レンドルミンの効果と副作用。内科でも処方される初心者向け睡眠薬

空と雲

レンドルミンはベンゾジアゼピン系というカテゴリーに属する睡眠薬です。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は現在主流として使われている系統になります。

確かな睡眠作用がある一方、安全性が高いという特徴があります。

レンドルミンはこのベンゾジアゼピン系の睡眠薬の中でも使われる頻度が多く、代表的な薬となっています。

ここではこのレンドルミンの概要と効果・副作用、実際に使ってみた体感をご紹介します。

レンドルミンの概要

レンドルミンは日本では1988年に発売された睡眠薬です。既に20年以上使われている歴史のある薬になります。

以下にレンドルミンの基本情報をご紹介します。

睡眠薬としての系統

  • ベンゾジアゼピン系睡眠薬

ベンゾジアゼピン系睡眠薬というのは現在主流として使われている睡眠薬の系統となります。安全性の高さがその特徴の1つとなっています。

脳内の不安や催眠に関わるGABA受容体に作用し、睡眠を促すというのが大まかな作用プロセスになります。

作用時間

  • 半減期(薬の血中濃度が半分になるまでの時間):約7時間
  • 血中濃度最高点到達時間:約1.5時間

薬の効果は服用後約1.5時間で最大になり、約7時間で血中の濃度が半分になります。

半減期がおおよそ薬が効果を発揮する時間の目安になりますが、実際にはそれよりやや短く感じることが多いです。

レンドルミンに関しては、実際には4~6時間程度効果を実感します。

適応疾患

  • 不眠症
  • 麻酔前投薬

レンドルミンの効果

お薬110番ではレンドルミンの効果は以下のように記載されています。

  • 脳の神経をしずめる作用があります。そして、不安や緊張感をほぐし気分をリラックスさせて、自然に近い眠りに誘います。
  • 睡眠薬として広く使用されている系統です。比較的安全性が高く、効き目もよいので、不眠症の治療には、まずこの系統が使われます。

脳の神経をしずめ、眠りを誘う効果があり、初期の頃に使われることの多い薬というような記述となっています。

実際、内科や精神科でよく眠れないと訴えると、初めにこのレンドルミンが処方されるケースがとても多いです。

そういった意味では睡眠薬の初心者向けの薬と言えるかもしれません。

もう少し効果について踏み込んで説明します。

レンドルミンをはじめとした睡眠薬は、「作用時間の長さ」と「作用の強さ」という2つの軸で特徴が表されます。

睡眠薬の作用時間の分類

まず、睡眠薬の作用時間の4つの分類を見てみます。

  • 超短時間型:作用時間が概ね6時間以内
  • 短時間型:作用時間が6時間から12時間程度
  • 中時間型:作用時間が12時間から24時間程度
  • 長時間型:作用時間が24時間以上

どの作用時間の睡眠薬を使うかは、睡眠障害の種類によって異なります。

睡眠障害には以下の3つのタイプがあります。

  • 入眠障害:なかなか寝付けない
  • 中途覚醒:途中で起きてしまう
  • 早朝覚醒:早朝に起きてしまう

睡眠薬の作用時間と、睡眠障害の種類の関係は概ね以下のようになります。

  • 超短時間型:入眠障害
  • 短時間型:入眠障害及び中途覚醒
  • 中時間型:中途覚醒及び早朝覚醒
  • 長時間型:早朝覚醒

レンドルミンは半減期約7時間の短時間作用型の睡眠薬のため、主に入眠障害及び中途覚醒に使われる薬となります。

レンドルミンの強さ

レンドルミンの強さについては意見が分かれます。

この薬を使ってよく眠れるようになったという声を聞く反面、全然効かずに眠れないという話もよく聞きます。

おそらくこの背景には、初心者にレンドルミンが処方されやすいことが関係していると思われます。

つまり、初めて使う人にとってはよく効く薬なのですが、睡眠薬というのは耐性(使っていると徐々に効果が表れにくくなってくる)があるため、ある程度睡眠薬に慣れた人や程度の重い睡眠障害を患っている人にとっては効果が実感しにくいということなのだと思います。

このレンドルミンで不十分な場合には、量を調整するか、もしくはより効果の強いロヒプノールなどの睡眠薬に置き換えるなどの方法が考えられます。

レンドルミンの副作用

レンドルミンをはじめとしたベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、基本的に安全性が高いです。

そのため、医師の指示通りの服用をしていれば重篤な副作用が発生することはあまりありません。

お薬110番には、副作用については以下のように記載されています。

比較的安全性の高いお薬です。正しく服用するかぎり、重い副作用はまずありません。ただ、人によっては、翌朝に眠気やふらつき、けん怠感や脱力感などが残ることがあります。高齢の人は、転倒にも注意してください。

