マイスリーの依存性・離脱症状と実際にやめるときの経験

マイスリーは非ベンゾジアゼピン系というカテゴリーに属する睡眠薬です。

非ベンゾジアゼピン系というのは、主流として使われているベンゾジアゼピン系の薬の改良版です。

マイスリーは睡眠薬の中でも、よく処方される薬で、不眠を訴えると内科でも処方されることもあります。

この睡眠薬はしばしば副作用である依存性や離脱症状が問題になることがあります。

ここではこのマイスリーの依存性と離脱症状について私の体験を交えながらご紹介します。

睡眠薬の依存性と離脱症状

マイスリーをはじめとした睡眠薬は依存性が問題になる場合があります。

依存性とは、その薬に慣れてしまうことにより、その薬をやめると様々なよくない症状が発生してしまい、その薬なしではいられないという状態になってしまうことです。

依存性により発生する離脱症状には以下のようなものがあります。

離脱症状には個人差がありますが、上記のような症状を中心に様々なものが出現する可能性があります。

睡眠薬や抗不安薬の中でも依存性の起こりやすさに違いがあり、基本的に以下のような場合に依存性が起こりやすくなります。

１つ目の「作用が強い」というのはわかりやすく、作用が強いと効果が実感しやすく、体に与える変化も大きいためその薬に依存しやすくなります。

２つ目の「作用時間が短い」は、薬の効いている時間が短いほど薬の血中濃度の変化が大きくなるため、依存しやすくなります。

３つ目の「使っている期間が長い」は、長く薬を使っているとその薬が体内にあるのが普通という状態になってしまうため、依存しやすくなります。

４つ目の「薬に対する忍容性が低い」は個人差がありますが、薬に対して反応しやすい体質の人ほど依存しやすいという傾向があります。

一般的には、男性より女性、体の大きい人より小さい人の方が薬に対する忍容性は低い傾向があると言われています（もちろん個人差はあると思います）

これら４つのうち、純粋に薬の特徴に関わるのは１番目の作用の強さと２番目の作用時間になります。

マイスリーに関しては、

という特徴があるため、作用時間の短さからやや注意が必要な睡眠薬といえます。

ただ、マイスリーは非ベンゾジアゼピン系というカテゴリーに属し、より多く使われているベンゾジアゼピン系の睡眠薬よりも副作用が低減されており、この点では相対的に依存しにくい睡眠薬と言えます。

私のマイスリーの使用状況を、先述の依存しやすいケースに当てはめると、

となり、ある程度の期間使用し続けたため、依存性には注意が必要という評価になります。

実際にマイスリーをやめる際には、特に離脱症状は起こりませんでした。

1年という長い期間使用していたにもかかわらず離脱症状が起こらなかったのは以下のような理由が考えられます。

まず、１ですが、マイスリーをやめる際には睡眠薬を全てやめてしまうのではなく、他の睡眠薬へ乗り換えました。

理由としては、マイスリーは超短時間作用型の睡眠薬のため中途覚醒や早朝覚醒への効果はあまりありません。

しかしながら、しばしば中途覚醒や早朝覚醒に悩まされる日々が続いたため、これらを解消するためにより作用時間の長い睡眠薬へ乗り換えました。

また、２のようにマイスリーと並行してベンゾジアゼピン系の抗不安薬を使用していたため、この薬もバッファーとして離脱症状を防ぐ役割をはたしてくれたように思います。

３についてはマイスリーの特徴の１つですが、マイスリーの属する非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬というのは、より古いカテゴリーのベンゾジアゼピン系の睡眠薬より全般的に副作用が少なく、そのため離脱症状も起こりにくかったと考えられます。

４については完全に精神的な問題ですが、そもそもマイスリーという睡眠薬に精神的に依存していなかったため、すんなりやめられたのだと思います。

そもそもマイスリーを使っても眠れないということは多々あったため、実はこの薬はそんなに効いてないのではないかと常々思っていたこともあり、精神的な依存はほとんどありませんでした。

マイスリーに関してはその後も寝つきの悪い時の頓服として何度も使用し、場合によっては再び数か月使い続けるということもありましたが、それでも離脱症状を経験したことはありません。

やはり精神的に依存していなかったこと、そして他に似たような効果のベンゾジアゼピン系の薬を使用していたことが大きいように思います。

マイスリーだけを使い続けた場合、やめるのはなかなか大変になるかもしれませんが、このようにいくつもの薬を使っている中での薬の組み換えのような場合には、それほど離脱症状は起きにくいのではないかと思います。