セパゾンは抗不安薬というカテゴリーに属する薬です。
抗不安薬は別名精神安定剤とも言われ、不安を和らげる効果のある薬です。
発売は1974年と古く、かつてはそれなりに処方されていたようですが、現在では多くの薬の選択肢があるため、どちらかというとマイナーな抗不安薬となっています。
また、抗不安薬というカテゴリーながら、睡眠作用も併せ持ち、かつ作用時間も適度なことから睡眠薬としても使用されることのある薬です。
ここでは、このセパゾンの効果・副作用と実際に使ってみた体感をご紹介します。
セパゾンの効果と副作用
セパゾンの効果
セパゾンはベンゾジアゼピン系と呼ばれるカテゴリーに属する抗不安薬です。
抗不安薬というのは脳の興奮を抑え、不安を和らげる効果のある薬です。
また、このような働きから睡眠を促す効果も見られます。
セパゾンの半減期(血中濃度が半分になるまでの時間)は11時間~20時間程度で、作用時間は中くらいの抗不安薬です。
実際の使ってみた体感としては、効果を感じる時間は6~8時間程度になります。
この程よい作用時間の長さから、睡眠薬として使われることもあります。
お薬110番には効果は以下のように記載されています。
おだやかな作用の心の安定薬です。
不安や緊張感をやわらげ、気持ちを落ち着かせます。
神経症やうつ病など精神的な不具合にはもちろん、心身症のような体の不調が前面にでる病気にも使われます。
おだやかな作用を持ち、不安や緊張感を和らげるという記載になっています。
私の経験でも、おだやかな作用という言葉が似合う薬であると感じています。
セパゾンの副作用
また、副作用については以下のように記載されています。
この系統の優れた特徴として「安全性が高い」ということがあげられます。
重い副作用はほとんどありません。比較的多いのは、眠気、ふらつき、けん怠感、脱力感などです。
安全性が高いという記載となっています。
確かに、ここに記載があるようなふらつきや倦怠感などの副作用は感じたことはありません。
一方で、睡眠作用を持ち合わせている薬なので、眠気の副作用は基本的に現れます。
ここには記載がありませんが、使い始めるとなかなかやめにくいというデメリットが存在します。
これはセパゾンに限らず、抗不安薬、睡眠薬全般にいえることですが、やめる際の依存性や離脱症状には注意が必要です。
漠然と使い続けるのではなく、必要がなくなったら速やかに薬を減らしたり止めたりした方が依存性や離脱症状のリスクを低く抑えることができます。
セパゾンを使ってみた体感
睡眠薬としてセパゾンを使用
かつて長きにわたりセパゾンは使用していましたが、私の場合、抗不安作用を狙うというより、睡眠薬として使用していました。
抗不安薬というカテゴリーではあるものの、脳の興奮を抑え、睡眠を促す効果があるためです。
セパゾンは服用して30分くらいするとぼーっとする感じになり、眠りやすい状態になります。
そして気が付くと眠りに落ちています。
睡眠薬によっては眠いのにも関わらずなかなか眠りに落ちないという場合もあるのですが、セパゾンの場合にはあまりそういうことがありません。
おそらく急激に効くタイプの薬ではないため、わりと自然に近い形で眠れるのではないかと思います。
そして朝起きた時は特に眠気は残りませんでした。
セパゾンの半減期は11時間~20時間程度となっていますが、入眠を促す作用から中途覚醒を抑える作用まで、バランスよく効いていた印象があります。
セパゾンをやめるのに苦労する
私の場合、うつ病が一旦よくなった後、抗うつ剤を一時期使わなくなりましたが、残念ながら睡眠障害は残っていたので、このセパゾンは睡眠薬として長きに渡り使用していました。
ただ、やはり薬に頼っているという状態は心地よくなく、いつも止めたいと思っていました。
そして、体調が比較的安定している時を見計らって、何度も止めようとトライしたのですが、何度も失敗し、止めるに止められないという状態が続くという苦い経験をしました。
これはセパゾンが悪いというよりは、睡眠薬に対する精神依存のようなものだったと思います。
最後の止めるところがうまくいかない
セパゾンを止める際には徐々に使う量を減らしていきました。
1錠使っていたものをまずは半分にしてしばらく様子を見ます。
この間に吐き気がしたり、動悸がしたりといった離脱症状が現れることがありますが、日常生活に大きな影響がなければそのまま様子を見ます。
そして2週間程度様子を見て、大丈夫そうだと感じたら今度は4分の1にします。
ここまではなんとかうまくいくのですが、どうしても最後のゼロにするところでうまくいかず、なかなかやめることができませんでした。
4分の1錠というのは、医者の言葉を借りれば、
「おまじないのようなもの」
つまり、ほとんど薬としての効果はないのですが、それでも実際に止めるのはなかなか難しいのです。
止めることの実害はほとんどないと思われますが、やはり少しでも薬を使っているとこれで眠れるという安心感があり、それがなくなると眠れなくなってしまうんですね。
この辺りは身体的な依存ではなく、精神的な依存と大きく関わってくることだと思います。
睡眠薬や抗不安薬は使い始めはよく効いてくれるのですが、やめるのがなかなか難しい。
よく言われることですが、実際に自分の身をもって体験した出来事でした。
セパゾンの特徴
以上、セパゾンの特徴をまとめると以下のようになります。
- 抗不安薬としてのみならず、睡眠薬としても使われる
- 抗不安薬の中では古い部類に入り、今となっては処方される頻度はそれほど多くない
- 実際に効果を感じるのが6~8時間程度と程よい作用時間の長さを持つ
- 安全性の高い薬であるが、やめる際には苦労することがある