うつ病からの回復には3つのステップがあると言われています。
最も症状の重い急性期(最悪期)、少しずつ活動ができるようになる回復期、社会復帰に向けて準備する社会復帰準備期の3つです。
ここでは、急性期の次に訪れる回復期の過ごし方のポイント及び、具体的な1日の生活スケジュールをご紹介します。
ポイントは以下の5つになります。
- 徐々にやることを増やす
- よく食べる
- よく寝る
- 軽い運動をする
- 生活リズムを整える
それぞれ説明していきます。
うつ病の回復期における過ごし方のポイント
1、徐々にやることを増やす
急性期においてひたすら休んでエネルギーを溜めると、徐々に何かをやりたいという気持ちになってきます。
この何かをやりたいという気持ちに従って、徐々にやれることを増やしていきましょう。
例えば、部屋の掃除をしたり、買い物をしたり、洗濯をしたり・・・。
ここで大事なのはあくまでも無理のない範囲でやることを増やしていくということです。
回復期になると体が動くようになってくるのでいろいろやりたくなることもあるのですが、実際にはまだまだ回復の途上です。
ですのであくまで無理のない範囲で、徐々にやれることを広げていくというスタンスが大切だと思います。
2、よく食べる
うつ病発症直後は大抵食欲がなく、体重が落ちてしまうのですが、回復期になってくると自然と食欲が出てきます。
うつ病からの回復において、食事は重要な役割を果たしますので、この時期はしっかり食事をとるようにしましょう。
うつ病の本などでは、うつ病によい食事などいろいろ書かれていますが、基本的にはなんでもバランスよく食べていれば十分ではないかと思います。
3、よく寝る
急性期と同様に、回復期においても睡眠は重要です。
エネルギーの回復に従って睡眠時間は短くなってくることが多いですが、それでも1日8時間以上は寝たいところです。
ちなみに昼寝は睡眠リズムの乱れに繋がる可能性があるため、個人的にはあまりお勧めできません。
4、軽い運動をする
回復期になると、徐々に動けるようになってきます。
この時期に軽い運動をすると回復の速度を上げ、また低下していた体力を取り戻すことができます。
個人的には散歩がおすすめです。
1日2000歩くらいから始め、最終的には1日1万歩くらい歩けると理想的です。
いきなり歩数を増やすときつくなるため、時間をかけて徐々に歩数を増やしていく方が安全です。
また、できるだけ自然が豊かでかつ太陽の光を浴びることができるコースを歩くことをお勧めします。
自然と太陽の光には自然治癒力を高める効果も期待できます。
5、生活リズムを整える
急性期においては昼夜逆転の生活になってしまう場合も多いのですが、回復期になると自然と生活リズムが整ってくることが多いです。
ここで、更に毎朝朝日を浴びて、きちんと朝食を摂ると生活リズムが整い易くなります。
どうしても体調の悪い日は難しいかもしれませんが、朝起き上がれるときは是非朝日を浴びて生活リズムを整えていきましょう。
そして、夜更かしはせず、できるだけ早い時間に寝るようにしましょう。
遅くとも午前0時までには、理想的には夜10時頃寝付きたいところです。
過ごし方のポイントのまとめ
回復期における過ごし方のポイントを5つほどご紹介しましたが、重要なのはやはり無理をしないということだと思います。
回復期とはいっても、まだまだ回復途上の時期なので、ちょっとしたことでも体調が崩れてしまうことがあります。
ですので、基本はしっかりと休み、無理のない範囲でできることを増やしていくということが回復期における過ごし方のポイントではないかと思います。
また、この時期はまだ頭を使う活動はきついことが多いため、頭を使うより体を使うということを意識して日々過ごしていくことも大切ではないかと思います。
1日の生活スケジュール
それでは、ここからは具体的な回復期における1日の生活スケジュールをご紹介します。
なお、これから紹介する内容は、最初からこのような生活をしていたわけではなく、紆余曲折を経てたどり着いた私が最も回復に寄与したと思える過ごし方になります。
朝の過ごし方
まず、朝起きたらカーテンをあけ朝食をとります。
その後調子が悪くなければ軽く散歩に出かけます。
概ね2000から3000歩くらいが目安です。
その後午前中は家でゆっくり過ごします。
その日の体調にもよりますが、ぼーっとしたり本を読んだりします。
昼の過ごし方
そして昼になったら昼食を食べます。
昼食後は少し家でゆっくりし、その後2度目の散歩に出かけます。
歩く歩数はその日の体調や回復度合いにもよりますが、最終的には大体5000歩くらいが目安です。
散歩が終わったら、夕食までは家でゆっくりします。
ぼーっとしたり本を読んだり、また、あまり刺激の強くないDVDを見たりします。
夜の過ごし方
そして夜になったら夕食を食べ、風呂に入り、その後は再びゆったりとすごします。
本を読んだり、DVDを見たり、ぼーっとしたり、その日の体調によってやることが変わります。
そして夜10時半頃に薬を飲み、11時頃にベッドに入ります。
これが大まかな一日の流れですが、ここに書いたことに加え、その日によって買い物に行ったり、掃除や洗濯をしたりすることもあります。
また雨の日は散歩にいけないため、近くのジムへ行き軽く泳いだり、ストレッチをしたり、大きい風呂に入ったりして体をほぐし、リラックスします。
これが私の回復期における標準的な過ごし方となります。
刺激や頭を使うことを避ける
うつ病の回復期においては、刺激を避けるということも必要だと思います。
この時期はまだ精神的に不安定な部分があるため、刺激的な体験をすると睡眠に影響が出たりまたその後体調を崩したりしてしまうことがあります。
ですので心がけとしては、出来る限り日々を平穏に過ごし、淡々と時間と共に回復を待つというやり方がいいのではないかと思います。
またこの時期はまだ頭を使う作業というのは厳しいことが多いため、何かの勉強をしたり、何かの交渉をしたりと言った活動は避けることが無難です。
うつ病の回復期においては、頭よりも体を使い、体力を回復させていくということに注力をする方が、結果として良い仕上がりになるのではないかと思います。