかった時に、ベーシックインカムという制度が存在していれば、お金の不安も和らぎより一層療養に専念することができたように思います。
病気から会社に復帰するときも お金の心配があるからできるだけ早く復帰しようということではなく、より良い状態に戻してから復帰 することができたように思います。
もしそのようなことができていれば、復帰後の職場環境への適応の苦しみも和らぎ、仕事に慣れるスピードもより一層あげられたのではないかと思います。
また働いている最中に体調崩してしまっても、いざとなったらベーシックインカムがあるから大丈夫だと思えれば 精神的にだいぶ楽になったのではないかと思います。
このようにベーシックインカムという制度は、実際にもらえるお金以上に精神的なゆとりを与え、人々がより生きやすくなるという効果も期待することができるのです。
まとめ
ベーシックインカムは、近年世界中で議論が活発になっている制度です。
ただし、財源の問題などから、実際に導入されるのはかなり将来になるのではないかと予想されています。
しかし、私に言わせれば、柔軟な働き方が求められている今でこそ導入すべき制度ではないかと考えています。
率直に言って、現在存在しているセーフティネット的な制度は複雑極まりなく、かつ利用するにしても多くの審査や書類が必要で、実際に使用するのにハードルが高すぎるように思います。
これらを一纏めにし、ベーシックインカムという非常にシンプルな制度に組み替えるということは非常に良いアイデアだと思います。
政治家の方には是非頑張って欲しいと思います。
もし、このような公約を掲げている方がいましたら、間違いなく私は投票に行きます。