デパスのジェネリック「エチゾラム」の効果・副作用と薬価・適応

雲と空

エチゾラムは、デパスのジェネリック薬品です。

ジェネリックは別名後発薬とも言われ、元祖の薬の特許期間が過ぎた後に、元の薬と同じように作られたものになります。

つまり、ジェネリックは効果や副作用という観点からは元祖の薬と同じものになります。

デパスは発売が1984年と、歴史のある薬ですが、現在でも非常によく使われる抗不安薬の1つです。

また、抗不安作用に加え、確かな睡眠作用もありことから、睡眠薬としてもよく使われている薬です。

ここでは、デパスのジェネリックであるエチゾラムについてご紹介します。

ジェネリック医薬品とは?

ジェネリック医薬品とは、新薬の特許が切れたあとに販売される、新薬と同じ成分を持ち、同じ効き目薬です。

製薬会社が新薬を発売した際には、特許を取得するため、特許期間中は他の製薬会社は同じ薬を開発・販売することができません。

特許期間が切れた後に、先発薬(新薬)と同じように作られた薬がジェネリックとなります。

新薬で既に有効成分、薬の構造などがわかっているため、ジェネリックは少ないコストで開発することができます。

そのため、一般的に先発薬に比べ、薬価が安いという特徴があります。

エチゾラムの概要

まず、上記のように、エチゾラムはデパスのジェネリックであるため、効果としてはこの2つは同じものと考えてしまって差し支えありません。

以下に簡単にデパスの効果と副作用をご紹介します。

デパスの効果

デパスは抗不安薬と呼ばれるカテゴリーに属する薬です。

抗不安薬とは、別名精神安定剤とも呼ばれ、不安を和らげ、心身を休みやすい状態にする薬です。

また、デパスは確かな睡眠作用もあるため、睡眠薬としてもよく使われる薬です。

デパスの特徴としては、作用時間が比較的短く、抗不安作用が強く、即効性があるという点です。

そのため、レギュラーとして用いられるのみならず、頓服としてもよく使われています。

実際の効果を感じる時間は概ね4~6時間程度です。

加えてデパスは抗うつ作用を併せ持つという特徴があります。

これはどのような感じかというと、デパスの効果が切れる頃になると、気持ちが少し持ち上がり、精神的に楽になります。

デパスは抗不安薬ですので、基本的には効果が効いている時には頭がぼーっとし、脳の機能が低下したような状態になります。

そして、効果が消失していく過程において、気持ちを少し上げるという抗うつ作用を感じます。

この2種類の異なる効果を感じるというところに、他の抗不安薬とは異なるデパス独自の特徴があります。

効果に即効性があり、かつしっかりとした強さがあり、抗うつ作用も持ち合わせているということから、精神的な不具合にはデパスはとてもよく使われています。

アンケート調査による「よく使われている抗不安薬ランキング」では、堂々の1位になっています。

日本では最もよく使われている抗不安薬といっても過言ではありません。

参考記事:よく使われている抗不安薬ランキング

デパスの副作用

デパスをはじめとした抗不安薬にはいくつかの副作用があります

代表的なところでは、

  • 耐性
  • 依存性
  • 眠気
  • ふらつき

が挙げられます。

以下それぞれ説明していきます。

眠気とふらつき

抗不安薬と睡眠薬は親戚のようなものなので、「眠気」やそれにともなう「ふらつき」といった副作用が発生するのは致し方ないことです。

この辺りはあらかじめ認識しておく必要があります。

デパスの場合は、そもそも睡眠作用が強く、睡眠薬としても使われているため、使うと眠くなるのは当たり前とも言えます。

私が使った限りにおいても、デパスを使った後は、基本的に眠くなります。

例え眠りに落ちなくても、眠気で頭がぼーっとしたような状態が続きます。

しっかりと休みたい時にはこの副作用は必ずしも害にはならないかもしれませんが、働いているときに使用する場合には注意が必要と思われます。

耐性と依存性

副作用としてより問題なのは、「耐性」や「依存性」といった症状です。

「耐性」というのは、その薬を使い続けていると、体が慣れてしまい、同じ効果を得るためにはより多くの量を必要としてしまうことを言います。

「依存性」というのは、その薬に依存してしまい、その薬なしではいられない、その薬が止められないという状態になってしまうことを言います。

この2つは由々しき問題ですので、抗不安薬や睡眠薬は1か月以内の使用が望ましいと言われています

