【2018年版】よく使われている抗不安薬(精神安定剤)ランキング

空と雲

抗不安薬とは、精神安定剤とも呼ばれ、不安や焦燥感などを和らげ、精神を安定させる効果を持つ薬です。

この抗不安薬が処方されたときに、

「どんな抗不安薬がよく使われているのだろうか?」

「自分の使っている抗不安薬はよく使われているものなのだろうか?」

と疑問に思うことがあります。

そこで、このような疑問に答えるため、抗不安薬の使用状況に関するアンケート調査を行い、どの抗不安薬がよく使われているかを調べてみました。

ここではこのアンケート調査の結果による、よく使われている抗不安薬(精神安定剤)ランキングをご紹介します。

調査対象の抗不安薬(精神安定剤)

調査対象とした抗不安薬は以下の通りです。

なお、全ての抗不安薬を対象とするのではなく、ある程度使われていると思われる抗不安薬に絞ってアンケート調査を行っています。

短時間型(作用時間約5時間以内)

中時間型(作用時間5時間~10時間程度)

長時間型(作用時間10時間~24時間程度)

超長時間型(作用時間24時間以上)

全16種類の抗不安薬が調査対象となります。

よく使われている抗不安薬(精神安定剤)ランキング

アンケート調査により判明した、よく使われている抗不安薬ランキングは以下のようになります。

順位 抗不安薬 得票率
1位 デパス 17%
2位 ワイパックス 17%
3位 レキソタン 15%
4位 ソラナックス、コンスタン 14%
5位 メイラックス 12%
6位 リボトリール、ランドセン 7%
7位 セパゾン 7%
8位 リーゼ 6%
9位 セルシン、ホリゾン 3%
10位 グランダキシン 1%

  ランキングへのコメント

1位:デパス

やっぱりとてもよく使われているデパス。

日本で最も有名な抗不安薬といってしまっても過言ではありません。

昨年に引き続き、今回も1位という結果になりました。

とてもキレが良く、すぐに効果を実感でき、また多少の抗うつ作用も持ち合わせている抗不安薬。

そして睡眠作用も強いため、睡眠薬としてもよく使われる薬です。

内科でもよく眠れないというと、このデパスが処方されることがあります。

効果が実感しやすい一方、頼りすぎてしまうと依存性や離脱症状が問題にもなりやすい抗不安薬です

デパスは今回の調査のみならず、長年にわたって最も使われている抗不安薬だと思われます。

抗不安薬はここ数十年ずっとベンゾジアゼピン系が主流であり続けているので、今後もしばらくデパスの人気は衰えないのではないかと思われます

2位:ワイパックス

こちらも抗不安薬の王道とも呼べるワイパックスがやはり上位に登場。

デパスにはわずかに劣りますが、こちらも非常によく使われており、2位という結果になりました。

日常的に使う抗不安薬としてのみならず、頓服としてもよく使われる薬です。

私も頓服としてはこのワイパックスを最も多く使っている気がします。

ワイパックスもキレのよい抗不安薬で、使うと速やかに抗不安作用が現れ、頭がぼーっとし、同時に眠くなってきます。

そして4~6時間程度で速やかに効果が去っていきます。

とても効果の実感しやすく、頓服としても優れた抗不安薬だと思います。

3位:レキソタン

こちらも効果のキレの良いレキソタンが上位にランクイン。

確かな抗不安作用を持つ一方で、強さの割に比較的眠くなりにくいという特徴があります。

そのため、働いている人や日中に寝たくない人にわりと合っている抗不安薬です(個人的にはそれでも結構眠くなりますが)

個人的には短時間の効果を期待する場合にはワイパックス、より長い時間を必要とする場合にはレキソタンといった使い分けをすることが多かったです。

4位:ソラナックス、コンスタン

こちらも効果のキレがよく、とても人気のある抗不安薬です。

日本のみならず、海外でも非常によく使われている抗不安薬です。

抗不安薬としては、中程度の作用時間で強さも中程度とまさに普通を地で行くような抗不安薬。

そういった意味では処方しやすく、使いやすい抗不安薬ともいえます。

一方で、依存性や離脱症状には注意が必要な抗不安薬でもあります(これはソラナックスのみならず、抗不安薬と睡眠薬全般にも言えることですが)

使った感触としては、2位のワイパックスととても似ていると個人的には感じます。

1位から4位までは、とてもキレのいい、効果の実感しやすい抗不安薬が並びました。

やはり効果の実感しやすい薬は人気が高いということなのでしょうか。

5位:メイラックス

超長時間型の代表的な抗不安薬であるメイラックス。

超長時間型という名に恥じず、服用すると効果が1日以上続きます。

効果のキレはよくありませんが、何となく頭がぼーっとした状態がずっと続くような抗不安薬です。

突発的な不安ではなく、漠然と続く長い不安や、日中に心身を休みやすい状態にするのに重宝する抗不安薬です。

また、その安全性には定評があり、抗不安薬をやめる際にはメイラックスに置き換えてから徐々に量を減らしていくという方法もよくとられます。

6位:リボトリール、ランドセン

思いのほかよく使われていたリボトリール。

リボトリールは抗不安薬というカテゴリーに入れていますが、抗てんかん薬としててんかんの治療に使われたり、また、むずむず足症候群に使われたりと、とても守備範囲の広い薬です。

抗不安薬として脳内のGABAに作用して不安を和らげるのみならず、身体にも作用し、けいれんを抑えるような効果もあるため、不安と動悸が併存しているような状況では重宝します。

