セルシン(ホリゾン)のジェネリック「ジアゼパム」の効果・副作用と薬価・適応

澄んだ海

ジアゼパムは、セルシン(ホリゾン)のジェネリック薬品です。

ジェネリックは別名後発薬とも言われ、元祖の薬の特許期間が過ぎた後に、元の薬と同じように作られたものになります。

つまり、ジェネリックは効果や副作用という観点からは元祖の薬と同じものになります。

セルシンは非常に昔から使われている薬ですので、ジェネリックもたくさんあるのですが、その代表選手がジアゼパムになります。

ここでは、セルシンのジェネリックであるジアゼパムについてご紹介します。

なお、セルシンとホリゾンは名前は違いますが、中身は同じ薬ですので(製薬会社の違いですね)、以下セルシンに表記を統一します。

ジェネリック医薬品とは?

ジェネリック医薬品とは、新薬の特許が切れたあとに販売される、新薬と同じ成分を持ち、同じ効き目薬です。

製薬会社が新薬を発売した際には、特許を取得するため、特許期間中は他の製薬会社は同じ薬を開発・販売することができません。

特許期間が切れた後に、先発薬(新薬)と同じように作られた薬がジェネリックとなります。

新薬で既に有効成分、薬の構造などがわかっているため、ジェネリックは少ないコストで開発することができます。

そのため、一般的に先発薬に比べ、薬価が安いという特徴があります。

ジアゼパムの概要

まず、上記のように、ジアゼパムはセルシンのジェネリックであるため、効果としてはこの2つは同じものと考えてしまって差し支えありません。

以下に簡単にセルシンの効果と副作用をご紹介します。

セルシンの効果

セルシンは抗不安薬と呼ばれる薬です。

抗不安薬とは、不安を和らげ、心身を休みやすい状態にする薬です。

セルシンの特徴としては、作用時間が長く、一度服用すると1日中効果が持続します。

そのため、セルシンを服用した日は、その後はぼーっとしたような状態になります。

ただ、効果としては切れが良いわけではなく、じんわりと長く効くタイプの薬です。

そのため、突発的な不安や緊張というよりは、漠然と続く不安や、また日中の活動量を下げて休みやすい状態にするために使われやすい薬です。

発売から50年以上も経っていますが、未だに使われ続けているところにセルシンの信頼性を見てとることができます。

セルシンの副作用

セルシンをはじめとした抗不安薬にはいくつかの副作用があります

代表的なところでは、

  • 耐性
  • 依存性
  • 眠気
  • ふらつき

などです。

抗不安薬と睡眠薬は親戚のようなものなので、「眠気」やそれにともなう「ふらつき」といった副作用が発生するのは致し方ないことです。

この辺りはあらかじめ認識しておく必要があります。

より問題なのは、「耐性」や「依存性」といった副作用です。

「耐性」というのは、その薬を使い続けていると、体が慣れてしまい、同じ効果を得るためにはより多くの量を必要としてしまうことと言います。

「依存性」というのは、その薬に依存してしまい、その薬なしではいられない、その薬が止められないという状態になってしまうことを言います。

この2つは由々しき問題ですので、抗不安薬や睡眠薬は1か月以内の使用が望ましいと言われています

セルシンは長時間作用するタイプの薬であるため、抗不安薬の中ではそれほど副作用は強くないと言われていますが、注意するに越したことはないと思います。

なお、セルシンの詳細については、以下の記事をご参照ください。

セルシン(ホリゾン)は効果が長時間持続し、不安や緊張を和らげる
セルシン(一般名:ジアゼパム)は抗不安薬と呼ばれるカテゴリーに属する薬です。 抗不安薬とは、精神安定剤とも呼ばれ、不安や緊張な...

セルシンのジェネリック

セルシンのジェネリックは以下の種類になります(お薬110番より)

  • ジアゼパム錠: 2mg・5mg・10mg
  • ジアゼパム散1%

(他にもセレナミンやジアパックスなどもありますが、冗長になりますのでここでは割愛します)

ジェネリックは先発薬のセルシンと同じラインナップとなっています。

なお、ジアゼパム散というのは、粉状の薬で、より細かく用量を調整するのに使われるものになります。

ジェネリックのメリット

ジェネリックのメリットはなんといっても薬価が安いことです。

一般的に、ジェネリックになると、薬価は数分の1程度になります。

もちろん効果は先発薬(セルシン)と変わりません。

現在セルシンを使われている方は、ジェネリックを使った方がお財布に優しくなります。

ジアゼパム錠の薬価

では、セルシンのジェネリックであるジアゼパム錠の薬価はどのくらいなのでしょうか。

以下が先発薬のセルシンとの比較になります。

  • 2mg:セルシン5.9円⇒ジアゼパム5.6円
  • 5mg:セルシン9.2円⇒ジアゼパム5.6円
  • 10mg:セルシン18円⇒ジアゼパム5.6円

実は、セルシンの場合、ジェネリックとの薬価の違いは用量により大きく異なります

2mgで見ると先発薬のセルシンと、ジェネリックのジアゼパムでは薬価はほとんど変わりません。

一方で用量が多くなる程、セルシンとジアゼパムの価格差は大きくなり、10mgでは3分の1程度になります。

セルシンは古い薬の為、薬価が安い

なぜこのようなことが起こるかというと、セルシン自体が非常に古い薬のため、薬価が安くなっているためです。

セルシンを処方された方でも、薬局で値段の安さに驚いた方もいるのではないでしょうか。

なぜだかよくわかりませんが、ジアゼパムに関しては用量が増えても薬価が変わりませんので、高用量になるほど、ジェネリックを使った方が割安になります。

ただ、セルシン自体が安いとはいっても、用量による程度の差こそあれ、ジェネリックの方が安くなっているため、利用できる場合にはジェネリックを使用することをおすすめします

ジアゼパム錠の適応

ジアゼパム錠の適応疾患は以下になっています。

  • 神経症における不安・緊張・抑うつ
  • うつ病における不安・緊張
  • 心身症(消化器疾患、循環器疾患、自律神経失調症、更年期障害、腰痛症、頸肩腕症候群)における身体症候並びに不安・緊張・抑うつ
  • 脳脊髄疾患に伴う筋痙攣・疼痛における筋緊張の軽減
  • 麻酔前投薬

いろいろと記載がありますが、要するに不安や緊張、うつなどに使用される薬と言えます。

医療ドラマにおける「ジアゼパム」の正体

余談ですが、医療ドラマでは、緊急手術の場面において、「ジアゼパム投与!」と言うシーンがしばしば見られます。

このジアゼパムは、まさにここでご紹介したジアゼパムです。

ではなぜ手術前に投与されるのかと言うと、上記の適応の一番下にあるように、ジアゼパムは麻酔前に使われる薬でもあるためです。

私の記憶では、「チーム・バチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋」でよくジアゼパムが出てきた記憶があります。

今後医療ドラマを見る時に、頭の片隅に置いておくと、「ジアゼパム」という言葉が出てきたら、「ああ、セルシンを使っているんだな」と少し親近感が湧くかもしれません。

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