抗うつ効果を持つとされるサプリメントの1つにセントジョーンズワートがあります。
うつ病に罹ったことのある方であれば、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
ここではこのセントジョーンズワートの効果と、実際に使ってみた体感をご紹介します。
セントジョーンズワートの効果
セントジョーンズワートはセイヨウオトギリソウとも呼ばれる、植物の一種です。
抗うつ効果のあるサプリメントとして知られ、ドイツではうつ病の第一選択薬として使われているとも言われています。
ウィキペディアには以下のように記載がされています。
今日セント・ジョーンズ・ワートはうつ病への処置法(あるいはその可能性)として最も知られている。ドイツをはじめいくつかの国では軽度のうつに対して従来の抗うつ薬より広く処方されている
また、なぜ抗うつ効果があるのかという点に関しては、既存のSSRIと同じようにセロトニンの再取り込みを阻害するのではないかと言われています。
副作用に関しては以下のように記載されています。
セント・ジョーンズ・ワートは一般に良好な耐容性を示し、プラセボと同程度の副作用しか示さない。報告されている最も一般的な副作用は胃腸症状、目まい、意識混濁、けん怠、鎮静。また 通常では起こさない状況でも日焼けを起こす 光過敏性を起こすことが知られているが、それが起きることは非常に稀である
あまり副作用は見られないというような記述になっています。
既存の抗うつ剤は副作用が問題になる場合が多いですが、このセントジョーンズワートに関しては副作用が少ないことが特徴として挙げられます。
もしセントジョーンズワートが自分に合い確かな効果を発揮してくれれば、うつ病治療の大きな味方になるのではないでしょうか。
セントジョーンズワートを使ってみた体感
かつて一度目のうつ病の後、再発防止のためにサプリメントをいくつか使っている時期がありました。
このセントジョーンズワートもその頃使っていたサプリメントの1つです。
上記のように、セントジョーンズワートはあまり副作用は見られないという記述をよく目にするのですが、私の場合、このサプリメントを使っている間は腹を壊す頻度が高くなったような印象があります。
SSRI程ではないにせよ、やはり胃腸への副作用はあるのだと実感しました。
ただし、その重さは、SSRIに比べると大分軽いものでした。
肝心の抗うつ作用ですが、飲み始めてからしばらくすると、なんというか、いい意味で細かいことが気にならなくなったように感じます。
何かやるべきことがあっても、なんとか頑張ってそれをやろうというよりは、まあマイペースでいいやというようないい意味で投げやりのような気持になったような感じです。
このように意欲を高めるというよりは、細かいことが気にならなくなる、あまり物事に対してこだわらなくなる、そんな印象です。
ざっくりいってしまえば、ぼんやりとマイペースになる、そんな感じの効果でしょうか。
この感じの効果は、まさにSSRI的とも言えます。
SSRIも効果としては意欲を上げるのではなく、不安や焦りを取り除き、心身を休みやすい状態にします。
そういう意味でセントジョーンズワートはSSRIの軽量版と捉えることもできるのではないかと思います。
抗うつ剤との併用はダメ
セントジョーンズワートを使用する際の注意点としては、抗うつ剤との併用はしてはいけないということです。
100%ダメというわけではありませんが、抗うつ剤と併用してしまうと相乗効果で意図しない症状が出てしまい、場合によってはセロトニン症候群という危険な症状が現れることもあります。
既に抗うつ剤を使用していて、セントジョーンズワートを使用する際には医師と相談することをおすすめします。
セントジョーンズワートが向いている人
以上を踏まえると、セントジョーンズワートは以下のような人に向いているサプリメントと言えます。
- 抗うつ剤を使わずにうつ病治療を行いたい人
- うつ病とまではいかないものの、気分が沈んだ状態が続いている人
- 軽度のうつ病で、そこまで強い抗うつ作用を求めていない人
- 普段から不安や緊張をしやすく、体質を改善したい人
中症から重症のうつ病になってくると、セントジョーンズワート単体での治療は難しいと思われますが、そうではない人の場合、セントジョーンズワートは有効な選択肢の1つではないかと思います。