うつ病の人が転職を成功させるための3つの注意点

入道雲と空うつ病を患う人が転職をするのは、健康な人に比べ大変なことです。

転職というのはかなりエネルギーを必要とするため、うつ病というハンデを抱えている時点で、注意すべきことが存在します。

ここでは、うつ病の人が転職を成功させるために注意すべき3つの点をご紹介します。

1、体調が安定している時に転職する

まず、体調が安定していないと転職するのはとても難しいです。

転職する会社が決まるまでも、そしてその後継続して働くのも大変になります。

転職が決まるまでにもエネルギーを必要とする

転職するまでのプロセスにおいて、エントリーシートを書いたり、面接をしたりといった負担があります。

当然応募した会社に必ず受かるわけではなく、何社も受けてようやく転職先が見つかるということが一般的です。

つまり、多くの会社では落とされるわけですが、精神的に安定していないと落ちるたびに自分を否定されたような気持になり、体調に悪影響を与えてしまいます。

この、転職先が決まるまでのプロセスを乗り切るためには、ある程度体調が安定している必要があります。

転職後に新しい環境に慣れるのに大変

無事に転職先が決まり、いざ入社した後にも更なる大変さが待っています。

環境の変化というのは無意識のうちにストレスとなり、心身を疲弊させます。

加えて、新しい仕事を覚えたり、新しい人間関係を構築するのには多大なエネルギーを必要とします

このようなエネルギーの消耗に耐えるには、転職前に十分にエネルギーが回復しており、なおかつ心身が安定している必要があります。

不十分な状態で転職してしまうと、なんとか転職できたものの、新しい会社で早々に体調を崩してしまうということにもなりかねません。

是非体調を十分に安定させてから転職されることをおすすめします

2、転職先の労務環境

転職する際には、転職先の労務環境をしっかりと精査する必要があります。

うつ病を抱えながら働くことはとても大変なため、労務環境が劣悪な会社で働き続けるのは無理があります。

そもそもうつ病というハンデを抱えている時点で、一般的な会社より労務環境の恵まれている会社を選択することが健康を維持していく上では大切になってきます。

残業のあまりない、まったりと働ける会社というのはそもそも人気が高いためなかなか入社するのは大変かもしれませんが、少なくとも労務環境の厳しい会社にはいくべきではないと思います

労務環境の見抜き方

転職候補の会社の労務環境はどのように調べればよいでしょうか。

ここでは労務環境を調べる方法をいくつかご紹介します。

1、エージェントに確認する

もし転職エージェントを通じて転職するのであれば、エージェントに確認するのが手っ取り早いです。

エージェントは様々な会社の内情を知っており、転職先の会社に勤める人と顧客として接点がある場合も多い為です

必ずしもエージェントの言うことが100%信頼できるわけではありませんが、ある程度の参考にはなります。

2、転職先の社員に会う

より確実な方法は、転職先の社員に会うことです。

ただし、注意点としては、会社が用意した社員に会っても、あまり意味はありません。

やはり会社の息がかかっていると、真実をそのまま言うのは憚れるためです。

理想的なのは友人などのつてを使って、その会社で働いている人を紹介してもらうことです。

このルートであれば、本音ベースでその会社についての話を聞くことができます。

また、別の方法としては、卒業した大学の名簿からその会社に勤めている人を探し出すという方法もありますが、現在この方法が使えるかどうかは不明です。

昔は使えたのですが、個人情報の管理が厳しくなった昨今では使えなくなっているかもしれません(学校によって差がある可能性もあります)

3、その会社の属する業種から類推する

直接的にその会社の労務環境がわからなくても、その会社の属する業種からある程度労務環境を類推することは可能です。

というのは、同じ業種に属する会社であれば、ビジネスモデル(儲け方の仕組み)も概ね同じため、労務環境も似通ってくるためです。

例えば、公益・インフラなどに属する会社は、毎月顧客から使用料が安定的に引き落とされるため、ガツガツ稼ぎに行く必要がありません。

そのため、このような業種の会社は労務環境がよい(まったりしている)場合が多いです。

逆に、コンサルティングやシステム開発のような、プロジェクトベースで採算を考える業種の場合には、常にプロジェクトの進捗に追われるため、労務環境もよくないことが多いです。