デパスは作用時間は比較的短く、抗不安作用も強いため、依存性や耐性については注意が必要です。

私自身もデパスの依存性には悩まされたことがあり、使用には十分な注意が必要と認識しています。

デパスは現状ではかなり容易に処方されているように思えますが、この耐性・依存性には十分に留意しながら使っていく必要のある薬であると感じています。

なお、デパスの詳細については、以下の記事をご参照ください。

また、デパスの依存性・離脱症状については以下の記事をご参照ください。

デパスのジェネリック

デパスのジェネリックは以下の種類になります(お薬110番より)

  • エチゾラム錠: 0.25mg、0.5mg、1mg
  • エチゾラム細粒1%

デパスのジェネリックはエチゾラム以外にもありますが、ここでは代表的なエチゾラムを記載しています。

このジェネリックのラインナップはデパスと同じになっています。

ですので現在デパスを使っている場合には、そのままの用量でエチゾラムに置き換えることができます。

ジェネリックのメリット

ジェネリックのメリットはなんといっても薬価が安いことです。

一般的に、ジェネリックになると、薬価は数分の1程度になります。

もちろん効果は先発薬(デパス)と変わりません。

現在デパスを使われている方は、ジェネリックを使った方がお財布に優しくなります。

エチゾラムの薬価

では、デパスのジェネリックであるエチゾラム錠の薬価はどのくらいなのでしょうか。

以下が先発薬のデパスとの比較になります。

  • 0.25mg:デパス9.0円 ⇒ エチゾラム5.8円
  • 0.5mg:デパス9.0円 ⇒ エチゾラム6.0円
  • 1mg:デパス13.0円 ⇒ エチゾラム6.4円
  • 細粒1%:デパス119.2円 ⇒ エチゾラム26.8円

エチゾラムにもいくつか種類があり、微妙に薬価が異なりますが、ここでは最安値を記載しています。

用量によりデパスとエチゾラムの価格差は異なりますが、用量が増えるほどディスカウントが大きくなっています。

0.25mgでは概ね35%安くなり、1mgでは概ね半分の薬価となっています。

確かにジェネリックの方が安いのですが、一般的なジェネリックのディスカウント幅に比べると、価格差は小さくなっています。

理由としては、デパスは発売から大分経っているため、デパス自身が安くなっているからです(薬は時間と共に価格が引き下げられる傾向にあります)

ただ、いずれにせよ、エチゾラムの方が安いことには変わりないため、デパスを処方された場合には、エチゾラムに置き換えることをおすすめします。

エチゾラムの適応

エチゾラムの適応疾患は以下になっています。

  • 神経症における不安・緊張・抑うつ・神経衰弱症状・睡眠障害
  • うつ病における不安・緊張・睡眠障害
  • 心身症(高血圧症,胃・十二指腸潰瘍)における身体症候ならびに不安・緊張・抑うつ・睡眠障害
  • 統合失調症における睡眠障害
  • 頸椎症,腰痛症,筋収縮性頭痛における不安・緊張・抑うつおよび筋緊張

とても多くの症状に対し、適応があります。

大まかには、不安や緊張などの精神症状や睡眠障害に用いられる薬となっています。

加えて、筋緊張の緩和にも用いられるとあります。

この適応はデパスと同じですので、今デパスを使っている方は、そのままエチゾラムに置き換えることが可能です

上記のように、薬価の面ではジェネリックの方がお得ですので、デパスを使われている方、処方された方は、ジェネリックを使用されることをおすすめします。

適応疾患が違う場合もある

ジェネリックが発売された直後の場合には、先発薬とジェネリックとで適応が異なり、単純に置き換えることができない場合があります。

なぜこのようなこと起こるかと言うと、先発薬の特許は適応疾患毎に管理されているためです。

例えば、最初に統合失調症の適応でAという薬が発売され、その後何年かしてうつ病が適応に加わったとします。

このような場合には、Aのジェネリックが発売されても、当初は適応が統合失調症しかなく、ある程度時間が経ってからうつ病も適応になるということが起こり得ます。

エチゾラムに関しては、先発薬もジェネリックも発売からかなり時間が経過しているため、このような適応の不一致はありませんのでどの適応であってもそのまま置き換えることが可能です。

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