うつ病は治っても完全に元通りに戻るわけではない(完治、完解のその後)

澄み渡る空うつ病は治る病気です。

しかしながら、治るといっても完全に元の状態に戻るわけではありません。

やはり、以前に比べると、失われたもの、変わってしまったものがあります。

ここでは私のそんな経験をご紹介します。

うつ病が完治しても元に戻らなかったもの

一度目のうつ病の後、社会復帰し、1年と数か月が経った頃、医学的には完治と呼ばれる状態になりました。

要するに抗うつ剤を使わずとも、日常生活や仕事を問題なくこなせるという医学的なお墨付きをもらったわけです。

しかしながら、医学的には完治といっても、以前と比べ失われてしまったものがいくつかありました。

それを5つほどご紹介します。

睡眠障害

睡眠に関してはどうしても以前の状態には戻らず、医学的にはうつ病が治った後も睡眠薬は使い続けていました。

完治した後も寝つきが悪かったり、途中で起きてしまったりすることがしばしばありました。

私は元々人より長い睡眠を必要とするタイプで、休日は以前であれば9時間くらい眠っていたのですが、6時間程度で目が覚めてしまうようになってしまいました。

不安や緊張を感じやすくなった

元々人前での発表は緊張しやすい方だったと思いますが、うつ病になったことでより一層以前に比べて緊張しやすくなったように思います。

翌日に何か人前で話すイベントなどがあると、睡眠に影響が出てしまうこともしばしばです。

また、不安も以前より感じやすくなりました。

以前であれば気にならなかったことも、あれは大丈夫だろうか?何か悪いことをしてしまったのだろうかと不安になることが増えたように思います。

おそらく脳の不安や緊張をつかさどる部分が、完全には修復されなかったのではないかと思います。

体力低下

体力も以前に比べると、落ちました。

回復過程で以前に近いレベルまでは戻ったと思いますが、やはり以前のレベルには到達しませんでした。

もちろん日常生活を送る分には支障はありませんでしたが、例えば以前であれば残業100時間くらいまで耐えれましたが、そんなことをしたら即ダウンするうような体になっていたと思います。

また、体力的な衰えから以前行っていたジョギングやマラソンは、うつ病から回復した後も一切やらなく(やれなく)なりました。

人との積極的な関わりを避ける

どうしても人と関わると疲れてしまいます。

また、余計なストレスがかかってしまうこともあります。

そのため、人との関わりをあまり持たないようになってしまいました。

以前であれば昼食を誰かと一緒に行ったり、仕事後に一杯やったりしていましたが、そういうことはほとんどやらなくなってしまいました。

一言でいうと、付き合いの悪い人になってしまいました。

アウトドア派からインドア派へ

元来休日を家で過ごすのは好きでなく、とにかく外に出かけるのが好きでした。

特にアウトドアのようなアクティビティをよくやっていました。

しかしうつ病の完治後も、そのような情熱は戻らず、また体力的な不安から、めっきりとアクティブな活動をすることが減ってしまいました。

代わりに、本を読んだりインドアな生活をする時間が長くなりました。

振り返ってみて感じること

こうして振り返ると、うつ病が完治したからといっても失われてしまったもの、変わってしまったものはたくさんあるのだなあとしみじみと感じます。

うつ病というのはとてつもなく苦しい病気なので、一度経験してしまうと再発を警戒して物事に対して消極的になってしまうのはしかたないことなのかなあと思います。

かくいう私は二度目のうつ病で今も療養中ですが、やはり今回も失ってしまうものはあるのだろうなあという気がしています。

そういうことも含めて今後付き合っていかなければいけない病気なのだと痛感しています。

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