うつ病からの復職、社会復帰後の過ごし方のまとめ(仕事から休日まで)

リラックスうつ病からの復職や社会復帰は一つの節目ではありますが、ゴールではありません。

むしろ、復帰してようやくスタートラインに経て、そこから環境に適応するための新たなスタートが始まります。

そのため、復職後も体調に留意しながら徐々に仕事に慣れていく必要があります。

そして、復職後の過ごし方には、時間と共にいくつかのステップが存在します。

ここでは、うつ病からの復職後の過ごし方を復職からの時間経過と共にご紹介します。

復職、社会復帰後の回復ステップ

うつ病から復職しても、すぐに以前と同じような状態で仕事をし、プライベートな時間を楽しむことはできません。

復帰直後というのは、環境変化の影響を受けるため、強烈にエネルギーを消耗し、疲弊します。

そして、その疲労は精神面へも影響を与えます。

復職がうつ病治療のゴールと考えている人もいますが、復職はあくまでも通過点に過ぎません。

この点を間違え、誤った過ごし方をすると、復職後に再び体調を悪くし、再休職ということにもなりかねません。

復職後に、以前のような状態になるまでにはいくつかのステップを踏む必要があります。

具体的には以下のように期間別にステップを分けることができます。

  • 復職後一か月
  • 復職後三か月
  • 復職後半年
  • 復職後1年
  • 復職後1年以降

つまり、復職からの期間に応じ、日々の過ごし方、仕事への取り組み方が変わってきます。

そこで各ステップにおける過ごし方を以下に紹介します。

復職後一か月までの過ごし方

初日の過ごし方

復職にあたっての最初の関門はまずは初日です。

久々に会社に行くため、緊張し、前日もよく眠れないかもしれません。

そして復職の初日には意外とやることが多くあります。

例えば、

  • お世話になった人への挨拶回り
  • パソコンの設定
  • 席の確認
  • 周りの人の顔と名前を覚える

などなど。

そして、

これらの作業を終え、1日を終わることにはくたくたになっています。

間違っても、初日に飲み会などに付き合ってはいけません。

とにかくできるだけ早く帰り、体力の回復に努めるべきです。

なお、復職初日にやることの詳細についてはこちらの記事にまとめていますのでご参考までにどうぞ。

関連記事:復職初日に行うことは意外にたくさんあって大変

まずは出勤することが仕事

無事に初日が終わり、その後一か月までの過ごし方は一言でいうと出勤することが仕事です。

うつ病から復帰してすぐに以前と同じようなペースで仕事をすることはできません。

むしろ最初の一か月は会社に行くこと、会社で過ごすことだけで強烈に疲れます。

ですのでまずは会社に行き、帰宅後や休日はしっかり休むというのがこの期間の過ごし方になります。

この時期にはプライベートな予定や飲み会などには行かず、とにかく新しい環境に慣れ、体力の回復に努めることに専念しましょう。

休日の過ごし方

前述のように、復職直後は大変疲れるため、休日は基本的に寝たきりの状態になります。

ひたすら休み、体力の回復に専念することがこの時期の休日の過ごし方になります。

疲れが休日も抜けないため、朝起きる時間が遅くなったり、また昼寝してしまうことも多々あります。

ただ、昼寝に関しては夕方以降にならなければそれほど睡眠へ影響を与えないため、それほど気にする必要はないと思います。

とにかくひたすら休み、守りに徹するのがこの時期の休日の過ごし方になります。

間違っても遠出をしたり、旅行の予定を立てたりしてはいけません。

ある程度時間が経てば、そのような過ごし方も次第にできるようになってきます。

何度も言うようですが、復職直後はとにかく休みに徹するべきです。

なお、この時期の具体的な過ごし方はこちらの記事にまとめていますのでご参考までにどうぞ。

関連記事:復職後一か月間の過ごし方

復職後三か月までの過ごし方

仕事は徐々に慣れてくる

復職後一か月を過ぎると、徐々に体が慣れてきて仕事もこなせるようになってきます。

