うつ病の治療には2つの方向性があります。
1つは意欲ややる気といった部分を持ち上げるという方向性、
どちらの方向性が適切なのかはその時の状態に依存します。
ここではどのような時にどちらの方向性をとるのがいいのかをご紹介します
心身を休ませるという方向性をとる場合
基本的にうつ病を発症した後は、
心身をきちんと休ませ、
ですのでこの時に用いられる薬は、
また、加えて睡眠の質を上げるために睡眠薬を使ったり、
過ごし方としても、ひたすら休息を取り、よく寝て、よく食べて、
うつ病治療においては、この「心身を休ませる」
意欲ややる気を上げ、活動性を上げるという方向性を取る場合
上述のように、
しかしながら、以下のような場合には、意欲ややる気を持ち上げ、
- 一定期間しっかりと休み、エネルギーは溜まってきたものの、
意欲ややる気といった部分がなかなか上がってこない場合 - 仕事をしながらうつ病の治療をしており、
働き続けるために活動性を上げる必要がある場合
1の場合には散歩や水泳などの体を動かす活動をすることにより、
2の場合に活動性を上げるのは、個人的にはギャンブルのようであま
この1,2ような場合には以下のような薬が処方されることが多いようです。
- セロトニンに加え、
ノルアドレナリンを増やす効果もあるSNRIのサインバルタやイ フェクサー - ドーパミンを増やす効果のあるドグマチール(
スルピリド) や少量のエビリファイ
これらの上げる系の薬を使うことで、働けるようになったり、また働き続けられるようにしようというのが持ち上げる方の治療の意図になります。
まとめ
うつ病治療の基本はしっかり休める状態を作り、
そのため、
しかしながら、
つまり、休むことを基本としながらも、必要に応じて「上げる」
私自身の経験でも、多くの期間は休ませる方向の薬を使っていますが、場合に応じて持ち上げる方向性の薬も必要に応じて使うというような棲み分けをしています。