うつ病からの復職は1つの節目ではありますが、決してゴールではありません。
むしろ復職してから働き続けていけるかどうかが、うつ病からの回復という意味でも大きな意味を持ちます。
実際には、復職後に再発・再休職する確率は5割程度と言われており、厳しい現実が待っています。
ここでは、復職後に再発・再休職を防ぐ為に、気を付けるポイントを3つご紹介します。
仕事を頑張らない
うつ病になる人というのはまじめな人が多いため、復職するといきなり仕事をしっかりしようとする人が多いです。
しかしながら、復職していきなりバリバリ仕事をこなすことは困難です。
復職直後というのは環境の変化、会社で過ごすことによるプレッシャーなどにより、とても疲弊し、精神的にも不安定になりがちです。
そのため、仕事を頑張るという考えは一旦横に置いておき、まずは1日1日をきちんと出社して過ごすということに重点を置くようにしましょう。
特に最初の一か月間はとりあえず会社に行けていればOKだと思います。
会社に慣れるにつれ徐々に仕事もこなしていけるようになりますので、まずは体調管理を優先し、体調がある程度しっかりしてきたら徐々に仕事を増やしていこう、というくらいの気持ちで大丈夫です。
体調さえ安定してくれば、仕事はどうとでもなります。
くれぐれもまずは体調を最優先するようにしましょう。
なお、復職後の過ごし方の詳細については以下の記事にまとめていますので、ご参考までにどうぞ。
関連記事:うつ病からの復職、社会復帰後の過ごし方まとめ
職場での付き合い
職場での付き合いはとても疲れます。
ましてうつ病からの復職後は環境に慣れるのに疲弊するのに加え、付き合いまで加わると途端にエネルギー不足に陥る可能性があります。
ですので、特に復職直後は仕事帰りの飲み会などの付き合いは極力避ける方が無難です。
断ると悪いなあ、付き合いの悪い人と思われないかなあなどと思い、無理して付き合っても、最終的には自分の体調に返ってくることになります。
昼食を一緒に取るというくらいであれば問題ないかもしれませんが、ある程度体調が安定するまでは夜の付き合いは断る方が無難です。
あまりに断り続けると、付き合いの悪い人だと思われ、今後誘われなくなるかもしれませんが、自分の体調を守るためにはそれも致し方ないことではないかと思います。
むしろ相手は自分の事情を知らずに誘っている場合もあるため、そのような場合には体調的に難しいということを素直に伝えるといいかもしれません。
いずれにせよ、復職直後の過度な付き合いというのは体調に悪影響をあたえますので、できる限り避けることをおすすめします。
自分の体調や仕事に対する焦りへの対処
しっかりと療養し、なんとか復職や社会復帰までこぎつけたとしても、そこからの道も平たんではありません。
むしろ職場に戻ることによって、以前より自分のできることがどれだけ少ないかということや、体調がまだまだ不十分であるということを再認識させられるということが多々あります。
このような時によく生まれてきてしまう感情が焦りです。
これだけ休んだのにまだまだ回復が足りないのではないか、以前はあれだけ仕事ができたのになぜこんなに体が動かないのか、そもそも自分に社会復帰は無理なのではないか・・・などなど。
この焦りという感情は、多かれ少なかれ復職後には経験するものです。
しかし、ここで大事なのは、この焦りに必要以上に振り回されないということです。
体力が十分でなかったり、仕事が思うようにできないと当然焦りという感情が生まれるでしょう。
しかし復職直後というのは、仕事が思うようにできないのも、体力的につらいのも当たり前のことなのです。
それは自分が不十分だから、努力が足りないからではなく、回復のプロセスの1つとして経験する事象なのです。
焦りを完全に消すことは難しいかもしれませんが、今の自分の焦りの原因は、時間とともになくなっていくものだと割り切って考える必要があります。
そして、たいていの場合は実際に時間とともに焦りは解消されていきます。
この辺りの気持ちの切り替えは、とても大切な要素です。
うまく割り切ることができるかどうかで、精神的にかかってくる負担もだいぶ変わってきます。
まとめ
以上、3点うつ病からの復職や社会復帰時に気を付けるべきことをご紹介しました。
今一度まとめると、以下のようになります。
- 仕事を頑張らない
- 職場での付き合い
- 自分の体調や仕事に対する焦りへの対処
となります。
やはり復帰直後というのは体調が不安的になりやすく、かつ体力も不十分な場合が多いので、つらい思いをすることが多いかと思います。
しかしながら、時間とともに体力も戻ってきますし、慣れるにしたがって精神的にも安定してきます。
ですので復職直後というのは、まず焦らず、出社することを目標とし、できるだけ体力を擦り減らす付き合いを避け、平穏無事に過ごすことが大切なのではないかと思います。