しかしながら、まだこの時期は体調が脆弱なため、基本的には体調管理が最優先事項になります。

あくまで仕事は無理のない範囲でこなし、できる限りエネルギーの消耗を抑えながら過ごすという過ごし方が理想的です。

仕事の内容としても、何かの交渉をしたリ、マネジメントをしたりといった気を使う仕事をすると一気に疲れてしまいます。

対人関係に気を遣う仕事よりも、単純作業であまり負荷のない仕事の方が内容的には理想的です。

休日は引き続き休みに専念

この時期も、休日は仕事の疲れを癒すため、しっかりと休むことが大切です。

休日に引っ越しや海外旅行などの大きなイベントは入れないことが無難です。

あくまでのエネルギー回復のための休みと位置付けましょう。

慣れてくると少しずつ休日も何か活動ができるようになってきます。

また、土曜と日曜では、日曜の方が体が動くことが多いです。

土曜は平日の疲れを癒すのに専念するため、日曜の方がエネルギーに余裕があることが多いです。

なお、この時期の具体的な過ごし方は以下のの記事にまとめていますのでご参考までにどうぞ。

関連記事:復職後三か月までの過ごし方

復職後六か月までの過ごし方

仕事の質は上がってくる

復職後三か月を過ぎてくると、体調面ではだいぶ楽になってきます。

そして仕事に関しても質、量ともに徐々に以前の状態に近づいていきます。

日によってまだまだ波はありますが、体調の良い時は以前と同じくらいのパフォーマンスが出せるようになってきます。

しかしながらまだまだ以前とは程遠い状態です。

体調がよいと思っていても、嫌なことがあったり、ストレスがかかったりすると体調が悪化し、寝込むということもよくあります。

この時期においては、徐々に仕事を増やしつつ、引き続き体調には留意していくというスタンスで臨むことが望ましいです。

休日には少しづつ活動できるようになる

休日の過ごし方については、寝たきりから徐々に外出できるようになります。

そのため、余力があれば散歩などをすると気分転換になりとてもいいです。

天気の良い日などは、是非近所の公園などを散歩するとセロトニン効果も高まり体調にプラスになります。

ただし、注意点はあくまでも活動はしすぎないということです。

この時期に活動しすぎてしまうと、休日に体力が十分に回復せず、翌週の仕事に影響が出てしまいます。

あくまで負担を感じない範囲で気分転換を行うことが大切です。

なお、この時期の具体的な過ごし方については以下の記事にまとめていますのでご参考までにどうぞ。

関連記事:復職後3か月~6か月の過ごし方

復職後1年までの過ごし方

仕事面では以前と近くなる

復職後六か月を問題なく過ごせると、仕事の量と質に関しては概ね以前と同じような状態に戻ることができます。

しかしながら、ミーティングが続いたり、残業を連続でするなど、体に負担をかけると体調が崩れることがままありますので、体調には引き続き留意する必要があります。

体調には留意しながら、仕事の質と量を以前の状態に近づけていくということがこの時期の仕事に対するスタンスになります。

ただし、もちろんまだ体調には波があり、体調の悪い時に無理をするとその後しばらく尾を引いてしまいますので、自身の状態に合わせた働き方をする必要があります。

休日には遠出ができるようになる

この時期になると、休日の過ごし方の幅は大分広がってきます。

もちろん体調次第ではありますが、遠出をしたり、場合によっては旅行をしたりすることも可能になってきます。

そこまで大きく活動しなくても、近所を散歩したり、軽い運動をしたりして気分転換を図ることもできるようになります。

このような活動をうまく行っていくことで、回復を早め、また心身の健康を維持することにもつながります。

一方で、体調がすぐれない時は依然として休日でも寝込む日もあります。

なお、この時期の具体的な過ごし方については以下の記事にまとめていますのでご参考までにどうぞ。

関連記事:復職後6か月~1年の過ごし方

復職後1年以降の過ごし方

以前の自分を取り戻す

復職から1年というのは1つのターニングポイントです。

1年間を無事に過ごすことができれば、仕事面及びプライベート両方において概ね以前と同等の過ごし方をできるようになります。