比較的安全性は高く、正しく服用する限り重い副作用はないという記載になっています。

しかしながら、もちろん副作用が全くないわけではありません。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬には主に以下の5つの副作用があります。

  • 耐性
  • 依存性
  • 眠気の持ち越し
  • 健忘
  • ふらつき

「耐性」とは、その薬を使い続けることによりその薬に体が慣れてしまい、同じ効果を得るためにより多くの量を使用しなければならない状態になることをいいます。

「依存性」とはその薬が体内に入ってくることが当たり前になってしまい、その薬なしではいられなくなってしまう状態になってしまうことをいいます。

「眠気の持ち越し」は睡眠作用が翌日まで残ってしまうことをいいます。

「健忘」は睡眠薬を服用後、自分のしたことを忘れてしまうことをいいます。

「ふらつき」は睡眠薬の睡眠作用や筋弛緩作用(筋肉を和らげる作用)がふらつきにつながり、転倒などが起こりやすくなります。

特に耐性・依存性についてはレンドルミンに限らず睡眠薬全般に注意が必要です。

そのため、睡眠薬については基本的に1か月程度の短期での使用が奨励されています。

レンドルミンを使った経験

ここからは、実際にレンドルミンを使った体験談をご紹介します。

内科でレンドルミンを処方される

当時私は体調不良に悩まされていました。

よく眠れない、食欲がない、すぐに疲れてしまう。

今であればうつ病の前兆であることはわかりますが、当時はそんなことを全く疑いもせず、内科に行きました。

そしてそこで処方されたのがレンドルミンという睡眠薬でした。

この処方を受けたとき、睡眠薬を使うのは怖いという気持ちと共に、少しでもよく眠れるようになりたいという気持ちもあり、とても複雑な心境だったのを覚えています。

レンドルミンを使った体感

既に述べましたが、レンドルミンの睡眠薬としての強さには賛否両論あります。

しかし、初めて睡眠薬を使う私にとっては効果は抜群でした。

この薬を使うと、眠りやすく、また途中で起きることなくしっかり睡眠をとることができました。

しかし、一方で、薬の効果を実感してしまったため、薬に依存してしまうというマイナス面もありました。

実際にレンドルミンを使わずに何度か寝てみましたが、やはり十分な睡眠をとることはできませんでした。

使い始めはいいけれど、止めるのが難しい。

これは向精神薬のデメリットの1つですね。

また、当初はレンドルミンはよく効きましたが、いろいろなベンゾジアゼピン系の薬を使っている今となってはあまり効かない(耐性がついてしまっている)体になってしまいました。

そういう意味で、現在ではレンドルミンは物足りない睡眠薬となってしまっています。

レンドルミンを実際に使った体験談

ここで、レンドルミンを実際に使った方の体験談をいくつかご紹介します。

とてもよく眠れる

短期型のはずなのに、なぜかとてもよく眠れます。

とくに、自然と眠くなる、というのがはじめてのことで驚いています。

なぜほかの薬がまったく効かなかったのかわかりませんが、レンドルミンのおかげで睡眠状態がとてもよくなって助かっています。

とてもレンドルミンが合っていたケースですね。

睡眠薬にも人により相性がありますので、薬により効く人効かない人がいます。

全然効かない

あまり状態のいいときではなかったのか、レンドルミンが全然効きませんでした。

サイレースにかえてもらってなんとか眠れるようにしむけられました。

今度は全然効かなかったケースですね。

レンドルミンは比較的作用がマイルドな睡眠薬なので、睡眠障害が重いと効きにくい傾向があります。

変更したサイレースは別名ロヒプノールで、睡眠薬の中でも催眠作用が強いことで有名です。

ファーストチョイス

精神科に「不眠」で駆け込んだときのファーストチョイスがレンドルミンでした。

しかし、レンドルミン単品で眠れたことはありませんでした。

私もそうでしたが、レンドルミンは初めての睡眠薬として処方されるケースが結構多いです。

私の場合には当時は効きましたが、この方の場合にはレンドルミンでは力不足だったようです。

参考文献:精神科のくすりを語ろう

レンドルミンをはじめとした睡眠薬を使う際の注意点

既に述べたように、睡眠薬というのは効果を実感しやすい反面、依存しやすいというデメリットがあります。

私の場合、レンドルミンから始まり、その後いくつもの睡眠薬にお世話になり、いまだに止められずにいます。

どうしても寝られない場合には、睡眠薬を使うということは体や脳を休ませるという意味で効果的なのですが、その状態に慣れてしまうとどうしても止めにくくなってしまいます。

ですので睡眠薬を使う際には、漠然と使い続けるのではなく、体調の回復とともに少しずつ減らしていく努力をする必要があると思います。

薬というものは、依存せずうまく付き合っていくことが大切ですね。

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