私が経験したうつ病の辛い症状とその対策

癒しの空うつ病になると、様々な症状が現れます。

一般的にはうつ病という名前から連想されるように「うつ」になるんでしょ?と思われがちですが、実際にはうつは症状の1つに過ぎません。

実際には精神面のみならず、身体面においても非常に多くの症状が発生します。

ここでは、私が経験した症状とその対策をご紹介したいと思います。

不眠

不眠はうつ病になるとほぼ間違いなく起こる症状です。

うつ病の症状であると同時に、うつ病の引き金にもなる症状とも言えます。

この不眠、本当に辛いです。

体は疲れ切っているのに、夜寝ようとしてもなかなか眠れません。

また眠れたとしても途中で起きてしまい、そのまま眠れなくなってしまいます。

そして翌日は寝不足でかつ休息が不十分な状態で過ごすことになります。

不眠が続くと、心身の疲れがどんどん蓄積されていきます。

それに伴い他の不快な症状も現れるようになってきます。

うつ病においては、不眠が最も注意すべき症状とも言えるかもしれません。

この睡眠障害が強いときは、なかなか自力で眠ることができません。

このような時は、睡眠薬などを使い、ある程度強制的に眠らせることも必要です。

人工的であっても、しっかり眠れればそれだけ回復することができます。

なかなか眠れない時の対策は以下にまとめてありますのでご参考までにどうぞ。

参考記事:なかなか眠れないときに睡眠を促すための5つの方法

エネルギー不足

うつ病になると、あらゆるエネルギーが枯渇します。

それまでできていたことがほとんどできなくなります。

このエネルギーの枯渇具合は普通の人の想像をはるかに超えるものがあります。

例えば、食事をする、風呂に入るというごく当たり前のことでさえ、とても困難な状態になります。

うつ病からの回復はこの枯渇したエネルギーを回復させることといっても過言ではありません。

このエネルギーが枯渇した状態で何かの活動をすることはとても大変です。

ですので、まずはしっかりと休み、枯渇したエネルギーを溜めていく必要があります。

具体的にはよく寝てできるだけしっかり食べ、起きている時もひたすらぼーっとしてできるだけエネルギーの消費を抑えます。

しばらくこのような過ごし方をしていると、徐々にエネルギーが溜まり、無理せず出来ることも徐々に増えてきます。

不安感

うつ病は精神面に大きな影響を与える為、当然「不安」といった気持ちにも大きく影響します。

この時に起こる不安とは、明らかに通常とは異なるものです。

通常、不安というのは、何か特定の事象に対し、感じるものです。

例えば、

「明日のプレゼンはうまくいくだろうか」

「教えられた通りうまく演技できるだろうか」

などなど。

一方で、うつ病による不安というのは、これとはちょっと違います。

まず、不安に対する感度が上がっているので、通常であればどうってことないことにも不安を感じます。

例えば、
「明日の朝はちゃんと起きれるだろうか」(普通の人は毎日このような心配はしないですね)

