復職後に有給が足りなくなるのはよくある話です。
期中に復職をすると有給はフルでは付きませんし、また、復職後に休まずに行きつづけることも難しいからです。
そして、ポツポツと休んでいるうちに、気が付けば有給が足りない!ということがしばしば発生します。
ここでは復職後の有給の付与のされ方や、有給をなるべく使わない為の過ごし方、そして有給が足りない場合に会社の制度を活用して乗り切る方法をご紹介します。
復職後の有給の付与のされ方
復職後の有給の日数計算
会社に復職した時に付与される有給の日数は、通常限定されたものになります。
例えば年間20日の有給をもらえる権利のある人が、10月に復職したとします。
通常有給は4月に新たに付与されます。
そのため、10月に復職した場合には、20日の有給ではなく、次の4月までの残りの期間をベースに付与されます。
10月から4月までは、6か月ありますので、トータルの20日を1年の12か月で割ってその6か月分が付与されることになります。
20日÷12×6=10日
つまり、このケースでは10日の有給休暇が付与されることになります。
健康な人であれば半年で10日の有給があればなんとか乗り切れそうなものですが、体調に不安のある復職後の人にとっては、10日というのは少し心もとない日数です。
1か月当たりの休みが1.5日平均であれば乗り切れることになりますが、体調が悪い時は連続して休んでしまうこともあり、気が付くと有給が枯渇していたということにもなりかねません。
復職後はできるだけ体調管理に気を付け、有給を大事に使っていきたいものです。
有給がなくなると欠勤になる
ちなみに、もし有給を使い切ってしまったらそれ以上休めないかというとそうではありません。
有給がない状態で休むと、欠勤という扱いになります。
欠勤とはその名の通り勤務が欠けるものですので、欠勤した分だけ給料が減ることになります。
ですので、有給がなくなったらクビになるのではなく、あくまでも休んだ分だけ給料が減るということを認識しておくとよいと思います。
前年度の出勤率により新年度の有給がつかないことも
大きな問題が復職した翌年度に発生することがあります。
会社によっては、有給を付与する条件として、前年度の出勤率を条件にしているところがあります。
例えば、前年度の出勤率が8割以上の場合に年度始まり(4月)に新たに有給を付与するなど。
この条件を前提とすると、上記の10月復帰の例だと4月になった時点で前年度の出勤率が8割には満たないため、有給が新たに付与されないことになります。
つまり、10日の有給休暇で1年半を乗り切る必要があるということになります。
正直この条件はかなりきついです。
半年ならまだしも、1年半を10日の有給で乗り切るのはかなり無理があります。
健康な人でも風邪やインフルエンザなどに罹れば1年半で10日くらいの休みは使い切ってしまう可能性が高いです。
この前年度の出勤率の条件は会社によってまちまちです。
前年度の出勤率によらず復帰後会社に継続してきていれば普通に有給が付与される会社もあれば、そうでない会社もあります。
この辺りは復職後の働き方に大きな影響を与えますので、是非復職時もしくは休職をする際に会社に確認しておくことをおすすめします。
もし新年度に有給が付与されない場合には、以下に説明するような方法を参考にしながらなんとか乗り切っていきましょう。
とにかく消耗しない過ごし方をする
できるだけ休まずに会社に行くために大事なことは、とにかくエネルギーを温存し、消耗しない過ごし方をするということです。
復職後に休んでしまう理由の大半は、エネルギー不足による体調不良です。
ですので、出来る限り日々を安静に過ごし、とにかく省エネを意識して過ごします。
また、帰宅後や休日は体力の回復に専念するため、ひたすら休みます。
ここでいう休むというのは、自分の好きなことをするという意味ではなく、文字通りベッドに横になりできるだけエネルギーの消耗をしないような過ごし方をすることです。
正直なところこのような過ごし方は面白くもなんともないのですが、会社に休まずに行きつづけるという目的のためには、エネルギー消費を抑える最善の策になります。
特に復職後3か月間は強烈にエネルギーを消耗するため、このような過ごし方をすることをおすすめします。
ただし、ずっとベッドに横になるような過ごし方をするわけではなく、徐々に会社に慣れるにつれ、少しずつ寝たきりの生活から脱出できるようになっていきます。
一方で、プライベートな時間でエネルギーを消耗してしまうと仕事を休むリスクは高まるため、基本的にはエネルギーの消耗を抑えるような生活をしていくことが大切です。
活用できる制度をフル活用する
会社には、有給以外にも給料を減らさずに休める休暇がいくつか存在します。
ここではそれらの休暇についてご紹介します。
Sick Leave
いわゆる病気休暇です。
特に外資系の会社の場合に存在することのある制度です。
日本の会社だと、病気や体調不良による休みは有給を使う場合が多いですが、一部の外資系の会社では、有給とは別枠に病気の為の休暇が存在します。
このSick Leaveは有給が少なく、体調が良くない場合にはとても重宝する制度です。
もし自身の会社にこのような制度があるのであれば、是非活用していきましょう。
育児休暇
子供が病気になったりしたときに、子供の面倒を見る為の休暇制度です。
会社によって存在したりしなかったりしますが、もし使える場合には是非活用したい制度です。
もちろん子供がいて、面倒を見る必要性があることが大前提ですが、子供を見ながら自分もある程度休むという使い方であれば許容範囲内ではないかと思います。
介護休暇
親の介護の為の休暇制度も会社によっては設けられています。
この制度も、親の介護を必要とすることが前提ですが、介護をしながら自身もある程度休むという使い方であれば許容範囲内ではないかと思います。
ただ、育児休暇、介護休暇両方に言えることですが、場合によっては会社に行くよりも疲れることがありますので、この辺りはうまくやっていく必要があるかと思います。
生理休暇
女性限定ですが、会社によっては生理休暇が存在する場合があります。
生理により働くことが困難な場合に使える制度ですが、体調不良が重なった場合にはうまく活用できる場合があります。
現実にはなかなか使いにくい制度のように思いますが、きちんとした権利ですので使うべき時は使うことをおすすめします。
欠勤
既に述べましたが、有給がなくなっても、欠勤という形で会社を休むことは可能です。
欠勤は給料が減り、また会社からも厳しい目で見られ、なかなか使いにくい面はあります。
しかし、体調を第一に考えるという意味では、欠勤でも休むべき時にはきちんと休むべきです。
そもそも休職している時点で会社での評価は著しく下がっているので、多少欠勤したところで大差ないと腹をくくってしまうことも大事ではないかと思います。
まとめ
復職後に有給が足りない時の対策についてご紹介しました。
今一度まとめると、対策としては、
- できるだけ休まない方法で過ごす
- 休む場合には有給以外の休暇も活用する
の2つの方向性になります。
できる限り体力を温存し、休みをできるだけ減らす。
休む場合には、有給以外に使える制度があればそれを活用する。
というのがそれぞれの論点になります。
会社によって使える制度はまちまちです。
そもそも知らなかったがために使えなかった制度というのも存在することがあります(会社の制度というのはとても複雑な側面があります)
そのため、今一度自身の所属する会社の制度を調べ、活用できるものはフルに活用していくことをおすすめします。