通常、うつ病の治療は長期にわたる場合が多いです。
うつ病を発症し働けなくなった場合、最低でも回復までに3ヶ月は必要です。
はじめてうつ病と診断された方の場合、3か月と聞くとびっくりするかもしれませんが、やはりうつ病の治療には多くの期間がかかるというのもまた事実です。
また、3か月という数字は、回復までの目安ではなく、あくまでも最低限の期間になります。
ここでは、なぜうつ病からの回復には最低3か月必要なのかをご紹介します。
うつ病からの回復の3つのステップ
1か月は絶対安静
うつ病で働けなくなった場合、最低まず1か月は絶対安静にする必要があります。
ここでいう絶対安静とは、ひたすら寝て、食べて、ほーっとして、頭や体を使う活動をほとんど何もしないことを指します。
この絶対安静の期間は、急性期ともいわれ、最も症状の辛い時期です。
この急性期は最低1か月、こじらせてしまった人だと3か月以上必要なこともあります。
1か月は徐々に活動をしていく期間
絶対安静にして十分なエネルギーが溜まってきたら、今度は最低1か月間は散歩をするなりして体力を回復させていく必要があります。
この期間は回復期と呼ばれ、蓄えたエネルギーを元に、徐々に活動に慣れていく期間になります。
この回復期においては、調子がよかったり悪かったりを繰り返しながら、徐々に体調が回復していきます。
回復期は最低1か月、長い場合には多くの期間を必要とします。
また、この時期に無理をしてしまうと、溜まっていたエネルギーを使い果たしてしまい、また急性期からやり直しということにもなりかねません。
そのため、無理をせず、少しづつ慎重に活動量を上げていく期間となります。
社会復帰への準備に最低1か月
そして回復期において十分活動ができるようになり、心身ともに安定した状態になると、社会復帰への準備期間に入ります。
この期間も最低で1か月かかります。
社会復帰準備期においては、その名の通り社会復帰に向けた準備を行います。
具体的には会社に行くことを想定した生活リズムを作り、家の外で日中を過ごす練習をし、実際に会社に行くことを想定した出勤準備などを行います。
これらの活動を経て、晴れて社会復帰となります。
最低3か月かかるという意味
各期間を合計すると最低3か月
上記の3つの期間を足し合わせると、絶対安静期間1か月、体力作り期間1か月、社会復帰準備期間1か月でトータル3ヶ月というのが最低限のうつ病回復までの期間となります。
実際には3か月より多くの期間を必要とする場合が多い
ただし実際にはこれほどうまくいくケースというのはそれほど多くなく、これよりも多くの時間がかかる場合が多いです。
安静にする期間が3か月かかったり、体力作りに3か月かかったり、また途中で体調を崩し、残念ながら最初からやり直しになったりと、なかなか思うように回復というのは進んでいかないことが多いです。
そのため、うつ病で療養に入った場合には、まず最低3ヶ月間は回復に必要なのだということを頭に留めておいた方が良いかと思います。
3か月で回復できれば、かなり順調
初めてうつ病で休まれる方は3ヶ月もかかるのかとびっくりされるかもしれませんが、実際のところこの病気は思ったよりも長引くケースが非常に多いです。
むしろ3ヶ月で回復できた場合はかなり順調であったと言えます。
また社会復帰をしたらスパッとうつ病が治るわけではありませんので、あくまでこの3ヶ月というのは社会復帰までの最低期間という意味合いであることにご留意いただければと思います。