睡眠薬の副作用と使用上の注意点

空と緑睡眠薬は使うとすぐに効果が実感できるという利点がある反面、副作用を起こしやすいという問題点もあります。

そのため、睡眠薬を使う際にはいくつか注意すべき点があります。

ここでは睡眠薬の副作用を中心に、使用するときの注意点をご紹介します。

睡眠効果の翌日への持ち越し

睡眠薬にはいろいろな種類が存在しますが、特に作用時間が長い睡眠薬を使った場合、翌日まで眠気を持ち越してしまうことがあります。

そうすると、翌日朝起きられなかったり、また昼でも眠くなってしまったりと言ったことが起こります。

適切な作用時間の睡眠薬を使っていれば問題ないのですが、効果には個人差があります。

ですのである人にとっては大丈夫だけど、ある人にとっては長い時間効きすぎてしまうということがあります。

そのため睡眠薬を使う際には、作用時間が自分と合っているかどうかを確認していく必要があります。

具体的には、ベッドに入ってから1時間以内に眠れ、途中で起きることがない、もしくは起きても再び眠ることができる、そして翌朝に眠気を持ち越していない、という状態であれば問題ないかと思います。

筋弛緩作用

筋弛緩作用とは、筋肉が緩み、転倒しやすくなることを言います。

睡眠薬には多かれ少なかれこの筋弛緩作用があるため 、服用した後、何かしらか活動する場合には注意が必要です。

基本的に睡眠薬を服用してから活動することはないと思いますが、例えば夜中に起きてトイレに行くときなどは注意する必要があります。

特に足腰の弱った高齢者で顕著に起こりやすい副作用ですので、特に注意しましょう。

健忘

健忘とは、睡眠薬を飲んだ後に記憶の一部がなくなってしまうことを言います。

例えば、睡眠薬を服用後、日記を書いたのに翌日の朝起きると全然書いたことを覚えていない、というようなことが健忘の一例です。

起こる頻度はそれほど多くないと言われていますが、起こる人には起こりますので、注意する必要はあります。

何より、睡眠薬を服用した後は活動をやめベッドに入ってしまうというのが一番だと思います。

そうすれば、この副作用が起こる可能性は相当低くなります。

アルコールによる効果の増幅

アルコールには睡眠薬の効果を増幅させてしまう作用があります。

そのため、アルコールを併用すると、翌日に起きられなくなったり、また夜中に途中に起きて 行動しても、そのことを覚えていない、ということが起こる場合があります。

後者は先ほどの健忘の副作用ですね。

よく言われることですが、睡眠薬とアルコールの併用は厳禁です。

酒好きの人には辛いかもしれませんが、睡眠薬を服用している間は極力アルコールは控えるようにしましょう。

付き合いなどを考えると、全くアルコールを飲まないというのも難しいかもしれませんが、少なくとも完全に酔いが回ってしまうくらいまで飲むことは避けた方が無難です。

服用中止による不眠症のリバウンド(反跳性不眠)

睡眠薬を使い続けていると徐々に睡眠薬がやめにくくなっていきます。

これは、徐々に体が睡眠薬に慣れてしまい、睡眠薬を使っているのが普通という状態になってしまうためです。

このような状態において、突然睡眠薬を止めてしまうとリバウンドが起こり、全く眠れなくなるということがよくあります。

まず、睡眠薬を使う際には短期間での使用が望ましいのですが、長期にわたる服用を行った場合でも、徐々に薬の量を減らすことによりリバウンドを防ぐことはできます。

睡眠薬を常用している方はリバウンドのリスクがかなり高いため、睡眠薬が必要なくなってきたら、時間はかかりますが徐々に減らしていくように心がけましょう。

妊婦の奇形障害のリスク

これは睡眠薬に限らず精神科の薬全体に言えることですが、女性が妊娠している場合に精神科の薬を使うことは、子供が奇形児になるリスクをはらんでいます。

リスクの大きさは薬により異なりますが、リスクが全くゼロという薬はなく、多かれ少なかれどの薬にもリスクがあります。

そのため、妊娠している方の場合、基本的に睡眠薬は使わないことが推奨されています。

しかしながら、睡眠薬を使わないことによる体調の悪化の方が奇形児のリスクを上回る場合には睡眠薬が使われることもあります。

この辺りは個々の事情により異なると思いますので、医師と十分に相談しましょう。

なお、私の知り合いには、妊娠をきっかけに睡眠薬をはじめとした精神科の薬をやめたという方が何人かいます。

やはり当初はかなり苦労されたようですが、母親になることへの自覚や責任感から、最終的には薬を断っていました。

流石に母は強しと感じた出来事です。

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