「(根拠はないけど)周りの人に嫌われているのではないだろうか」

などなど。

そして、最大の特徴が、「不安になる原因がないにも関わらず不安になる」ということです。

理由はないけどとにかく不安でじっとしていられないという状態になることがしばしばあります。

この不安感が外からの刺激に対する反応で起こるのではなく、脳から直接発せられる、というのが大きな特徴です。

正直この理由もないのに不安になるという事象は、勝手に出てくる感情なので、コントロールすることが非常に難しいのです。

そのため、薬を使ったり、不安を和らげるような活動を行ったりしてなんとかやり過ごすというのが対処の仕方になります。

また、病気が回復するにつれ、不安になる頻度の徐々に減ってきます。

焦燥感

焦燥感というのは、常に何かに追われているような気持になり、そわそわしていてもたってもいられない、という状態になることを言います。

感情としては、上記の不安感と似ているものがあります。

この焦燥感も実に厄介な症状です。

まず、焦燥感は理由もないのに起こります。

そして、焦燥感を感じると、いてもたってもいられなくなり、しっかり休むべき時にもじっとしていられなくなります。

例えば、焦燥感を紛らわすために、無理に散歩する、無理に外出する、といった活動をすることになります。

焦燥感に駆られ、このような活動をすると、当然エネルギーも溜まらず、なかなか回復していきません。

対策としては、鎮静作用のある薬を使い、焦燥感に対処しました。

また、人と話したりして気を紛らわせることも、焦燥感を和らげる効果があります。

ただし、あまり活動的なことをしてしまうと、エネルギーが枯渇してしまうため、この辺りのバランスには留意する必要があります。

肩こり

地味に思われるかもしれませんが、うつ病になるとそれなりの確率で肩こりになります。

理由としては、緊張状態が続いているため、肩に力が入ってしまうためです。

特に働いている人の場合には、デスクワーク自体が肩こりを誘発しやすい為、なお一層肩こりになりやすいと言われています。

たかが肩こりと思われるかもしれませんが、それは程度の問題です。

もちろん軽い肩こりであれば笑い話で済ませられるかもしれませんが、重い肩こりの場合、生活の質に大きな影響を与えます。

例えば、夜寝る時に肩こりがひどいと、気になってなかなか寝ることができなくなります。

また、仕事をしている時も、肩が痛くて10分毎くらいに肩を動かさないと仕事ができないという状態にもなります(結果仕事へのネガティブな影響があります)

鍼灸などに通い、肩こりをある程度和らげることもできますが、個人的にはこの効果は一時的なものに留まります。

また鍼灸に通い続けるのはそれなりにお金がかかるので、お金に余裕がないと通い続けるのは難しいです。

根本的には緊張状態が肩こりを生み出しているため、この状態が解消されない限りマッサージなどをしてもすぐに元の状態に戻ってしまいます。

経験上、うつ病から回復するにつれ、緊張状態も徐々にほぐれ、肩こりも自然とよくなっていくことが多いように思います。

腹痛・下痢

これは個人差があるかと思いますが、個人的には腹痛と下痢に大いに悩まされました。

うつ病になり、自律神経のバランスが乱れると、腹の調子が悪くなります。

そして、よく下痢をするようになります。

腹痛と下痢の何が辛いかというと、もちろんそれ自体も辛いのですが、それ以上に、体力を消耗してしまうのが辛いのです。

腹痛を我慢している状態というのは、多くのエネルギーを必要とします。

そして、その状態がどのくらい続くかもわかりません。

しばらくして腹痛が治まったと思ったら、疲労困憊で何もできなくなっていたということも多々あります。

最も辛いのは、夜中に腹痛で起こされるケースです。

この場合、睡眠が阻害されると同時に、エネルギーも消耗し、更にその後眠れなくなるというマイナスのスパイラルに陥ることがあります。

そのため、翌日には体調がぼろぼろで何もできないという状態に陥ることもしばしばです。

このように、腹痛と言うのは間接的にエネルギーを消耗させてしまうため、かなり要注意の症状です。

対策としては、胃腸薬や下痢止めを使うという方法もありますが、これらはあくまでも対症療法に留まります。

根本的には、やはり病気が回復するにつれ、腹痛や下痢といった症状も和らいでくることが多いです。

食欲の低下

食欲の低下はうつ病の代表的な症状の1つです。

様々な本に、食欲の低下はうつ病のサインといったことが書かれています。

実際、うつ病になったり、またその前の状態でも食欲が顕著に落ちます。

そして、食欲が落ちることで体重も減少します。

ここで問題なのは、しっかり食べないと、自然治癒力が働かず、なかなか回復していかないということです。

とはいっても、本能的にものを食べたくなくなってしまっている(食べられなくなってしまっている)のでなかなか難しいものがあります。

ただ、経験上は、ある程度しっかり休めば、食欲は徐々に上がってきます。

なので、無理に食事をとらなければと自分を追い込むよりは、まずはしっかり休み、時間とともに食欲も戻ってくるのを待つことです。

もしそんなに待てない、これ以上体重が落ちたらまずいという場合には、食欲を上げるような薬を使うという方法もあります。

個人的には、マイルドな食欲増加にはドグマチール、かなりの食欲増加にはリフレックス、すごい食欲増加にはジプレキサが効きます(ジプレキサは食欲が上がりすぎて、糖尿病になりやすいとも言われています)

この辺りは症状との相性ともありますので、医者とご相談されることをおすすめします。

情緒不安定

うつ病になると、情緒不安定になります。

精神
的に不安定と言ってもいいかもしれません。

例えばちょっとしたことで不安になったり、何でもないようなことに対し怒りが止まらなかったりします。

一言で言うと、感情のコントロール機能が弱まってしまい、様々なことに過剰に反応してしまう状態とも言えます。

また、特に理由もなくイライラしたり、落ち込んだりすることも多々あります。

このような症状は時間とともに改善することが多いのですが、その瞬間は大変辛いものがあります。

軽度のものであれば散歩をするなり、呼吸を意識するなりしてやり過ごすことができますが、ある程度以上のものになると、薬を使ってその場をしのぐということも必要かと思います。

