就職は人生の一大イベントであり、その後のサラリーマン人生を大きく左右するものです。
また、日本の雇用は未だ硬直的な側面が強いため、初めに入った会社の業界やブランドがその後のキャリアにも大きな影響を与えることが多々あります。
つまり、就職の際の会社選びはとても重要なのですが、ここでは自分の直感に従わず、会社選びに失敗した話というのをご紹介します。
異なる業種から内定を得る
かつての就職活動の際には、幸いにも複数の会社から内定をいただくことができました。
時期に恵まれたという点もあるかと思います。
しかし、悩ましいのはそれが異なる業種からの内定であったことです。
同じ業種内であればそれほど比較は難しくないのですが、異なる業種となると、やることや会社の雰囲気も大きく異なるため、かなり選択が難しくなります。
直感に従うか、計算で選ぶか
この2社は自分にとっても全く異なる位置づけの会社でした。
ここではそれぞれA社、B社とします。
A社は直感的によいと感じる
A社は自分が直感的によいと感じ、説明会などでも胸がわくわくするような気持になった会社です。
面接でも話が弾み、とてもいい印象を持った会社でした。
会社の規模は小さいのですが、やっている内容にも強く惹かれました。
B社は規模が大きく待遇もよい
一方のB社はやっている内容は自分にとって魅力的であったわけではなく、どちらかというと自分の苦手分野を克服したいという、今にして思うと無謀な考えによって受けた会社でした。
ただ、B社の方が会社としての規模は大きく、待遇もよく、福利厚生も充実している会社でした。
直感と計算の間で悩む
私はとても悩みました。
自分の直感に従うのであれば間違いなくA社なのですが、会社としての安定性や待遇を考えるならばB社の方がいい。
そして、友人に聞いても、「それは普通B社を選ぶだろ」という回答が返ってきます。
また、先輩に話を聞くと「最初に入る会社は大切で、最初にそれなりの会社に入っておいた方がその後転職するにしても転職しやすい」というアドバイスをいただきました。
つまり、自分の直感やわくわくする感じを除いて客観的に考えると、A 社よりもB社の方がよいというのが一般的な意見でした。
そして、最終的には自分の直感には従わず、A社ではなく、B社を選びました。
入社後すぐに後悔する
気持ちを切り替え、B社で頑張るという気持ちを胸に、晴れてB社に入社しました。
そして、規模がある程度大きく、安定もしていることから周りの同期は優秀でかつ上昇志向の強い人がたくさんいました。
一方自分はどうだったかというと、入社して一か月経った頃には、既に私はB社に入ったことを後悔していました。
何を後悔したかというと、まず自分の得意分野ではないため、研修が苦痛で仕方なかったのです。
周りが(おそらく)楽しそうに研修に取り組んでいる中、私は全く興味を持てずに、そのため全然内容が進まず、いつも遅くまで居残りをして研修課題に取り組んでいました。
更に、自分に合わないと感じたのはその社風でした。
B社はある程度の規模のある会社なので、会社の制度が整っており、研修などはとてもシステマティックに行われ、なんというか、人間味に欠けるような印象を受けたのです。
もちろんこの辺りは人によって合う合わないがあると思いますが、個人的には自由がほとんどなく、人為的にほとんどのものが決められているという状態はあまり居心地の良いものではありませんでした。
しばらくは我慢しながら会社に通う
こんな状況ではありましたが、流石に入社数か月で辞めるのも気まずく、違和感を感じながらもその後しばらくはその会社に勤めていました。
時間が経つにつれ、違和感は低減されていくのではないかという期待もあったのですが、残念ながら最初に感じた違和感はその後ずっと残り続けました。
人間は慣れる動物とは言いますが、合わないものにはやはりいつまでたっても合わないのです。
石の上にも三年と昔の人は良く言いましたが、どう考えても合わない環境に3年も我慢していたら心身に悪影響を及ぼすだけです。
その後、私はこの会社に見切りをつけ、新たな道を模索していくことになります。
教訓:自分の直感に従ことが大切
この時の会社の選択は、その後の自分の人生に大きな影響を与えたと思います。
おそらくA社を選んでいたら全く違った人生になっていたのではないかと今でも思います。
また、その後うつ病に罹り、長期間の療養を余儀なくされるのですが、そのそもそもの始まりはこの会社の選択の誤りにあったのではないかとさえ思うことがあります。
ここでの教訓は、自分の直感に従うことの大切さです。
他の人がどう言おうと、やはり自分の直感というのが最も信頼できる判断基準なのではないかと思います。
私の場合、無謀にも苦手分野にも関わらず何とかなるのではないかと思い、自分の直感を胸にしまい込み、規模や待遇で会社を選んでしまったわけですが、この選択はこれまでの人生の中でもトップクラスのミスだったのではないかと思います。
自分の気持ちに素直に耳を傾け、自分の直感に従って人生を歩んでいく、こういうことが素直にできれば生き方がとても楽になったのではないかと思っています。