うつ病などの病気により休職し、一定期間休んだ後復職する場合には、いくつかの手続きが必要です。
この手続きは会社によって若干異なるのですが、一般的に言って結構面倒な手続きが多いです。
ここでは、この復職の手順についてご紹介します。
1、主治医からの許可を得る
まずは何より主治医から復職可能という許可をいただかないと復職できません。
しっかりと休み、ある程度体調が回復し、会社での勤務にも耐えられると判断されると、ようやく主治医から復職の許可が出ます。
この時に、同時に復職可能という診断書(要はお墨付き)をいただきます。
概ねの目安としては、復職可能日は復職許可が出た日の1か月から2か月後に設定されることが多いです。
もちろんこの期間はあくまで目安で、実際には主治医の判断をベースに会社と相談して決めていくことになります。
なお、主治医から復職の許可が出たからといって、必ずしも復職できるというわけではありません。
詳しくは後述しますが、会社によっては産業医面談などいくつかのプロセスを経て、大丈夫だと判断されないと復職までこぎつけることができない場合もあります。
2、会社に連絡し、診断書を提出する
主治医からの復職の許可が出たら、その旨を会社に連絡し、復職可能という診断書を提出します。
そして、主治医の判断(いつから復職可能なのか、また復職後の勤務形態はどのような形が望ましいのか、どのような仕事(部署)が望ましいかなど)を会社に伝えます。
主治医の判断というのは、復職にあたって最も重要視されるもののため、基本的には診断書に書かれている内容に沿って復職の準備が進められることが多いです。
一方で、もちろん会社側の都合もあるため、両者のすり合わせを行っていくことになります。
3、会社での面談
会社での面談は大きく分けて、人事部との面談と産業医との面談の2つに分かれます。
人事部との面談
人事部との面談においては、基本的に主治医の診断書に基づいて行われることが多いです。
具体的には、
- いつから働くことが可能なのか
- 復職後の勤務形態は何が望ましいのか(フルタイムでいけるのか、時間短縮勤務が望ましいのかなど)
- 復職後の休暇の扱いはどうなるのか
- 復帰の部署やチームはどこが望ましいのか
などなど、復職にあたっての検討事項について話し合いが行われます。
この話し合いでは、出来る限り自分の希望を伝えておいた方がよいです。
例えば、以前の部署がどうしても合わないと感じているのであれば、その旨を伝え、部署替えを希望するなどの意向を伝える必要があります。
希望したことが必ずしも通るわけではありませんが、ある程度は聞いてもらえることが多いように思います。
また、復職にあたっての不明点もしっかりと聞いておきましょう。
長期に渡って休んだ場合には、会社の制度が変わっていることもありますので、出来るだけ事前に確認することをおすすめします。
産業医との面談
これは会社によってまちまちですが、ある程度以上の規模の会社になると、専属の産業医がいることがあります。
このような場合には、産業医と面談をし、復職の可否の判定が行われます。
ただ、やはり復職にあたってはこれまで診断を続けてきた主治医の意見が最も重要視される傾向にあります。
そのため、産業医との面談は主治医の診断書を元に、微調整を加えていくというような形になる場合が多いです。
一方で、中には復職に際して厳しい基準を設けている会社もあり、そのような場合には産業医の判断で復職までの期間が延びるということも起こり得ます。
また、復職に際しての勤務形態や配属部署などについて、産業医がある程度大きな権限を持っている場合もありますので、ここでもきちんと自分の希望を伝えることが大切です。
4、具体的な復帰日、勤務形態の決定
人事部との面談や産業医との面談が終わると、それらの結果を踏まえ、具体的な復職日や復帰部署、勤務形態などが決定されます。
その際には、面談で自分が希望した通りになることもあればならないこともあります。
この辺りは、会社の都合も加味して決定されます。
ここでの決定は最終的なものになるため、以後は決まった復職日に向けて準備を進めていくことになります。
(もちろん、急に体調が悪化した場合などは、復職が延期になる場合もあります)
まとめ
以上の手順を簡単にまとめると、以下のようになります。
- 主治医から復職の許可をもらう
- 会社に連絡し、復職に関する調整をする
- 復職する
スムーズにいけば、復職の許可が出てから実際に復職するまでは概ね1か月程度です。
一方で、会社でまだ時期尚早と判断されたり、受け入れの部署がなかなか決まらなかったり、体調が再び悪化したりした場合には、復職まで時間がかかることもあります。
やはり、復職における大きな関門は会社との調整です。
ここがなかなかうまくいかずに体力を擦り減らしてしまう場合もあります。
病気に対して理解がある会社であればスムーズに事が運ぶ場合もありますが、そうではない場合には、会社との調整が難航することもあります。
いずれにせよ、復職はゴールではなく新たなスタート地点に立つことなので、出来る限りいい状態で復職に臨みたいものですね。