うつ病にかかると多くの場合、睡眠障害を伴います。
そのため、睡眠薬を処方される場合がとても多いかと思います。
ここでは、うつ病治療において睡眠薬を使うメリットとデメリットを自身の体験を交えながらご紹介します。
睡眠薬を使うメリット
即効性がある
うつ病にかかると、ほとんどの場合睡眠障害を伴います。
そのため抗うつ剤に加え睡眠薬が処方される場合が多いかと思います。
睡眠薬のメリットはなんといっても即効性があり、睡眠をサポートし、体を眠りやすい状態にしてくれるということです。
軽い睡眠障害であれば、睡眠薬を使えばほとんどの場合よく眠れるようになります。
私自身も、睡眠薬を使い始めた当初は、少量でもとてもよく眠れるようになったことを覚えています。
睡眠をしっかり取ることで回復が早まる
睡眠薬を使うことでよく眠るようになれば、心身がしっかり休まることにより自然治癒力が発動され、うつ病自体の回復も早めてくれる効果も期待できます。
うつ病治療において、十分な睡眠を確保することは生命線のようなものなので、薬を毛嫌いせず使うべき時はしっかりと使った方がよいです。
もちろん後で述べるようなデメリットも存在するのですが、睡眠がしっかりとれないとなかなかうつ病自体も回復していかないため、薬を使ってでもしっかり睡眠をとることをおすすめします。
睡眠薬を使うデメリット
重い睡眠障害には効かないことがある
上記の通り、睡眠薬には即効性があるのですが、重い睡眠障害の場合には十分に眠れないことがあります。
特に、生活リズムが乱れ、昼夜逆転してしまっているような時には、無理に睡眠薬で寝ようとしてもなかなか眠れないということが起こり得ます。
このように、常に有効なのではなく、場合によっては効果がないことがある、というのがデメリットの1つとして挙げられます。
依存性がある
多くの睡眠薬には依存性があります。
依存性とはその薬に依存してしまう状態を表し、その薬がないと眠れないと言った症状が起こることを指します。
上記のように睡眠薬には即効性があり効果が実感しやすいため、その反面依存しやすいというデメリットが存在します。
現在主流のベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は昔の薬に比べると安全性が高く、依存性も少ないと言われています。
しかしながら現実的には多くの人が依存性に悩まされており、私もその中の1人です。
使い始めはいいけれど、なかなかやめるのが難しい。
これがおそらく睡眠薬の最も大きなデメリットではないかと思います。
耐性の問題がある
また、薬の耐性もデメリットの一つとして挙げられます。
薬の耐性とはその薬をずっと使い続けていると徐々に効果が薄れていき、より多くの量を使わないと効果が得られなくなってくるような状態を指します。
どうしても人の体には慣れというものが存在するため、使っていくうちに徐々に効果が低減していってしまうのです。
そのため睡眠薬に関しては漠然とずっと使い続けるのではなく、ある程度改善が見られたら徐々にやめていく方が望ましいと言われています。
ただ現実には無理にやめようとしても、苦しんだ挙句にリバウンドするだけですので、止められそうなタイミングがきたら、徐々にやめていくということが必要なのだと思います。
健忘やふらつきといった副作用
私自身はそれほど経験はないのですが、睡眠薬には健忘やふらつきといった副作用が存在します。
健忘
「健忘」とは、睡眠薬を服用した後に何か活動すると、その活動したことを忘れてしまうことをいいます。
例えば翌朝起きてみると読んだ覚えのない本がテーブルに置いてあったり、飲んだ記憶はないのにコップが出されていたりということが起こり得ます。
何かしたのに記憶がないというのは、とても怖いことのように思えます。
場合によっては誰か人が侵入してきたのでは、と疑ってしまいそうです。
ふらつき
「ふらつき」とは、その名の通り、睡眠薬を服用した後に、効果が表れてくると、脳の機能が低下するため、ふらつきやすくなることを指します。
眠いとふらつくというのは当たり前のようですが、通常の眠気のふらつきがさらに強力になったものと考えるとよさそうです。
特に、途中で起きてトイレに行く時などには注意すべき副作用と言えます。
直ぐに横になってしまえば問題ない
この「健忘」や「ふらつき」は確かにデメリットなのですが、実際のところ、薬を服用した後ベットに入ってしまえば、問題になることはほとんどありません。
睡眠薬を飲んだにも関わらず何かしようとするから起こる副作用とも言えます。
私の場合には睡眠薬を飲んだ後はすぐに寝るようにしていますので、この健忘やふらつきの副作用に悩まされたことはありません。
睡眠薬のメリットデメリットまとめ
上記のように睡眠薬にはメリットとともに、依存性、耐性といったデメリットが存在します。
今一度まとめると、以下のようになります。
メリット:
- 即効性がある
- 睡眠をしっかり取ることで回復が早まる
デメリット:
- 重い睡眠障害には効かないことがある
- 依存性がある
- 耐性の問題がある
- 健忘やふらつきといった副作用
となります。
もちろん個人差はあるとは思いますが、睡眠薬については、メリットと共に、デメリットも理解した上で適切に使っていくことが必要なのではないかと思います。