リーゼのジェネリック「クロチアゼパム」の効果・副作用と薬価・適応

不安を和らげる

クロチアゼパムは、リーゼのジェネリック薬品です。

ジェネリックは別名後発薬とも言われ、元祖の薬の特許期間が過ぎた後に、元の薬と同じように作られたものになります。

つまり、ジェネリックは効果や副作用という観点からは元祖の薬と同じものになります。

リーゼは発売が1978年と、とても歴史のある古い薬ですが、現在でも使われている抗不安薬です。

ここでは、リーゼのジェネリックであるクロチアゼパムについてご紹介します

ジェネリック医薬品とは?

ジェネリック医薬品とは、新薬の特許が切れたあとに販売される、新薬と同じ成分を持ち、同じ効き目薬です。

製薬会社が新薬を発売した際には、特許を取得するため、特許期間中は他の製薬会社は同じ薬を開発・販売することができません。

特許期間が切れた後に、先発薬(新薬)と同じように作られた薬がジェネリックとなります。

新薬で既に有効成分、薬の構造などがわかっているため、ジェネリックは少ないコストで開発することができます。

そのため、一般的に先発薬に比べ、薬価が安いという特徴があります。

クロチアゼパムの概要

まず、上記のように、クロチアゼパムはリーゼのジェネリックであるため、効果としてはこの2つは同じものと考えてしまって差し支えありません。

以下に簡単にリーゼの効果と副作用をご紹介します。

リーゼの効果

リーゼは抗不安薬と呼ばれる薬です。

抗不安薬とは、不安を和らげ、心身を休みやすい状態にする薬です。

別名精神安定剤とも呼ばれています。

リーゼの特徴としては、作用時間が短く、効果も弱いということが挙げられます。

そのため、リーゼはある程度以上の不安に対してはあまり効果がなく、軽度の不安に対してよく使われる薬です。

半減期(薬の血中濃度が半分になるまでの時間)は6時間程度ですが、実際に効果を感じる時間は概ね3~4時間程度です。

効果は弱い反面、抗不安薬で問題になりやすい眠気の副作用もあまり感じることがないとう点はメリットとして挙げられます。

マイルドな不安に対処し、眠気を抑えたい人に合っている薬と言えます。

リーゼの副作用

リーゼをはじめとした抗不安薬にはいくつかの副作用があります

代表的なところでは、

  • 耐性
  • 依存性
  • 眠気
  • ふらつき

が挙げられます。

以下それぞれ説明していきます。

眠気とふらつき

抗不安薬と睡眠薬は親戚のようなものなので、「眠気」やそれにともなう「ふらつき」といった副作用が発生するのは致し方ないことです。

この辺りはあらかじめ認識しておく必要があります。

リーゼの場合はそもそも効果が弱い為、他の抗不安薬に比べると眠気やふらつきは問題にならないことが多いです。

耐性と依存性

より問題なのは、「耐性」や「依存性」といった副作用です。

「耐性」というのは、その薬を使い続けていると、体が慣れてしまい、同じ効果を得るためにはより多くの量を必要としてしまうことと言います。

「依存性」というのは、その薬に依存してしまい、その薬なしではいられない、その薬が止められないという状態になってしまうことを言います。

この2つは由々しき問題ですので、抗不安薬や睡眠薬は1か月以内の使用が望ましいと言われています

リーゼは作用時間の短いタイプの薬であり、かつ作用も弱い為、耐性や依存性の問題は起こりにくい薬です。

この辺りはリーゼの安全性につながる部分となります。

なお、リーゼの詳細については、以下の記事をご参照ください。

リーゼは作用時間が短く、効果も副作用も弱い抗不安薬
リーゼは抗不安薬というカテゴリーに属する薬です。 抗不安薬とは脳の緊張や興奮を抑え、不安を和らげる効果のある薬のことを言います...

リーゼのジェネリック

リーゼのジェネリックは以下の種類になります(お薬110番より)

  • クロチアゼパム錠: 5mg、10mg

2種類ととてもシンプルなラインナップになっています。

ジェネリックのメリット

ジェネリックのメリットはなんといっても薬価が安いことです。

一般的に、ジェネリックになると、薬価は数分の1程度になります。

もちろん効果は先発薬と変わりません。

現在リーゼを使われている方は、ジェネリックを使った方がお財布に優しくなります。

クロチアゼパム錠の薬価

では、リーゼのジェネリックであるクロチアゼパム錠の薬価はどのくらいなのでしょうか。

以下が先発薬のリーゼとの比較になります。

  • 5mg:リーゼ6.3円⇒クロチアゼパム5.6円
  • 10mg:リーゼ11.6円⇒クロチアゼパム8.1円

全般的に、クロチアゼパムはリーゼと比べてそれほど安くありません。

というのは、リーゼ自体が非常に古い薬のため、薬価が安くなっているためです。

基本的に薬は新薬の時は薬価が高いのですが、時間と共に安くなっていきます。

そしてリーゼのように何十年も経つと、もうこれ以上下がらないというくらいのところまで薬価が下がっています。

そのため、リーゼとクロチアゼパムでそれほど薬価には差がないのです。

ただ、それでもジェネリックのクロチアゼパムの方が安いことには変わりない為、利用できる場合にはジェネリックを使用することをおすすめします

クロチアゼパム錠の適応

クロチアゼパム錠の適応疾患は以下になっています。

  • 心身症(消化器疾患,循環器疾患)における身体症候ならびに不安・緊張・心気・抑うつ・睡眠障害
  • 自律神経失調症におけるめまい・肩こり・食欲不振
  • 麻酔前投薬

これらを見ると、不安や緊張などの症状に加え、睡眠障害や自律神経失調症にも使われることがわかります。

比較的守備範囲の広い薬と言えるのではないでしょうか。

そして、リーゼと適応疾患は同じですので、今リーゼを使っている方は、そのままクロチアゼパムに置き換えることが可能です。

適応疾患が違う場合もある

ジェネリックが発売された直後の場合には、先発薬とジェネリックとで適応が異なり、単純に置き換えることができない場合があります。

なぜこのようなこと起こるかと言うと、先発薬の特許は適応疾患毎に管理されているためです。

例えば、最初に統合失調症の適応でAという薬が発売され、その後何年かしてうつ病が適応に加わったとします。

このような場合には、Aのジェネリックが発売されても、当初は適応が統合失調症しかなく、ある程度時間が経ってからうつ病も適応になるということが起こり得ます。

クロチアゼパムに関しては、先発薬もジェネリックも発売からかなり時間が経過しているため、このような適応の不一致はありませんのでどの適応であってもそのまま置き換えることが可能です。

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