マイスリーの効果と副作用まとめ。重い睡眠障害には効かない

空と雲マイスリーはとてもよく使われている睡眠薬です。

精神科のみならず、内科でも寝つきが悪いというと、この薬が処方されることが多いです。

非ベンゾジアゼピン系というカテゴリーに属する睡眠薬で、効果の切れの良さと安全性には定評があります。

ここではこのマイスリーの概要と効果・副作用、そして実際に使ってみた体感をご紹介します。

マイスリーの概要

マイスリーは日本では2000年に発売された睡眠薬で、割と新しい部類に入ります。

以下にマイスリーの基本情報をご紹介します。

睡眠薬としての系統

  • 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬というのは、現在主流として使われているベンゾジアゼピン系睡眠薬と概ね同じ系統の薬になります。

ただし、ベンゾジアゼピン系よりも副作用が少ないという特徴があります。

脳内の不安や催眠に関わるGABA受容体に作用し、睡眠を促すというのが大まかな作用プロセスになります。

作用時間

  • 半減期(薬の血中濃度が半分になるまでの時間):約2時間
  • 血中濃度最高点到達時間:約1時間

薬の効果は服用後約1時間で最大になり、約2時間で血中の濃度が半分になります。

半減期がおおよそ薬が効果を発揮する時間の目安になります。

マイスリーは半減期が約2時間ですので、非常に作用時間の短い睡眠薬となります。

適応疾患

  • 不眠症

マイスリーの効果と強さ

お薬110番にはマイスリーの効果は以下のように記載されています。

  • 広く睡眠薬として使用されているベンゾジアゼピン系に近いお薬です。比較的安全性が高く、効き目もよいので、不眠症の治療によく使われています。
  • 同類薬のなかでは、持続時間が超短時間型です。寝つきの悪いときや一時的な不眠に適します。持ち越し効果が弱く、翌朝の眠気や不快感も少ないほうです。

作用時間が短く、寝つきの悪い時に使用されると記載されています。

もう少し効果について踏み込んで説明します。

マイスリーをはじめとした睡眠薬は、「作用時間の長さ」と「作用の強さ」という2つの軸で特徴が表されます。

睡眠薬の作用時間の分類

まず、睡眠薬の作用時間の4つの分類を見てみます。

  • 超短時間型:作用時間が概ね6時間以内
  • 短時間型:作用時間が6時間から12時間程度
  • 中時間型:作用時間が12時間から24時間程度
  • 長時間型:作用時間が24時間以上

どの作用時間の睡眠薬を使うかは、睡眠障害の種類によって異なります。

睡眠障害には以下の3つのタイプがあります。

  • 入眠障害:なかなか寝付けない
  • 中途覚醒:途中で起きてしまう
  • 早朝覚醒:早朝に起きてしまう

睡眠薬の作用時間と、睡眠障害の種類の関係は概ね以下のようになります。

  • 超短時間型:入眠障害
  • 短時間型:入眠障害及び中途覚醒
  • 中時間型:中途覚醒及び早朝覚醒
  • 長時間型:早朝覚醒

マイスリーは半減期約2時間の超短時間作用型の睡眠薬のため、主に入眠障害に使われる薬となります。

マイスリーの強さ

マイスリーは確かな睡眠作用を持つ薬です。

服用すると速やかに眠気が訪れ、また短時間で効果が消失します。

この効果の出現の速さと短時間で速やかに効果がなくなることから、切れの良い睡眠薬と言えます。

また、翌日まで眠気を持ち越すことはほとんどありません。

特に初めて睡眠薬を使用する場合には、このマイスリーはとてもよく効きます。

一方で、睡眠薬を使い慣れた人からすると、マイスリーでは効果が不十分という声も聞きます。

そのような場合には、使用量を増やすか、より作用の強い睡眠薬(ハルシオンなど)に置き換えるという方法もとられることがあります。

なお、後述しますが、重い睡眠障害を患っている場合には、このマイスリーはほとんど効かないこともあります。

マイスリーの副作用

マイスリーをはじめとした非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、基本的に安全性が高い薬です。

