うつ病からの復職、社会復帰後に睡眠が悪化しなかなか眠れなくなった時の対処法

緑と空と雲うつ病を患う人にとって、十分な睡眠がとれるかどうかは死活問題です。

睡眠がしっかりとれているかどうかで体力の回復状況も変わり、精神的な安定感にも影響を与えます。

そして、うつ病からの復職時においては、環境が大きく変わるため睡眠にも大きな影響を与えます。

ここではうつ病からの復職後において、代表的な睡眠への影響と、睡眠が悪化した際の対処法ご紹介します。

うつ病からの復職後の睡眠の変化

うつ病から復職は多かれ少なかれ睡眠に影響を与えます。

理由としては、復職に伴う環境変化や労働に伴う疲れ、また仕事によるストレスなど様々なものがあります。

そして睡眠への影響は大きく分けて以下の2つになります。

  1. 寝つきが良くなる
  2. 睡眠の質が悪化する

つまり、睡眠が良くなるか悪くなるかの2パターンです。

以下それぞれについて説明します。

1、寝つきがよくなるパターン

復職し、会社で働くようになるととても疲れます。

そして疲れると人間の自然な反応として、疲れを癒すために眠くなります。

このように会社での疲れがうまくプラスに働くと、寝つきを良くし、睡眠を改善してくれます。

そして睡眠が改善されることにより日々の疲れを十分癒すことができ、うつ病からの回復を早めてくれます。

これは復職後のパターンとしては最も理想と言えます。

もしこのようなパターンの場合には、そのまま日々を過ごしていけばよいでしょう。

2、睡眠が悪化するパターン

会社で働き始めると、新しい環境への適応、日々の仕事への対応、周りの人との関係性など、ストレスを感じる場面が多々あります。

そもそも、会社で1日を過ごすということ自体かなりのストレスとなります。

このようなストレスへの反応は、自律神経のバランスに影響を与えます。

具体的には心をリラックスさせゆっくりと休ませる副交感神経の働きが弱まり、活動性を上げ、集中力を増し、血圧や脈拍を上げる交感神経の働きが強まります。

つまり、臨戦態勢のような状態が続くようになります。

この状態が会社のみで起これば問題ないのですが、自律神経の働きはそう簡単にはスイッチせず、家に帰ってからも往々にして交感神経が優位な状態が続いてしまいます。

そしていざ寝ようとしてもなかなか寝付けず、また寝付いても途中で起きてしまうということが起こります。

このような状態は復職後にはよく見られる現象です。

そして、会社に慣れるに従って徐々に睡眠への影響が弱まってくることが多いです。

ですので、復職後に睡眠が乱れたとしても、ある程度長い目でみていく必要があります。

復職後に睡眠が悪化した場合の対処法

私自身の経験では、残念ながら復職後は基本的に睡眠が悪化します。

やはり会社という場所に行くと気が張ってしまい、緊張状態が続くため、家にもその状態をそのまま持ち込んでしまいます。

そしていざ寝ようとしても動悸がしたり体が火照ったりしてなかなか寝付けないということがよくあります。

このような状態に対処するために、以下のようなことを行いました。

  1. 早めにベッドに入る
  2. 眠れなくても体は休まっていると納得させる
  3. 睡眠薬を使う

それぞれの意図を説明します。

1、早めにベッドに入る

寝ようとしても寝付くまでに時間がかかるのであれば、いっそのこと早めにベッドに入ってしまえば、その分睡眠時間を稼げるのではないかという考えです。

また、早めにベッドに入ると、時間にゆとりがあるため精神的にもゆとりができます(早く寝なくてはといったプレッシャーを感じずに済みます)

また、ベッドでごろごろしていると、徐々に心身ともにリラックスしてきて眠りやすくなるという効果もあります。

2、眠れなくても体は休まっていると納得させる

睡眠には脳の疲れを取るという効果と体の疲れを取るという効果の2種類があります。

きちんと寝落ちないと脳の疲れは取れないのですが、横になっているだけで体の疲れはある程度取ることができます。

ですのでなかなか眠れなくても、ベッドに横たわっているだけでもそれなりの効果はあるのだと言い聞かせると、寝ることに対するこだわりが減ってきます。

そして、こだわりが減ると、眠りやすい状態になります。

つまり横たわっているだけでも効果があると言い聞かせること自体に睡眠を改善させる効果があります。

また、眠らないと脳の疲れは取れないと言われていますが、何かの活動をしているよりベッドで横たわっていた方が脳への疲れの影響は少なくて済みます。

場合によっては、瞑想のように眠らなくてもある程度脳の疲れを取ることも可能かもしれません。

3、睡眠薬を使う

一番手っ取り早い方法がこの睡眠薬を使うということではないでしょうか。

私自身は睡眠薬は常に使っていますので、更に強い睡眠薬にしたり、量を増やしたりといった調整をすることがあります。

ただし、私の経験では睡眠薬を増やしても、そこまで多くの効果がないという印象があります。

1錠で眠れなければ、やはり2錠でも眠れないことが多いです。

ですので睡眠薬に頼るという考え方ではなく、有効であればうまく活用するという考え方で使っていくのがよいのではないかと思います。

まとめ

復職後の睡眠の乱れはかなり悩ましい問題だと思います。

やはりきちんと眠れないと疲れが十分にとれないので、ボディブローのように徐々に体調に影響を与えてきてしまいます。

基本的には時間とともに睡眠も改善してくる傾向があるのですが、実際のところ改善するまでにそれなりの時間がかかるというのも事実です(月単位の時間がかかります)

そのため、復帰直後の睡眠の悪化に対しては、上記のような対処をすることで万全ではないものの、ある程度のプラスの影響を与えることができるのではないかと思います。

ここで書いたことが少しでも睡眠改善の役に立てば幸いです。

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