うつ病の社会復帰(復職)準備期における過ごし方のポイントと生活スケジュール

空と緑

うつ病からの回復には3つのステップがあると言われています。

最も症状の重い急性期(最悪期)、少しずつ活動ができるようになる回復期、社会復帰に向けて準備する社会復帰準備期の3つです。

急性期を乗り越え、回復期で十分体調が回復すれば、いよいよ最後に社会復帰準備期となります。

ここでは、この社会復帰準備期における過ごし方のポイント及び、具体的な1日の生活スケージュールをご紹介します。

ポイントは以下の4つです。

  1. 働くことを想定した生活リズムを作る
  2. 日中を外で過ごす
  3. 出勤練習をする
  4. アウトプットの練習をする

それぞれ説明していきます。

うつ病の社会復帰準備期における過ごし方のポイント

1、働くことを想定した生活リズムを作る

回復期において十分体調が回復してくると、生活リズムは自然と戻ってきていると思います。

この社会復帰準備期においては、そのリズムを更に働くことを想定したレベルにまで持っていきます。

具体的には、実際に出勤を想定した時間に起き、朝食を食べ、十分な睡眠時間を摂れる時間に寝るという感じです。

なお、もし回復期において早起きが定着し、出勤に問題ない時間に起きることができていればこのステップは省略されます(この場合回復期の仕上がりが素晴らしいですね)

2、日中を外で過ごす

療養中は内にこもっていることが多いと思います。

しかしながら、社会復帰後は基本的に外で1日の多くを過ごすことになります。

そのため、この期間においてはできるだけ日中は外で過ごすようにし、体を慣らしていきましょう。

お勧めは図書館に通うことです。

朝きちんと起きて朝食を食べた後、午前中図書館で過ごし、昼食を食べたのち再び図書館で過ごし、夕方頃帰宅するというようなリズムで過ごせればよいと思います。

家で過ごすことと会社で過ごすことはストレス負荷やエネルギー消費の面で大きな違いがありますので、図書館通いはそのよい橋渡しになってくれるのではないかと思います。

3、出勤練習をする

社会復帰が決まったら、何度か出勤練習をしましょう。

実際に出社を想定した時間に起き、公共の交通機関を使って会社付近まで行き、そこから帰ってくる(もしくは喫茶店や図書館などによる)という流れでいいと思います。

あらかじめ練習をしておくと、実際の出社がスムーズにいく可能性が高まります。

また出社初日というのは心身ともにとても疲れますが、あらかじめ出勤練習をしておくと心構え的なものもできるため、この心身の疲れを少し軽減してくれる効果も期待できます。

4、アウトプットをする

実際に働き始めると、様々な形でのアウトプットを求められます。

ここでいうアウトプットとは何かを作るという成果物だけではなく、コミュニケーション的な要素も含んでいます。

療養中はなかなかアウトプットする機会というのはないため、この社会復帰準備期にはアウトプットの練習を行っておくと復帰後よりスムーズに仕事を進めることができます。

具体的には、

  • 友人と会って話をする(コミュニケーション的なアウトプット)
  • 何かを書く(本の内容をまとめてみるなど)

などが個人的にはおすすめです。

過ごし方のポイントのまとめ

社会復帰準備期においては、体力が十分回復しており、日常生活がほぼ問題なく行えることが前提です(そうでなければまだそれは回復期です)

その上で、実際に働くことを想定した活動を行うというのがこの期間の要点になります。

また、個人的にはこの時期に近場でいいので小旅行にでも行くことをおすすめします。

療養中に旅行に行くことを否定的に捉える人も中にはいますが、実際には問題なく旅行できるほど回復していないと社会復帰は難しいです。

自分の現在の体調の具合を確認するという意味でも、旅行に行くことはプラスではないかと個人的には思っています(もちろんやりすぎは禁物ですが)

1日の生活スケジュール

それでは、ここから具体的な社会復帰準備期における1日の生活スケジュールをご紹介します。

なお、これから紹介する内容は、最初からこのような生活をしていたわけではなく、紆余曲折を経てたどり着いた私が最も回復に寄与したと思える過ごし方になります。

朝の過ごし方

まず朝は7時頃起きます。

起きたらカーテンを開け、朝食をとります。

その後軽く散歩に行きます。

軽く歩いた後、図書館に行き、午前中を図書館で過ごします。

昼の過ごし方

昼になったら昼食を食べ、再び図書館へ行きます。

図書館では基本的に自分の好きな本や仕事に関係のある本などを読みます。

また場合によっては本の要約などを書き、アウトプットの練習をします。

何度か休憩をはさみながら図書館で時間を過ごし、夕方頃になったら家に帰ってきます。

夜の過ごし方

その後夕食を食べ、風呂に入り、残りの時間は本を読んだりDVDを見たり、好きなことをして過ごします。

そして夜11時頃ベットに入ります。

出勤練習

これが基本的な社会復帰準備期における過ごし方でしたが、これに加え、何度か出勤練習も行いました。

具体的には会社に行くことを想定した時間にきっちりと起き、公共の交通機関を使って会社の最寄り駅で降り、会社の近くまで歩いていってそこからUターンをして帰ってきます。

もしくは近くにある喫茶店なり図書館でしばらく時間を過ごしてから帰ってきます。

私の場合これを何度か繰り返しました。

あらかじめ出勤練習をやっておくと、社会復帰するということの実感が沸き、心構えができます。

また実際に出社するときの緊張が和らげ、より出社がスムーズに行えることが期待できます。

ですので是非何度か事前に出社練習は行っておくことをお勧めします。

最後に

社会復帰準備期には、基本的にはかなり体調は良くなっていると想定されます。

ですので、ここで書いたような単調な日々を過ごすだけでなく、積極的に外出して人と会ったり、色々な体験をすることをお勧めします。

逆にそれくらいのことができないと、社会復帰後は結構苦労する可能性があります。

また 実際に復職直前となると本当に大丈夫なのかという不安な気持ちが強くなり、一時的に体調崩すこともしれませんが、その場合でもこれまで蓄えてきたエネルギーが突然枯渇するわけではありません。

ですので、体調の悪い日はしっかりと休み、体調を整え、またこれまで行ってきたことに自信を持てば、問題なく社会復帰を果たすことができるのではないかと思います。

いずれにせよ、この期間においては社会復帰を意識しつつ、日々ある程度の余力を持ちながら 過ごすという姿勢でいいのではないかと思います。

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