音に敏感になる

これはおそらく神経が過敏になっていることの影響と思われます。

どうしても音が気になってしまうことが多いです。

もちろん全ての音が気になるというわけではなく、例えば

  • 上の階の足音が気になる
  • 外の工事の音が気になる
  • 職場の他の人の話し声が気になる

といった、わりと一般的にも気になることが多いものに対し、より敏感に反応するという感じです。

対策としては耳栓をするというのも1つですが、その場を離れることで、音から逃れると同時に気分転換をするというのも1つの手です。

動悸

動悸は自律神経のバランスが乱れているサインの1つです。

何か嫌なこと、不快なこと、不安なことがあると、自律神経のバランスが乱れ、交感神経が必要以上に優位になってしまい、動悸がよく起こります。

そして、一度動悸が起こるとなかなか収まらず、睡眠に影響を与えてしまうこともしばしばです。

この動悸への対策はまずは動悸の原因となる事柄から避けるということです。

自らチャレンジングな環境などに飛び込んでいくのは無謀極まりありません。

とにかく平穏に淡々と過ごすことが理想です。

そして動悸が起こってしまったら、できるだけ心を落ち着けるようにすることです。

具体的には軽く散歩をしたり、ヒーリングミュージックを聞いたり、風呂にゆっくりと入ったりといったことが個人的には有効です。

頭痛

頭痛も非常によく起こります。

そもそも病気の原因が脳にあるため、頭痛が起こるのは当たり前かもしれません。

ただし、いつでも頭痛が起こるわけではなく、頭痛にはある程度のパターンがあります。

私の場合、体調の優れない時、無理をしている時に頭痛が起こることが多いです。

この頭痛はどうにも解消の方法が見つからない為、一度起こったら収まるまで待つしかありません。

例えばたまった疲れが頭痛の原因の場合には、しっかりと休むことにより頭痛が回復することが多いです。

また、寝不足により頭痛が出ている場合には、薬を使ってでもしっかりと寝ることで頭痛が改善されることが多いです。

被害妄想

被害妄想とは、現実をあまりにも悲観的に捉えてしまい、現実離れした心配をしてしまうことです。

例えば、

「お金に困っているわけではないのに、異常にお金の心配をする」

「子供は元気なのに、とても子供の健康が気になる」

「自分が世の中から虐げられているように感じる」

といった考えが浮かんでくることです。

この被害妄想は多かれ少なかれ経験する症状のように思います。

そして個人的には、被害妄想は過度な不安感からもたらされているもののように感じます。

被害妄想は自分が本当にそのように感じてしまっているので、直ぐに効く対策というのはなかなか難しいのですが、病気の回復とともに和らいでいくことが多いです。

将来への絶望

これも非常によくある症状です。

うつ病というのは、希望という希望が全て取り払われてしまう病気なので、残るのは絶望ということになってしまいます。

「もう自分の人生は終わった」

「将来には何も楽しいことはない」

「自分はもう社会に出ることはできない」

「いっそのことここで人生を終わらせてしまいたい」

こんな気持ちが次々と現れてきます。

この症状も脳からの直接的な信号の為対処がとても難しいです。

軽く体を動かしたり、気を逸らして何か別のことを考えたりすることでやり過ごせることもありますが、根本的な部分はすぐには改善しません。

この症状に関しても、病気が回復するにつれ、徐々に和らいでくることが多いです。

まとめ

以上、私が経験した辛い症状たちとその対策をご紹介しました。

とても多くの症状をご紹介しましたが、この多様性がうつ病の特徴と言えるのではないかと思います。

うつ病という病気は「うつ」という名前から落ち込みといった精神症状を連想される方が多いのですが、実際には精神症状と同じくらいもしくはそれ以上に身体的な症状も発生します。

そしてそれらの症状はとても不快なもので、場合によっては生きていること自体がしんどいと思えるほどです。

各症状に対する対策も記載しましたが、基本的に特効薬というものは存在せず、時間を掛けながら徐々に回復することにより、症状も和らいでくることが多いです。

時間が最大の治療薬と言われることもありますが、まさにその通りであると思います。

時間をかけてしっかりと休むこと、これが根本的に症状を治していくための道筋ではないかと思います

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