抗うつ剤には様々な種類があります。
抗うつ剤を選ぶ際には、何より自分に効果があるかどうかが重要ですが、それに加え、副作用が自分と合うかどうかという視点も重要なのではないかと感じています。
いくら効果が期待できたとしても、副作用により使用不能になればその抗うつ剤を使う意味はありません。
ここでは、抗うつ剤の副作用の重要性及び私自身の経験をご紹介したいと思います。
抗うつ剤の副作用は完全にはなくならない
抗うつ剤の副作用は、服用初期に多く出現し、時間とともに低減していくと言われています。
実際、私の経験でも、当初は大きな副作用が現れても、数週間もすれば副作用は大分低減されていました。
しかしながら、低減はされるものの、完全にはなくならず、ある一定のレベルで副作用は残り続けます。
そのため、程度の差はあると思いますが、その副作用とは服用を続ける限り付き合っていくことになります。
この副作用とずっと付き合っていけるかどうかが抗うつ剤選びでは重要になると思います。
各抗うつ剤の副作用
これまでSSRI、SNRI、三環系、NaSSAを使用したことがありますが、それぞれ出現する副作用はかなり異なるものでした。
以下簡単に各抗うつ剤で私の経験した副作用を紹介します。
三環系の副作用
三環系の抗うつ剤の副作用は一言でいうと強烈です。
口の渇き、動悸、めまい、眠気、ふらつき、口の渇きなどなど様々な不快な症状が出ました。
正直副作用があまりに重すぎて、自分が自分ではないような感覚に陥っていました。
もちろんしばらく使っていくと副作用は和らいでくるのですが、それでもかなり強い副作用が三環系の抗うつ剤では残り続けました。
三環系の抗うつ剤を使う場合には、不快な副作用とも長い付き合いをする覚悟を持つ必要があります。
SSRI、SNRIの副作用
SSRI、SNRIについては、胃腸の不快感、食欲低下、気持ち悪さを感じました。
また、頻繁に下痢をするようになりました。
SSRIやSNRIは、古い三環系に比べると副作用は低減されていると言われていますが、それでも胃腸関係を中心に結構な副作用が出現します。
胃腸が強い人であれば耐えられるのかもしれませんが、私の場合には胃腸が弱いため、SSRIやSNRIとはすこぶる相性がよくありませんでした。
現在では効果と副作用のバランスからまず初めにSSRIやSNRIが処方されるケースが多いと思いますが、このように胃腸の弱い人には使いにくい抗うつ剤であるという弱点が存在します。
NaSSAの副作用
NaSSAの副作用は癖があると言われいます。
まず特徴的なのは初期の強烈な眠気です。
使い始めの3日くらいは眠気のため1日中寝ているかぼーっとしているという状態になります。
そのため、働きながら使うのには向きません。
また便秘になりやすく、食欲が上がるという副作用もあります。
この辺りはSSRI、SNRIとは真逆の副作用ですね。
実際かなり食欲は上がり、最高で体重が8kgくらい増えたことがあります。
この体重増加は多くの人に見られるため、体重を気にする女性などは敬遠しがちな傾向があります。
私にとっては元々低下していた食欲を上げてくれるむしろありがたい副作用として働きました。
副作用の相性の重要性
このように、抗うつ剤はその種類により出現する副作用がかなり異なります。
そのため、ある人にとっては耐えられる副作用でも、ある人には全く無理ということが往々にして起こり得ます。
抗うつ剤というものは、一度使い始めると基本的に長い付き合いになります。
最低でも月単位、また年単位になることも珍しくありません。
そして副作用とも程度の差こそあれ、ずっと付き合っていくことになります。
私の場合、元々胃腸が強くないのでSSRI、SNRIは相性がよくありませんでした。
一方で眠気や便秘、食欲増加といった副作用を持つNaSSAに関しては、ずっと付き合っていける副作用でした(むしろ自分の弱点を補ってくれる側面もありました)
逆に、元々便秘がちの人や、体重が増えては困るという人にはNaSSAは向かないかもしれません。
このように、人によって副作用との相性はまちまちです。
そのため、抗うつ剤を選ぶ際には、もちろん効果があるかどうかが一番重要ですが、それと同様にその副作用と長く付き合っていけるかどうかという視点も重要になると思います。