このように、業種により労務環境の特徴がかなり異なり、同じ業種であれば労務環境は似通ってる場合が多い為、同じ業種に勤める友人などに話を聞けば概ね労務環境を類推することができます。

3、転職先の企業カルチャー

転職を考える上では、企業カルチャーもとても重要な要素になります。

転職をしたことのある方であればご存知かと思いますが、企業によってカルチャーというのは全く違います。

これは同じ業種内の会社にも言えることで、例えばトヨタとホンダでもその企業カルチャーは大分異なると言われています。

かつての転職でのカルチャーショックを受ける

私は何度か転職を経験していますが、初めての転職の時にはかなりカルチャーショックを覚えました。

転職時の面接においては、フラットなカルチャーと聞いていたのですが、実際に入社してみると全くフラットなカルチャーではありませんでした。

むしろ上の人間従うのが当たり前という暗黙の了解がある会社でした。

ひょっとしたら世間一般の会社よりもフラットな社風だったのかもしれませんが、前職に比べると明らかにフラットではありませんでした。

また、仕事のスピード感という点でもかなり違いがありました。

前職に比べると、意思決定や仕事のスピードがかなりのんびりしていると感じました

一方で、同時期に転職してきた方と話したところ、「この会社は仕事が早く意思決定も迅速で前の会社だと1か月かかって決まっていたようなことが1日で決まる。ほんとにすごい」というようなことを言っていました。

私にとってはのんびりしているように感じても、別の人からはスピーディに感じる、このくらい企業のカルチャーというのは異なるものなのです。

自分に合うカルチャーなのか

ここで大事なのは、その企業のカルチャーが自分に合うのかどうかという点です。

体育会的な考え方が浸透している会社もあれば、オタク的な思考で運営されている会社もあります。

自分の強みや弱みをしっかりと認識し、自分にあったカルチャーの会社を探すことが、楽しく働くための秘訣なのではないかと思います。

自分の強みの診断

転職に当たっては、自己分析を行い、自分の強みを知るということは大変重要です(というか最低限やるべきことです)

世の中には自己分析を行うツールは溢れていますが、リクナビネクストのグッドポイント診断は登録無料で使えるので大変おすすめです

転職の際にうつ病であることをカミングアウトすべきか

転職の面談の際に、うつ病をカミングアウトするべきかどうかは悩ましい問題です。

カミングアウトをしたにも関わらず採用されれば転職後にそれなりの配慮がされる可能性があります。

一方で、現実問題としては、うつ病をカミングアウトすると採用率は相当低くなります。

採用担当者が過去にうつ病を患ったことがあり、幸いにも採用してもらえるという事例もありますが、基本的にうつ病をカミングアウトしながら採用されるのはとても狭き門です。

あえてカミングアウトする必要はない

個人的には、あえてうつ病であることを言う必要はないと思います。

うつ病に対する偏見は昔に比べると減ってきたとは思いますが、それでもまだまだ残っているというのが現状だからです。

大事なのは、転職先でしっかり働けるかどうかということで、そのためにするべきことは、しっかりと体調を整えてから転職するということです。

そして体調が整っているのであれば、わざわざうつ病であることは言わなくてもよいことであると考えます。

もちろん障害者枠で働く場合には全く話は変わってきますが、一般の採用枠で働く場合には、うつ病であることがハンデにならないくらいに体調を安定させることが何よりも大切だと思います。

まとめ

以上、うつ病の人が転職する際の注意点を3つほど挙げさせていただきました。

今一度まとめると、

  1. 体調が安定している時に転職する
  2. 転職先の労務環境
  3. 転職先の企業カルチャー

となります。

この中で、まずなにより大切なのは、1の「体調の安定」です。

やはりある程度体調が安定していないと転職を成功させるのは難しくなります。

2と3については、とにかく事前に転職先の会社を徹底的に調べる必要があります。

知人のつてを頼って内部の社員の話を聞いたり、エージェントを活用したり、ネットで情報を片っ端から集めたりと様々な方法があります(ただし、ネットの情報は得てして不確かなことも多いです)

この辺りの情報が不十分だと、転職した後に、「こんな会社とは思わなかった」「前の会社の方が良かった」というミスマッチが起こる原因になります。

とにかく転職を成功させるには、体調に留意しながら自分に合った会社を見つける、ということに尽きるのではないかと思います。

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