うつ病は再発しやすい病気です。
一度治っても、概ね半分の人が再発すると言われています。
そして、一番再発のきっかけとして多いのが復職後や社会復帰後です。
ここでは、なぜ仕事に復帰することが再発を招きやすいのか、その原因を3つご紹介します。
環境変化
人間は環境の変化にさらされると、普段より大きなエネルギーを消耗し、ストレスを感じます。
そのため、環境変化はうつ病を発症する要因となります。
しばらく休養し、会社に復職する場合、大きな環境変化を経験することになります。
やはり自宅での自由気ままな休養と、会社で仕事をしながら過ごすのとでは、天と地ほどの環境の違いがあります。
自宅と違い、会社という場所はいるだけでもストレスを感じ、また人目もあるため無意識のうちに多くのストレスを受けています。
特に復職直後は要注意
特に復職直後は、環境変化の影響を大きく受けるため、とても疲弊し、ストレスを感じます。
そして、環境変化によるストレスとエネルギーの消耗が自分の許容範囲を超えてしまうと、うつ病が再発することになります。
そのため、最も再発が多いのが復職直後と言われています。
ここを乗り越えられるかどうかが仕事を続けていくうえでの1つのポイントとなります。
逆に考えると、復職、社会復帰時にはこのような大きな環境変化に伴うストレスとエネルギーの消耗が発生することはあらかじめわかっています。
そのため、事前に十分な体力とストレス耐性をつけ、復職に臨むことで再発のリスクは低減できると言えます。
人間関係
サラリーマンの悩みの多くは人間関係に起因すると言われています。
いい人間関係の中で働けば、毎日気持ちよく働けますが、人間関係のよくない中で働くことは大きなストレスをもたらすことになります。
この人間関係が、うつ病を抱えながら働くに際し、大きなカギを握っています。
どんなにいい状態で復職できたとしても、人間関係が良くなければたちどころにそれまでに蓄えた体力が消耗し、エネルギー切れになってしまいます。
一方で、多少不安のある状態で復職した場合でも、周りとの関係性が良好で様々なサポートを受けながら仕事ができれば、健康な状態に近づいていける確率は高まります。
この職場における人間関係は仕事を続けていくうえでの大きなポイントです。
ましてや、復職や社会復帰という大きなイベントの後では、いい人間関係を構築できるか、周りからどう見られているのかはとても気になるところです。
もし良好な職場環境で働けるのであればそれに越したことはないのですが、もし良好でない職場環境の場合、再発のリスクが高まると言えます。
このような場合には、自らの働きかけにより職場環境を良くするという方法もありますが、現実的には他者を変えることは困難な場合が多いです。
そのため、より自分にとって心地よい環境を探すなり、場合によっては転職も視野に入れる必要があるかと思います。
仕事のストレス
あらゆる仕事にはストレスが伴います。
もちろん一般論としては、全てのストレスが悪いストレスではないのですが、うつ病を抱える人にとっては基本的に全てのストレスは悪いものとなります。
この仕事のストレスは、自分の許容範囲内であれば問題ないのですが、自分の限界を超えてしまう場合には、うつ病を再発させる要因となります。
仕事のストレスは多岐に渡る
ここでいう仕事のストレスは過労といったわかりやすいものだけではありません。
例えば、あるプロジェクトで計画通りに進まない、人に指示を出してもなかなか思い通りに動いてくれない、そもそも自分のやっている仕事に意義を感じない、などなど仕事に伴うストレスは非常に多岐に渡ります。
仕事によるストレスを軽減するには、自分の許容範囲以上の仕事はしない、できるだけやりたくないことはやらない、といった姿勢をとることが大切です。
このようなやり方は、周りの人間からは快く思われないかもしれませんが、なにより大事なのはまず自分の体調を管理することです。
そういった意味では、仕事に関しては少しわがままになるくらいがちょうどいいのではないかと思います。
場合によっては環境を変える必要も
一方で、もし自分の仕事に意義を感じず、それがストレスになっている場合には、職を変えることも必要です。
自分に合った職を見つけることで、うつ病が飛躍的に改善したという方も多く見受けられます。
もちろん環境を変えるエネルギーがあることが前提ですが、もしチャンスがあるのであれば、よりよい環境を求めて転職などをすることも選択肢の1つとなります。
まとめ
以上、復職や社会復帰後にうつ病が再発しやすい3つの原因をご紹介しました。
今一度まとめると、
- 復職、社会復帰に伴う環境変化
- 人間関係
- 仕事のストレス
となります。
ここでは3つ書いていますが、突き詰めると結局はストレスが再発の原因になると言えます。
そのため、うつ病を抱えながら働く場合には、出来る限りストレスを避け、マイペースで仕事をし、日々余裕をもって過ごすことが大切ではないかと思います。