しかしながらでは完全に元に戻るかというとそうではなく、元通りにならない部分もあります。

特に、体力的な部分や、精神的な脆弱さ、そして睡眠障害といったものは、長く尾を引くことが多いです。

元の状態に近くはなりますが、完全に元通りになるのではなく、やはりうつ病によって失われてしまったものも存在するのです。

この辺りは、うまくバランスをとりながら長期的に付き合っていかなければいけない要素となります。

休日は好きなことをする

この時期になると、休日の過ごし方には縛りをかける必要はなくなります。

もちろん過度な活動はエネルギーを消耗させますが、常識的な範囲内の活動であれば、特に気にする必要はないかと思います。

つまり、仕事面、プライベート面において、以前と同じような生活ができるのは、復職後1年以上経ってからということになります。

なお、この時期の具体的な過ごし方については以下の記事にまとめていますのでご参考までにどうぞ。

関連記事:復職後1年以降の過ごし方

会社の評価に不満が出てくることも

仕事のパフォーマンスが上がってくると、評価に対する不満が高まってくることがあります。

自分が依然と遜色ない、いやむしろ以前よりパフォーマンスが上がっているにも関わらず、会社からは全く評価されないということがしばしばあります。

これは、会社というところは、精神疾患で休職したという事実を大変ネガティブにとらえ、例えしっかりと仕事をしていたとしても、きちんと評価されないためです。

頑張っているのに給料が上がらない、頑張ったところで評価が上がらない、下の人間にどんどん追い越されていく・・・、このようなことはしばしば起こります。

関連記事:うつ病による休職と会社での評価への影響

関連記事:うつ病からの復職後、低い評価を受け続けた話

このような状況に気持ち的に割り切れるのであれば問題ありますが、そうでない場合には、今後の身の振りを考える必要もあります。

実際のところ、どんなに会社に不満を垂れたところで何も解決はされません。

不満がストレスになっている場合には、職を変えるということも1つの選択肢です。

復職後1年以上経つと、体調面もだいぶ安定してきます。

今後の身の振りを考えるのであれば、このくらいの時期がよいのではないかと思います。

関連記事:うつ病で休職したら転職を検討すべき4つの理由

まとめ

以上、うつ病からの復職、社会復帰後の過ごし方について、期間別にご紹介しました。

今一度要点をまとめると以下のようになります

・復職後一か月まで
出勤することが仕事。無理に仕事をしようとする必要はない。
仕事後と休日はひたすら休む。

・復職後三か月まで
体調管理が最優先。仕事は少しずつ無理のない範囲で増やしていく。
休日はエネルギー回復のために使う。

・復職後六か月まで
仕事を徐々に増やし、以前の状態に近づいていく。
休日に軽い気分転換ができるようになってくる。
ただし体調はまだ万全ではなく、休日は寝込むことも多い。

・復職後1年まで
仕事面では以前の状態とあまり遜色がなくなる。
休日は外出できるようになるが、依然として寝ていることも多い。
体調がよければ、旅行も可能。

・復職後1年以降
仕事面及びプライベート両方において概ね以前の状態に戻る。
しかしながら完全に元通りではなく、戻りきらない部分もある

これを見てもわかるとおり、復職してからもプライベートな時間を含めて楽しめるようになるまでには1年程度の時間が必要なことがわかります。

また、ここに記載したものは1つのモデルケース(自分の経験がベース)のため、個々人で回復までの時間は前後すると思われます。

いずれにせよ、うつ病から復職する際にはまずは体調管理を優先し、徐々に仕事に慣れていき、長い目で見て回復していくということが大切なのではないかと思います。

ここに書いたことが、うつ病からの回復、うつ病と仕事の両立に少しでも役立てば幸いです。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
こちらも読まれています
こちらも読まれています