うつ病からの回復に有効な運動として、散歩と水泳があります。
この両者は特に回復期以降に非常に強力な回復ツールとなりうるのですが、両者の効果というのは微妙に異なるように思います。
特に散歩はセロトニン系、水泳はノルアドレナリン系に効果があるように思われます。
そのため、両者をうまく組み合わせることで、回復を一層早めることができるのではと個人的には感じています。
セロトニンとノルアドレナリン
まずは簡単に、セロトニンとノルアドレナリンについてご紹介させていただきます。
セロトニンの効果
セロトニンとノルアドレナリンは共に脳内の神経伝達物質です。
セロトニンは不安を和らげたり、心身をリラックスさせたりする効果を持ちます。
そのため、セロトニンが増えると、穏やかな気持ちになり、不安や焦燥感といった気持ちが軽減されます。
ノルアドレナリンの効果
ノルアドレナリンは意欲ややる気と言った部分に作用する神経伝達物質です。
うつ病になると意欲がなくなるのは、このノルアドレナリンが関係していると言われています。
このノルアドレナリンを増やすことで、意欲ややる気を上げることができます。
つまり、うつ病からの回復において、このセロトニンとノルアドレナリンを増やすということはとても重要な要素となります。
散歩と水泳の効果の違い
散歩と水泳というのは、うつ病からの回復にとても有効な運動です。
しかしながら両者の効果というのは、それぞれ異なるもののように個人的には感じています。
散歩はセロトニンに作用する
散歩をすると、心が落ち着いたり、それまでモヤモヤしていたものがスッキリしたりと、どちらかと言うと心身をリラックスさせる効果が強いように思います。
ゆっくりとした動きに加え、移り行く景色を眺めたり、自然を見たりすると心が穏やかになってきます。
そういう意味で、散歩というのはセロトニン系を活性化させるようなイメージを持っています。
水泳はノルアドレナリンに作用する
一方で水泳をすると、心が落ち着いたりすっきりしたりするという部分はあるのですが、それに加え、水泳をした後というのは意欲ややる気というものが上がっていることが多いと感じます。
なぜか水泳をしてから帰ってくると、本を読みたくなったり、何かのDVDを見たくなったり、パソコンをしたくなったりと意欲ややる気が出ることが多いのです。
なぜなのかははっきりとはしませんが、おそらく水泳の場合、水に入るという非日常的な行為により、心身をリフレッシュできるのではないかと感じています。
そういった意味で水泳と言うのは、セロトニン系のみならずノルアドレナリン系にも作用しているのではないかと個人的には感じています。
また、水泳をするとその後眠くなり、その日は寝つきが良い事が多いです。
このように、水泳というのは散歩にはない効用を発揮するという感覚を個人的には持っています。
回復期以降は散歩と水泳を組み合わせる
上記のように、散歩と水泳には微妙に異なる効用があるように思います。
そのため、うまく両者を組み合わせることによって、かなりうつ病の回復の助けになるのではないかと個人的には感じています。
例えば、散歩を日々の日課とし、天気が悪い時にはジムなどで水泳をする。
午前中は散歩をし、午後の活動を水泳に充てる。
このような組み合わせなどが考えられます。
もちろんやりすぎは禁物ですが、バランスよく体を動かすことにより自然治癒力がより強く発揮されるのではないかと思います。
なお、ここで述べているセロトニンとノルアドレナリンに作用するというのは、あくまで個人的にそう感じているということで、医学的な背景があるわけではありません(もしかしたらあるのかもしれませんが、私はそのような研究を知りません)
念のため補足させていただきます。