うつ病の回復に良いと言われている運動はいくつかあります。
代表的なところでは、散歩、水泳、ジョギング、ハイキング、ストレッチなどでしょうか。
もちろん、これらの活動というのは、しかるべき時期に行うことによって回復に大きく寄与することになるのですが、一方で間違った時期に行ってしまうと、回復の妨げになってしまうことがあります。
ここでは、かつて適切でない時期にジョギングを通じてうつ病を回復をさせようとしたものの、全く回復せず体調を悪化させてしまった話をご紹介します。
なぜジョギングで治そうとしたのか
ジョギングへの成功体験
そもそもなぜ私はジョギングでうつ病を治そうと思ったのでしょうか。
それは、ジョギングに成功体験があったからです。
かつて元気なころは、職場やプライベートなどでストレスのかかる出来事があっても、ジョギングをすることでそのストレスをかなり軽減することができました。
そのため、私にとってジョギングというのはある種の精神安定剤の様な働きをしていました。
ジョギングに依存する生活
また、ジョギングをすることで体重も適切に維持され、寝つきも良くなり、日々の生活の質が大いに向上しました。
つまり、私はジョギングに過度に依存する様な生活を送っていたわけです。
そのため、うつ病で動けなくなってしまった後も、この様な成功体験が頭から離れず、ジョギングをすることで回復していくはずだと思い込んでいました。
しかしながら、もちろんこの思い込みは大きな誤りでした。
急性期に無理にジョギングを行う
うつ病の急性期においては、まずはしっかり休むことが大切です。
無理に活動をしてしまうと回復の妨げになります。
しかしながら、私の中には上記の様にジョギングをすることで回復するはずだという固定観念があったため、急性期で体調が悪いにも関わらず無理にジョギングを行っていました。
おそらく、心のどこかではこんなに無理をして辛い状態で走ることは体に良くないのではないかという考えもあったのではないかと思うのですが、過去の成功体験がその様な気持ちを打ち消してしまっていました。
そして、来る日も来る日も歯を食いしばりながらジョギングに勤しんでいました。
ジョギングをしても回復しない
3歩進んで3歩下がる
このような活動を続けて行った結果、当然回復するはずもなく、体調が3歩進んでは3歩下がる、 つまり全然回復していかないという状態に陥っていきました。
具体的には、何とか体が動く日にはジョギングをするものの、そのような無理を重ねているとある日全く動けなくなります。
そのまま何日か寝込み、休み続けているとエネルギーが溜まってくるので、再びある程度体が動くな動くようになってきます。
そして、体が動くようになってくると再びジョギングを再開し、それを続けていくうちにまた体調が悪くなってきます。
そして再び何日か寝込み・・・、というサイクルも何度も繰り返し、一向に回復していかないという状態でした。
何ヶ月もこのような過ごし方をしていましたが、さすがに全然回復していく気配がなく、根本的な過ごし方を見直して行くことになりました。
そして、最終的にジョギングはやめることになります。
ジョギングがトラウマになる
結果的に、ジョギングを止め、とにかく休むということに専念したことで、体調は徐々に回復に向かっていきます。
そして、ある程度回復してくると比較的無理なく活動をすることができる様になってきます。
このような状態になって初めて、ジョギングなどの軽い運動をすることはプラスに寄与することになります。
しかしながら、この時の私はジョギングを行うことはしませんでした。
というのは、上記のようにジョギングをすることで体調が悪化してしまったため、
ジョギング=治らない
と言うトラウマを抱え込んでしまったためです。
かつては成功体験であったジョギングが、うつ病という病気を経てトラウマへ変わってしまった、というのはとても皮肉な話のように思います。
今でもどちらかというと、ジョギングに対してはトラウマの気持ちの方が強いため、ほとんどやることはありません。
教訓:適切な時期に適切な過ごし方をする
この経験から得られた教訓は、何と言っても急性期においては無理に活動しないと言うことです。
たとえ自分にとって過去に成功体験がある様な活動であっても、急性期においては害にこそなれ、回復のきっかけにはなりません。
その様な活動をするのは、しっかりと休みエネルギーが溜まってきた回復期以降です。
この順番を間違えてしまうと、うつ病がなかなか治らない、というループにはまってしまう可能性があります。
このようなことを避けるためにも、今自分がどの程度回復していて、どのステップにいるのかを把握することはとても重要だと思います。
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