そのため、基本的に医師の指示通りの服用をしていれば重篤な副作用が発生することはあまりありません。

お薬110番には副作用については以下のように記載されています。

比較的安全性の高いお薬です。正しく服用するかぎり、重い副作用はまずありません。ただ、人によっては、翌朝に眠気やふらつき、けん怠感や脱力感などが残ることがあります。高齢の人は、転倒にも注意してください。

比較的安全性が高く、正しく服用する限り、重い副作用はまずないという記述となっています。

しかしながら、もちろん副作用が全くないわけではありません。

ベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬には主に以下の5つの副作用があります。

  • 耐性
  • 依存性
  • 眠気の持ち越し
  • 健忘
  • ふらつき

「耐性」とは、その薬を使い続けることによりその薬に体が慣れてしまい、同じ効果を得るためにより多くの量を使用しなければならない状態になることをいいます。

「依存性」とはその薬が体内に入ってくることが当たり前になってしまい、その薬なしではいられなくなってしまう状態になってしまうことをいいます。

「眠気の持ち越し」は睡眠作用が翌日まで残ってしまうことをいいます。

「健忘」は睡眠薬を服用後、自分のしたことを忘れてしまうことをいいます。

「ふらつき」は睡眠薬の睡眠作用や筋弛緩作用(筋肉を和らげる作用)がふらつきにつながり、転倒などが起こりやすくなります。

マイスリーに関しては、「眠気の持ち越し」や「健忘」「ふらつき」といった副作用は、ベンゾジアゼピン系の同種の睡眠薬と比べると軽減されています。

一方で、耐性・依存性についてはマイスリーに限らず睡眠薬全般に注意が必要です。

そのため、睡眠薬は基本的に1か月程度の短期での使用が奨励されています。

マイスリーを使ってみた体感

ここからは、実際にマイスリーを使用した経験をご紹介します。

マイスリーを飲むと、30分ほどで眠気がやってきます。

ここで眠れればいいのですが、眠れないと2時間程で眠気が去っていきます。

私の場合、この眠気が去っていくときは、せっかく薬を使ったのに寝られなかったという残念な気持ちになりました。

かつて1度目のうつ病が寛解し、わりと体調の良い日が続いていた頃に、なかなか眠れないという日があるとこのマイスリーを使っていました。

この頃はよく効いてくれて、使うと大抵寝付くことができました。

重い睡眠障害には効かない

また、うつ病で一時入院していたときもマイスリーを使っていました。

この頃はほとんど昼夜逆転の生活リズムになっていました。

病院というところはとかく生活リズムというものにうるさいので、何とか元に戻そうという目的で使用しました。

ですが、このときはほとんど効果がなく、使うと眠くなるのですが、眠りに落ちるところまではいかず、2時間くらい経って効果がなくなるということを繰り返していました。

そのうち使っても無駄だということを悟り、使うのを止めました。

要するにこのマイスリーという睡眠薬は、一時的に寝つきが悪くなったようなときに使うには効果を発揮するのですが、そもそも崩れてしまった睡眠のリズムを元に戻すような力はないのだと思います。

ですので、使い方としては一時的に寝付けないという時や、いつもより少し早く寝たいというような時に使うのが効果的なのではないかと思います。

作用時間が短く使いにくさを感じる

正直なところ、私はマイスリーという睡眠薬があまり好きではありません。

というのは、作用時間が短く、2時間程度で切れてしまうので早く寝ないといけないとプレッシャーを感じてしまうためです。

また、うつ病に伴う睡眠障害の場合は、入眠障害のみならず中途覚醒や早朝覚醒もよく見られます。

マイスリーの場合は作用時間が短く入眠障害のみに効果があり、中途覚醒や早朝覚醒には効果を発揮しません。

そのため、寝付けたはいいものの、途中で起きてしまいその後眠れないということが度々起こってしまいました。

もちろん使い方の問題もあるのですが、このような経験から私はどうもマイスリーという薬を好きになれませんでした。

基本的には、睡眠薬を使うときはより効果の持続時間の長いものを使い、必要があればそこにマイスリーを加えるというような使い方をしています。

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