うつ病の回復には3つのステップがあると言われています。
それぞれ、急性期、回復期、社会復帰準備期です。
今回はこの3つのステップについて簡単にご紹介したいと思います。
うつ病からの回復の3つのステップ
急性期
急性期とは、うつ病発症後間もない、最もきつい時期を指します。
この時期はエネルギーが完全に枯渇しており、また、精神的にも不安定でほとんど何もできない状態が続く時期です。
また、体調の日中変動が激しいことから、生活のリズムが乱れ、日夜逆転のような生活になるような場合もあります。
この時期はただひたすら休み、休息をとり、ストレスを避け、とにかく安静に過ごすことが大事です。
回復期
急性期においてとにかくひたすら休むと、次第にエネルギーが溜まってきます。
すると、全然何もできなかったのが、少しずつ何かできるようになってきます。
この何かできるようになってくるステージが回復期です。
少しずつ回復が実感できる時期ですが、まだエネルギーは十分ではなく、また精神的にも不安定なため、くれぐれも無理をしないことが大切です。
何かを無理してやろうとせず、少しずつ少しずつできることを増やしていくという姿勢が大切です。
何かできるようになってくるとうれしくてついついやりすぎてしまうというのが人の悪い癖ですが、そこは堪えて慎重に少しずつ活動を広げていくという意識が必要になります(やりすぎると急性期に逆戻りするリスクがかなりあります)
また、この時期はまだ体調に波があるため、調子のいい日が続いた後に体調が崩れたりとある程度いったりきたりしながら回復していくことが多いです。
この時期におすすめなのが散歩ですが、無理なく気持ちよくできるようになったら徐々に距離を伸ばし、最終的には1日1万歩くらいを目処にするといいでしょう(くれぐれも目標にはしない方がいいです。目標だと無理して達成しようとする意識が働いてしまい、経験上あまりよろしくないです)
社会復帰準備期
回復期において十分に体力が付き、また精神的にも安定してきたらいよいよ社会復帰に向けての準備です。
社会復帰に向けては生活のリズムを整えること、働くことを想定した過ごし方をすることが大切です。
具体的には、朝はきちんと社会人と同じ時間に起き、日中は図書館など外で過ごし、会社がお終わる頃の時間に帰ってくるというようなリズムを作る必要があります。
また、復帰する場所が決まったら、実際に朝会社の近くまで行くような出勤練習もしておくといいでしょう。
実際の回復プロセスはより複雑になる場合も多い
以上が簡単なうつ病回復の3つのステージになります。
こう書くととてもシンプルなように見えますが、実際にはなかなか急性期を抜け出せなかったり、回復期に無理をしすぎて急性期に戻ったりとなかなか一筋縄でいかないのがうつ病治療の難しいところです。
私も1度目のうつ病の時は、急性期と回復期を行ったり来たりしてここでとても時間がかかりました。
また2度目の時(現在)は急性期から一度回復期に行けたものの、急激に体調が悪化してしまい、再び急性期に戻り、そこからなかなか抜け出せないでいました。
各ステージにおいて日々の過ごし方は変わってきますが、とにかく無理をせずに、ストレスを避け、心のエネルギーを溜めていくというのがどのステージでも大切なのではないかと思います。