また、確かな睡眠作用もあるため、睡眠薬として使われることもあります。

このようにリボトリールという薬は多様な機能を持っており、抗不安薬の中では異色の存在とも呼べる薬です。

抗不安薬としてのみならず、その他の様々な使われ方も合算すると、このように上位に入ってくるということなのかもしれません。

7位:セパゾン

1974年に発売された、歴史のある抗不安薬です。

まあ抗不安薬は近年あまり新薬が登場していないため、発売してから数十年経っても主力として活躍している薬がほとんどです。

このセパゾンはかつてはそれなりに処方された時期もあったようですが、今ではその頻度はだいぶ減っているようです。

ただ7位に入っていますので、今でもそれなりに使われている抗不安薬ではあります。

確かな抗不安作用を持つ一方で、副作用はそれほど多くないので個人的には評価の高い薬なのですが、今となっては他の多くの選択肢があるため、日陰の存在となりつつあるようです。

また、セパゾンを止める際には体調を崩すことが多く、離脱症状には注意が必要な抗不安薬でもあります。

8位:リーゼ

作用時間が短く、効果も弱いリーゼ。

やはり効果の実感が乏しいため、あまり使われていないのでしょうか。

抗不安作用が弱い分、眠気の副作用も少ないのはメリットですが、それでもやはり強い不安に対しては役者不足の感が否めない抗不安薬です

高齢者や、マイルドな不安に対して使われる抗不安薬という位置づけのようです。

ただ効果が弱い分、離脱症状も少ないのはメリットとして挙げられます。

9位:セルシン、ホリゾン

かつては抗不安薬の代表的な存在であったセルシン/ホリゾン。

9位に入ってくるあたりに、未だに一定数使われ続けている形跡が見て取れます。

発売は1964年と非常に古く、既に発売から50年以上経っています。

そして80年代頃までは抗不安薬の主力として活躍していました。

その後はデパスなどのキレが良く効果の実感しやすい抗不安薬の登場により、徐々に使われる頻度は減っていったようです。

効果としてはマイルドにじわじわと効くような感じの抗不安薬で、一度服用すると1日中ぼーっとしたような感じになります。

キレは良くないのですが、一方でマイルドに長時間作用する薬ですので、依存性や離脱症状の問題などは比較的起こりにくいという特徴もあります。

10位:グランダキシン

リーゼより更に作用時間の短いグランダキシン。

効果が弱いため、抗不安薬ではなく、自律神経調整薬と呼ばれることもあるようです(個人的には自律神経を調整するのはかなり大変なことだと思うのですが・・・)

正直個人的にはどのようなシチュエーションで使われる抗不安薬なのか想像が難しい薬なのですが、一定数使っている方はいるという結果になっています。

全体的な感想

ざっとランキングを見て思うのは、抗不安薬にはあまり進化が見られないということです。

抗うつ剤や睡眠薬のランキングでは、2000年代に発売されたような新しい薬が上位にかなり入ってきているのですが、抗不安薬に関しては数十年前に発売された薬が依然として主流として使われているという結果になっています。

もちろんセディールのような比較的新しくかつ作用プロセスの異なる抗不安薬もあるのですが、今回の調査ではなんと圏外という結果でした(ちなみに12位です)

まあセディールは確かに使っても効果があまり実感できないので、人気がないのもうなずけるところではあります。

それにしても抗不安薬はあまり進歩が見られないという印象を受けます。

この辺りは、今後の医学・薬学の進歩に期待したいと思います。

デパスを脅かすような、革新的でかつ副作用の少ない抗不安薬が登場してくれるとうれしいことこの上ないです。

もちろん抗不安薬のお世話にならずに済むことが一番なのですが・・・。

なお、睡眠薬及び抗うつ剤についても同様の調査を行っていますので、ご興味のある方は以下をご参照ください。

参考記事:よく使われている睡眠薬ランキング

参考記事:よく使われている抗うつ剤ランキング

昨年のランキング

ご参考までに、昨年のランキングも以下にご紹介します。

順位 抗不安薬 得票率
1位 デパス 25%
2位 ソラナックス、コンスタン 18%
3位 ワイパックス、ユーパン 14%
4位 レキソタン、セニラン 14%
5位 メイラックス 10%
6位 リボトリール、ランドセン 6%
7位 セルシン、ホリゾン 5%
8位 セパゾン 3%
9位 リーゼ 3%
10位 グランダキシン 1%

実は、1位から10位までの顔触れは変わっておらず、その中で多少の順位変動があっただけです。

ランキング変動のまとめ

まず、デパスは変わらず1位です。

おそらく過去何年か見てみてもずっと1位ではないかと思います。

そのくらいこの薬はよく使われ続けています。

ワイパックス、レキソタンは順位を1つ上げ、ソラナックスは2つ下げていますが、この辺りはサンプリング誤差による可能性も考えられます。

いずれの薬も数十年間使われ続けており、突然よく使われるようになるとは考えにくいためです。

セルシンが順位を2つ下げていますが、この辺りも僅差のため、年により多少の変動はありそうです。

全般的に見ると、1年間ではほとんど変わり映えがしないというのが抗不安薬(精神安定剤)の特徴です。

抗うつ剤や睡眠薬では数年に1度新薬が出て、順位変動をもたらしているのですが、抗不安薬に関しては昔からある薬同士の中での小幅な変動という特徴があります。

そういった意味で、抗不安薬に関しては毎年ではなく、5年に一回程度の頻度の調査にしないと、明確な順位の変動は現れないかもしれません。

抗不安薬は良くも悪くも固定化された状態が続いていると言えます。

今後のよりよい医学・薬学の進化に期待したいところです。

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