抗うつ剤、抗不安薬、睡眠薬を長期間もしくは一生使っても問題ないという話

不安を和らげるうつ病や統合失調症などの病気を患い、長い間薬を使い続けていると、一体いつまで使い続けるのだろう?という気持ちになることがあります。

もしかしたら、一生薬のお世話になるのではないかと思うこともあります。

私自身薬をとても長い間使っていますので、この点が常々非常に気になるところでした。

そこで、過去に何人かの医師に

「薬を一生使い続けることはあり得るのか」

また、「その場合には何かしらかの問題があるのか」を聞いてみたことがあります。

結論から言うと、仮に薬を一生使い続けたとしても、そのこと自体は特に問題にはならないという回答でした。

ここでは、その時の経験及び薬を一生使い続けることによる影響についてご紹介します。

薬を一生使い続けるのではないかと不安になる

長い間薬を使っていると、本当に薬をやめられる時が来るのだろうか?と不安になることがあります。

そして、一生使い続ける必要があるのではないかと思うこともあります。

どうしても精神科の薬と言うのは依存性があるため、長い間使えば使うほどやめにくくなってきます。

長い間使っている薬を止めようとすると、それまでのバランスが崩れるため、途端に体調が悪くなることもしばしば起こります。

この様な経験を何度もすると、薬というのは一生飲み続ける必要があるのではないかと思えてきます。

しかし、一方で気になるのは一生薬を使い続けても何かしらかの問題が起こらないかということです。

一生薬を使い続けることについて医師からの見解

この点について過去何人かの医師に見解を求めたことがあります。

その時の回答は以下の様なものでした。

  • 薬は一生使い続けても基本的には問題ない
  • 現在精神科で使われている薬というのは、基本的には安全性が高いため、適正な使用量であれば長期にわたって使用しても特段問題はない
  • 無理に薬を止めようとするよりも、一生使い続けるぐらいの心持ちでいた方が、結果的に薬を止められることができるケースもある

要するにまとめると、現在精神科で使われている薬というのは基本的に安全性が高いため、一生使ってもまあ問題ないでしょうというのが医者からの見解です。

タバコやアルコールよりも弊害は少ない

どのくらい精神科の薬の安全性が高いのか、という比較で持ち出されるものにタバコとアルコールがあります。

なぜこの二つかというと、タバコとアルコールはそれぞれ依存性があり、また継続的に使用することで体に害を及ぼすものであるためです。

そして、この2つとの比較で言うと、精神科の薬はタバコやアルコールよりもはるかに害は少ないということです。

もちろん、どのような種類の薬を使うのか、またタバコやアルコールをどのくらいの量を使うのかによって、害の大きさは変わってきます。

ここでの比較の基準は、例えば、「タバコ1日一箱」、「アルコールはビール1日500ミリリットル」と、標準的な精神科の薬の使用量を比べると、圧倒的に薬の方が弊害は少ないということです。

ただし、精神科の薬の中には、例えば非常に食欲が増しそのことが糖尿病につながったり、若しくは妊娠中の服用により胎児に悪い影響を与えてしまう、というものもありますので、こういった点についてはしっかりと注意していく必要があるように思います。

薬をやめて苦労するより使い続けて生活の質を維持する方が良い

これは、よく私が医者から言われることなのですが、無理に薬を止めようとして生活の質が低下するよりも、薬を使い続けながら生活の水準を維持した方がよっぽど良いと言うことです。

実際のところ、私自身薬を使うというのがあまり好きではありません。

そのため、事あるごとに薬を減らしたり止めたりということを医者に訴えるのですが、そのたびにこの様な説明をされ結局薬を維持するということが多々あります。

過去を振り返ってみても、薬を減らしたりやめたりするタイミングで体調を大きく崩すという事を何度も経験していますので、この医者の意見というのはおそらく正しいのではないかと思います。

薬と言うのは無理に止めようとするのではなく、必要な時には必要な分だけしっかりと使い続け、薬が邪魔になるぐらいの体調になった場合に薬を減らしたり止めたりする。

このような流れに従うことが、結果として治療もうまくいくように思います。

そういった意味で、もし体調をずっと気にし続けるのであれば、適切な量の薬を一生使い続けていくということも選択肢としてはあるのではないかと思います。

何度も言うようですが、一番大切なのは生活の質を維持していくことです。

薬というのはあくまでもそのための手段の1つ、という捉え方をした方が良いのではないかと思っています。

薬の弊害が誇張されすぎている

私が常日頃からニュースや雑誌を見ながら感じることは、薬の弊害というのが誇張されすぎてはいないかと言うことです。

どうしても週刊誌などはセンセーショナルな内容にしないとなかなか売れないと言う側面もあるため、内容が誇張しがちになるのですが、私はこの点について大いに疑問を持っています。

しばしば見かけるのは、使うと危険な睡眠薬、抗不安薬、抗うつ剤、抗精神病薬などの一覧リスト、といったものです。

しかしながら、そのそこに記載されている薬のほとんどは、過去私が使って問題がなかったか、若しくは医者に聞いてもそれほど問題がないという様な薬ばかりです。

もちろん適切な使い方をせず多くの量を使ってしまったり、若しくは症状に見合わない使い方をしてしまった場合には、問題になることもあるかと思います。

しかしながら、既に述べたように、精神科で処方される薬と言うのは安全性が高いものばかりです。

一方で、もちろん安全性が高いとはいっても全ての薬には副作用があるのもまた事実です。

そして、その副作用の部分を重箱の隅をつつくように誇張して表現し、いかにも危険な薬といった様なレッテルを貼ることにはとても違和感を感じます。

このような誇張された表現に惑わされたりしないためにも、是非薬を使う際には医者としっかりと話をしたり、また本やネットの中でも信頼できる情報を見つけ、自分でしっかり調べておくことが大切ではないかと思います。

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