うつ病により休職、退職を決断すべきタイミング

癒しの空と海うつ病に罹ると、満足に仕事をこなすことができず、日々の生活を送るのもやっとの状態になります。

できることなら働きながらうつ病を治したいという人が多いと思いますが、現実には会社をしばらく休まざるを得ない(場合によっては退職しざるを得ない)場合があります。

ここでは、うつ病により、休職や退職を決断すべきタイミングをご紹介します。

1、医者からの意見

まずなにより大事にすべきなのは、医者からの意見です。

自分の今の状態をきちんと説明し、今後も働き続けることが可能なのかどうかを医者に判断してもらいます。

必ずしもいつも医者の意見が正しいとは限りませんが、医者はあなたと同じような状況の人を多数見てきています。

そのため、今のあなたの状態で今後働き続けながら治すことができるのか、それとも一度働くことをやめた方がいいのかについて、かなり説得力のある判断をすることができます。

もちろん医者の意見が全てではなく、最終的に決断するのはあなたですが、決断の為の重要な材料になります。

2、一週間を通じて会社に行けない

うつ病がある程度進行してくると、だんだんと会社に行くことが困難になってきます。

そして徐々に会社に行けない日が増えてきます。

そのまま放っておくと、ある日から全く会社に行けなくなってしまいますが、これは最悪の休み方です。

そうなる前の段階で会社を休むという決断をすべきです。

目安としては、一週間を通じて会社に行くことができない、つまり毎週どこかで休んでしまうという状態になったら、それはもう会社に行き続けることが困難なサインです。

このような状態になったら、会社を休むことを決断しましょう。

3、仕事のパフォーマンスが半分以下

うつ病になると、仕事のパフォーマンスは大きく低下します。

エネルギーが枯渇するため、思うように仕事ができません。

このような状態になるのは、うつ病を発症した以上当然なのですが、問題はそれがどの程度のレベルかということです。

もしパフォーマンスが低下しつつもなんとか最低限の仕事をこなせているのであれば、そのまま働くことを継続できる可能性があります。

一方で最低限の仕事もこなせない状態だと、その状態を続けるのは困難です。

むしろ働き続けることで更なる症状の悪化に見舞われるリスクが高まります。

仕事のパフォーマンスという観点からは、おおよそ半分が一つの目安になります。

例えば、以前であれば1時間でできていたものが、3時間かかるようであればその状態を続けるのは困難だと思われます。

会社としても締め切りに間に合わないなどの損害を被る可能性があります。

そのような場合には、しばらく会社を休む決断をした方がよいと思われます。

4、朝出社した時点で疲れ切っている

うつ病の症状は特に朝によく現れる傾向があります。

そのため、とにかく朝が辛いという人が多いです。

朝起きた時の気分は最悪で、既に体が重い状態になっています。

そしてなんとか朝食を食べ、身支度をし、会社に出社します。

そして会社に着いて自分の席に座ります。

この時点でもし疲れ切ってしまっていて、まともに仕事をこなせそうにない状態であれば、それはもう体が限界を示しているサインです。

よく朝刊が読めなくなったらうつ病の疑いがあると言われますが、そのくらい朝の状態というのは今の自分の症状の重さを表しています。

もし会社に着いた時点でくたくたな状態になっているのであれば、その状態からまともな仕事をこなすことは困難です。

このような場合には、会社を休む決断をした方がよいと思われます。

5、睡眠不足が続いている

うつ病はダイレクトに睡眠に影響を与えます。

うつ病を患っている人は、基本的に同時に睡眠障害も患っているといってしまってもいいほどです。

そして、心身の疲労を癒すという観点から、この睡眠不足は重大な影響を与えます。

基本的に寝ることでしか脳の疲労は回復しません。

そして、睡眠不足が続くと、脳の疲労は蓄積され、どんどんとうつ病の症状も重くなっていきます。

もしあなたが十分に眠れず、疲労が日々蓄積されているような状態であれば、それはしっかり休みなさいというサインです。

もちろん睡眠薬などを使って睡眠を改善させることは可能ですが、本来睡眠薬は一時的に使うものであって、恒常的に使うものではありません。

そしてもし恒常的に使うことになると、今度は依存性や耐性の問題が発生します。

睡眠薬を使っても眠れない、そして量を増やしてもまただんだん眠くなるという状態に陥ってしまいます。

睡眠薬をやめる際のリスクも格段に上がってきます。

このように、睡眠薬を使ってなんとか眠っているという状態はとても不安定で、ずっと継続していくのは困難です。

もし自分の力で眠ることができず、睡眠薬に頼ってなんとか持ちこたえているような状態の場合には、一度会社を休み、態勢を整えた方が無難です。

いずれにせよ、睡眠不足が続き、心身の疲労が蓄積していく状況の場合には、そこからリカバーしていくのは困難なため、休職するなりして一度しっかりと心身を休める必要があります。

休職をする際の手順

ここで述べたような状態が続き、実際に休職が必要になった時の手続きをご紹介します。

(なお、退職に関しては、会社に辞めると伝え、引継ぎをすれば終わりなのでここでは述べません)

まず、休職の際に必要なのは、医者の診断書です。

具体的には、

「○○という病気により、就労が困難なため、○か月の休養を必要とする」

というような内容の診断書を医者からもらいます(診断書の書き方には医者により個性がありますが、基本的には理由と休養を必要とする期間が書かれています)

そして、会社の上司に、自分の状態を説明するとともに、医者から診断書が出ていることを伝えます。

診断書には法的な拘束力があるため、診断書が出てきた時点で会社は医者の指示に従う必要があります。

なので、出てきた診断書を無視することは会社としては違法行為をしていることになります(もしこのような会社があれば、訴えればまず勝てると思います)

ただし、いきなり診断書を突き出して休みますという対応では上司や会社の心証を大分悪くしてしまいます。

上記で述べたような苦しい状態が続いている場合には、まずは上司に相談に、自分の窮地を知ってもらうということが第一です。

そしてなんらかの配慮をしてもらったり、そもまま様子を見ても一向に体調に改善の兆しがない、もしくはより一層悪くなっているような場合には、会社を休むという選択をするべきです。

関連記事:休職の際の手順まとめ

まとめ

うつ病を患い、休職や退職を決断するべきタイミングを5つほどご紹介しました。

改めてまとめると、

  1. 医者の意見
  2. 一週間を通じて会社に行けない
  3. 仕事のパフォーマンスが半分以下
  4. 朝出社した時点で疲れ切っている
  5. 睡眠不足が続いている

となります。

これらは1つ1つが独立しているわけでなく、それぞれが関係し合っています。

例えば、一週間を通じて会社に行けなければ、仕事のパフォーマンスも落ちているだろうし、朝の時点での体調も悪く、睡眠障害を併発していることも多々あります。

やはりこれらを総合的に勘案するには、まずは医者の見立てを参考にすることが大事だと思います。

一般的な傾向として、うつ病に罹る人はまじめな人が多いため、休むタイミングも往々にして遅れることが多いです。

そして休むタイミングが遅れるとその分症状も悪化してしまうため、回復までにより多くの時間を費やすことになります。

自分の体調がやばいと感じたら、医者に診断を仰ぎ、休むべき時は休んだ方が長い目で見てよりよい結果になることが多いです。

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