うつ病になって思う自営業やフリーランスとサラリーマンのメリットデメリット

入道雲と空自営業やフリーランスなどの自分が事業主になって働くのと、サラリーマンとして会社の下で働くのはどちらがよいのか、という話はしばしば耳にすることです。

現在は働く人の約9割はサラリーマンと言われているように、会社に属して働いている人の方が圧倒的多数です。

一方で、独自の視点を持ちながら自営業やフリーランスとしてある程度自由に働いている人がいることも事実です。

私自身、うつ病という病に罹ってからは、働き方という点についていろいろと考え、今もなお模索している状態です。

ここでは、うつ病で働けなくなった経験を踏まえ、自営業やフリーランスとして働く場合とサラリーマンとして働く場合のそれぞれのメリット、デメリットをご紹介したいと思います。

自営業やフリーランスのメリット

自分のペースで仕事が調整できる

自営業やフリーランスの場合、何といっても自分のペースで仕事ができることがメリットとして挙げられます。

あくまで自分が事業主になりますので、営業時間を自分で決めたり、やる仕事を自分で決めたりすることができます。

また例えば主にパソコンで行う仕事であれば、働く場所も自分で決めることができます。

そのため、うつ病などの不調になった場合には、自分で仕事量を調整することができます。

こうした柔軟性が自営業やフリーランスの最大のメリットではないかと思います。

会社の評価や周りの目を気にしなくていい

サラリーマンがうつ病で会社を休んだ場合、多かれ少なかれ評価に影響があります(たいていの場合、影響は大きいですが)

また、復帰後に周りの目が気になることもあります。

自営業やフリーランスであれば、こうした評価を気にすることなく、また周りの目を気にすることなく働くことができます。

あくまで自分が事業主ですので、ある意味自分の評価は自分が決めればいいだけの話です。

ですので体調不良によりある程度の期間休んだとしても、仕事の再開に際しては評価や周りの目を気にしなくてもよい(というかそのような視点がそもそもない)というのはメリットの1つとして挙げられます。

自営業やフリーランスのデメリット

収入が不安定になる

自営業やフリーランスのデメリットの1つは収入が不安定になることです。

後述するようにサラリーマンの場合には傷病手当金や失業手当という制度がありますので完全に休んでしまってもある程度収入を得ることができますが、自営業やフリーランスの場合には仕事を減らした分だけダイレクトに収入が減ってしまいます。

完全休業した場合には収入もゼロになってしまいます。

自分が特段何もしなくても収入が入ってくるようなフィービジネスを行っている場合には問題にならないかもしれませんが、プロジェクト単位で仕事を進めるような業態の場合には、このようなデメリットがあります。

将来的な仕事が減る可能性がある

また、うつ病などの体調不良により仕事を減らしたり、仕事をしばらく休んだりすると、それまでの仕事関係に悪い影響を与え、回復後に仕事が減ってしまうリスクがあります。

これはどのような形態の商売をしているかにもよりますが、顧客相手の商売であれば顧客が減る可能性もありますし、企業と仕事をしていればその企業との仕事がなくなってしまう可能性もあります。

一方で、大きな関係性を必要としないような仕事(例えば個人タクシーのような不特定多数を相手にするような仕事)の場合には、それほど影響はないかもしれません。

つまり、そのような業態の商売をしているかにもよりますが、仕事を調整することによりその後の仕事が減ってしまう可能性があるという点に関してはデメリットとして挙げられます。

サラリーマンのメリット

傷病手当金という収入をある程度維持できる制度がある

サラリーマンであれば、基本的に健康保険に加入しているかと思います。

そして、健康保険に加入していれば、うつ病などの病気で会社を長期に渡って休む時に傷病手当金という制度を使うことができます。

傷病手当金とは、病気によって働けなくなった場合に、健康保険組合が収入の約三分の二を支給してくれる制度になります

関連記事:うつ病で休職する場合、傷病手当金を活用してお金の負担と不安を減らそう

自営業やフリーランスの場合には休むと収入が途絶えてしまいますが、サラリーマンの場合にはこのような制度が活用できることがメリットとして挙げられます。

失業保険制度を活用できる

もし会社を辞めることになった場合には、失業保険制度を活用することができます。

支給される金額は勤続年数や収入などによって異なりますが、失業した状態においてもある程度の収入を確保できるというのは心強いです。

うつ病の場合には、やめる前にまず休むが鉄則と言われていますが、やめた場合にもこのような制度を活用することができます。

サラリーマンのデメリット

仕事のコントロールが難しい

サラリーマンであることの最大のデメリットは仕事のコントロールが難しいということです。

会社との雇用関係を結んでいる以ある程度は仕方のないことですが、いつも自分の好きな仕事をできるわけではなく、やりたくない仕事、自分に向かない仕事もやる必要があります。

また、休みも柔軟にとれず、仕事の状況や周りの状況との兼ね合いを見ながらようやく有給を使うことができということもしばしばです。

この、仕事の内容や量、そしてやる時間や場所を自由に選べないというのがサラリーマンにとっての最大のストレスではないでしょうか。

昨今では働き方改革というように少しずつこの歪んだ状況を改善しようという動きも見られてきていますが、現状ではまだまだサラリーマンは働かされているというのが実態ではないでしょうか。

評価や周りの目が気になる

サラリーマンとして働いている以上、会社の評価というのはずっとついてまわってきます。

そしてうつ病などの精神疾患に罹ると、この評価は奈落の底に落ちることになります。

評価を全く気にしない人であれば問題ないのかもしれませんが、やはりサラリーマンというのは多かれ少なかれ評価が気になってしまう生き物です。

そして一度評価が落ちてしまうと、今後その評価がずっとついて回ってしまい、そのこと自体がストレスともなります。

また、うつ病などで休職し、復職する際にはとても周りの目が気になります。

ただでさえ精神的に弱っているところに、周りからどう見られているのだろうかという心配が重なり、精神的にもいい影響を与えません。

サラリーマンというのはどうしても同質性(周りの人と同じという考え)のようなものを持ってしまうため、うつ病により傷ついた評判は長きにわたって本人のストレスになる可能性があります。

こうした評価や周りの目、傷ついた評判といったものを抱えながら働かなければならないのがサラリーマンの大きなデメリットとして挙げられます。

まとめ

以上、うつ病になって感じた自営業とフリーランス、サラリーマンのメリットデメリットを挙げてみました。

もちろん自営業やフリーランスの場合にはどのような事業をするかサラリーマンの場合にはどのような会社で働くかによって大きくメリットデメリットは変わってくると思いますが、一般論としてこのようなものが挙げられるという視点で書いています。

今一度簡単にまとめてみると、

自営業、フリーランスの場合:

  • メリット:柔軟な働き方が選べる、周りの評価や目を気にしなくてよい
  • デメリット:収入が不安定になる

サラリーマンの場合:

  • メリット:休業中の収入を補うような制度が充実している
  • デメリット:仕事の内容や量を選べない、評価や評判への傷が尾を引く、周りの目が気になる

といったところでしょうか。

現在は自営業・フリーランスとサラリーマンには大きな違いがありますが、将来的にはサラリーマンでありながら、フリーランスのように働けるような社会になることを期待しています。

もしそうなれば、上記で述べたメリット、デメリットの中で、メリットのみを享受することも可能なのではないかという淡い期待を抱いています。

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