うつ病による休職期間の長さと復職後の再発・再休職率

森と空うつ病により休職した場合、平均的な長さはどの程度なのだろうか。

また、復職後も再発せずに働き続けられるのはどの程度の割合なのだろうか。

このような疑問に答える為に、ここでは私自身の経験及び医者や他のうつ病経験者などから聞いた話を元に、うつ病による休職期間の長さと、復職後の期間別の再発・再休職率についてご紹介します。

休職期間の長さ

平均的には6か月

休職期間の長さは人それぞれです。

2週間程度の超短期の休みから、数年に渡るまで、非常に様々です。

(注)一般的にサラリーマンの2週間の休みは長期ですが、うつ病治療という観点からは超短期です。

ただし、個々人の差こそあれ、やはり平均というものは存在します。

休職期間の平均値は概ね6か月程度です。

休職した人の約半数が概ね6か月以内に復職するということになります。

(注)ここには退職した人は含まれていません。ですので実際の療養期間の長さはもっと長い可能性があります。

3つの回復ステップから休職期間を考える

うつ病からの回復には3つのステップが存在します。

最も症状の重い急性期、徐々にできることが増えてくる回復期、復帰に向けて準備する社会復帰準備期です。

一般的に、各ステップにおいて最低1か月が必要で、この場合の最短の復職までの期間は3か月となります。

また、実際には各ステップとも1か月より多くかかることが多いので、各ステップで2か月程度必要とすると、トータルで6か月となります。

この、各ステップにおいて2か月ずつ時間を使い、トータル6か月で復職するというのが平均的な姿となります。

復職後の再発・再休職率

復職後というのは、うつ病の再発が最も起こり易い時期になります。

理由としては、環境変化によるストレスの増加、仕事に伴うエネルギーの減少などがあります。

実際の経験に照らしても、復職直後というのはとても心身を消耗し、体調も一時的に崩れ、非常にデリケートな期間と言えます。

しかしながら、人間というのは環境に慣れていくものなので、当初の辛い時期を乗り切れれば時間と共に回復し、それに伴い再発、再休職のリスクも減っていきます。

復職後3か月

復職後3か月は、最も警戒すべき期間です。

復職に伴うストレスはこの期間に集中するため、特に再発率の多い時期になります。

概ね目安としては、復職後3か月以内の再発率は3割程度です。

とても辛い休職期間を経て復職をしても、これだけの割合の人が3か月以内に再び働けなくなってしまうという厳しい現実があります。

逆に、この時期を乗り切ることができれば、その後の再発・再休職率は下がっていきます。

この時期を無事に乗り切るには、出来る限りエネルギーの消耗を抑え、プライベートでもひたすら休みに徹することが大事です。

復職後6か月

復職後3か月に比べると、いくぶん楽になる時期ですが、まだまだ油断はできない時期です。

復職後6か月までの再発率は4割程度です。

つまり、当初3か月を過ぎた後の3か月については、1割程度の再発率ということになります。

当初3か月に比べるとだいぶ減りはしますが、それに続く3か月でも10人に1人くらいは働けなくなるという厳しい現実が続きます。

この時期でもまだまだ楽観できないというのが実情です。

ただし、復職当初に比べると徐々に体が環境に慣れてくるため、回復が実感しやすい時期でもあります。

復職後1年

復職後1年すると、復職直後に比べると大きく回復した状態になり、再発・再休職のリスクはかなり減ります。

復職後1年程度経てば、以前と遜色ないくらい仕事ができ、また休日もそれなりに楽しめるようになります。

この復職後1年までの再発率は5割程度です。

つまり、復職後1年間働き続けられる人は2人に1人ということになります

これはとても厳しい現実ですが、実際のところ、復職しても2人に1人は再発してしまうことは広く知られています

一方で、復職後の6か月から1年という期間で見ると、この期間に再発する可能性は1割程度となります。

6か月までが4割で、1年までが5割なので、その差分の1割がこの6か月間に再発する割合となります。

まだまだ高い数字ですが、復職当初に比べると、大分割合は減ってきたと言えます。

復職後1年以上

復職後1年以上経つと、再発率はかなり下がります。

細かい数字は私のあずかり知らないところですが、一般的には普通の人に比べ、やや高いがそれほど遜色のない発症率に落ち着くと言われています

一般的なうつ病の年間発症率が1~3%程度と言われていますので、あくまで私の憶測ですが、これよりも若干高い3~5%程度といったところでしょうか。

また、復職後1年以上経つと、生活のクオリティはかなり上がります。

発症前と概ね遜色のない生活を送れる人も多いかと思います。

一方で、これだけの時間が過ぎても完全には元通りにはならず、やはり以前と比べて脆弱な部分や変わってしまった部分も残ります

そういった意味で、うつ病の治療には終わりはなく、常にある程度の注意を払いながら生活をしていく必要があると言えます。

ポイントは復職後3か月と1年

うつ病からの復職後の再発率を見てきましたが、あえてポイントを挙げるのであれば、復職後3か月と1年になります。

まず、復職後3か月は会社に行き、仕事をし、周りとの関係性を構築するということに非常に疲れます。

そもそも会社という場所はいるだけで疲れるところなのですが、そこに環境変化のストレスが加わります。

そのため、上記で見たように、当初3か月というのは再発率が高く、非常に警戒が必要な期間と言えます。

逆に、この期間を無事乗り切れることができれば、その後の再発率は下がっていきます。

次のポイントは復職後1年です。

1年というのは季節がぐるっと一回りして元にもどってくるのですが、これだけの期間を過ぎると、大分再発率は低くなります。

そして、生活のクオリティも上がり、休日は体力回復の為に寝たきりという状態ではなく、どこかに出かけたりできるようになります。

つまり、概ねうつ病発症以前の状態に戻れるのが復職後1年となります。

もちろん油断は禁物ですが、この頃になると、うつ病であったことも徐々に忘れるようになってきます。

この状態まで持って行ければ、ひとまずは一安心と言えるのではないかと思います。

もちろん1年経てばリスクはないかというとそんなことはないのですが、復職後の1つの区切りの期間と言えるのではないかと思います。

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