うつ病というのは突然発症します。
もちろん振り返ってみると前兆はあります。
ただ発症のスピード自体は非常に早く、気が付いたら発症していたというようなことが多いのです。
ここでは、うつ病の発症プロセスについてご紹介します。
うつ病の発症スピードは非常に速い
うつ病発症のイメージ
うつ病発症までのイメージというのは、どんどんと伸びていくゴムのようなものと捉えることができます。
力を加えるとゴムは伸びますが、その力を除くとゴムはすぐに元の形へと戻ります。
しかしながらゴムに力を加え続けたり、もしくは急激に大きな力をゴムに加えたりすると、ゴムはちぎれてしまい、その後自力で元通りになることはありません。
うつ病の発症もこれと似ていて、ストレスがかかっていくにつれ徐々に心身の疲労がたまっていきます。
そしてストレスがなくなると、心身の疲労も回復に向かいます。
しかし、ストレスがかかり続けていると、心身の疲労もどんどんと溜まっていきます。
そして、この疲労がある限界を超えた途端に一気に発症するというのがうつ病の特徴です。
ですので気が付いたら体が動かなくなっていた、朝起きられなくなっていたというのが多くの人に見られるうつ病発症の特徴となります。
先週まではなんとかこなせていたのに、突然夜眠れなくなり、疲労も取れなくなったというのもよくある話です。
うつ病の発症プロセス
うつ病発症前のサインは食欲の低下と睡眠障害
しかし、では発症までに目に見えるサインはないのかと言うと、もちろんいくつかのサインは見られます。
代表的なものは食欲の低下と睡眠障害です。
人間にストレスがかかると基本的に自律神経のバランスが乱れ、交感神経が優位な状態となってしまいます。
そのため、食欲の低下と睡眠障害がかなりの割合で起こります。
特に後者の睡眠障害に関しては脳を回復させる機能が低下しているということなので、これが現れるとかなり要注意という状態になります。
疲労が極度に溜まり、情緒不安定になるとうつ病発症間際
この睡眠障害と食欲低下に加え、疲労がある程度のレベルに達すると、情緒の不安定感というものが出てきます。
物事に対して過度に悲観的になったり、また自分の感情をうまくコントロールできず、突然泣いてしまったり、どうでもいいようなことで怒ってしまったりと言うことが起こります。
ここまで来るとかなりの危険信号で、うつ病を発症させないためには早急に対策を立てる必要があります 。
つまり、
- 休んでも取れない疲労が溜まっている
- 情緒不安定になっている
という状態は、うつ病発症間際と言えます。
そしてうつ病は突然発症する
ここまでを整理すると、まず
- 食欲の低下
- 睡眠障害
が起こり、なかなか食べられなくて体重が落ちる、よく眠れなくて疲れが取れないという状態になります。
この状態が続くと、今度は
- 疲労が溜まる一方で疲労困憊な状態
- 情緒不安定ですぐに泣いたり、不安になったりしてしまう
という更に一歩進んだ状態へと移ります。
このような過程を経て疲労やストレスが自分の限界レベルを超えてしまうと、ここから一気にうつ病を発症してしまいます。
うつ病発症後の状態
では、うつ病を発症した後の状態というのはどういうものなのでしょうか。
例を挙げると、以下のようになります。
- ある日朝起きて歯を磨くとそれだけでエネルギーを使い果たしてしまい、動くことが出来ない
- 会社から帰ってきた後、疲労困憊で全く動くことができない
- 仕事に集中できずにミスが増え、通常の仕事をこなすことが困難
ここまで来るとうつ病が完全に発症しているという状態になってしまっているため、長期の療養が必要になってきます。
働いている場合には、ここまでくると仕事をこなすことは困難になるため、一度職場を離れて療養に専念する必要があります。
うつ病予防の重要性
このように、うつ病というのはいくつかの前兆を伴いながら、ある時を境に急激に発症するという特徴があります。
ですのでうつ病を予防するためにはまずは前兆に気をつけ、上記にあるような良くないサインが出ていると感じたら、いま自分の局面しているストレスに対し何かしらかの対策を早めに打っていくということが非常に重要です。
うつ病を発症する前に食い止めるのと、発症後に治療をしていくのとではかかる期間と辛さに雲泥の差があります。
うつ病発症前の状態であれば、数か月で回復できるかもしれませんが、一度発症してしまうと最低でも半年、多くの場合年単位の時間を必要とします。
また、症状の辛さも、うつ病発症前と後では天と地ほどの差があります。
率直に言って、うつ病の辛さというのは死になくなるほどの辛さです(実際に死を選んでしまう方もいます)
とにかく大事なのは、まずは日々体調管理をしっかりとし、自身の状態を把握し、やばいと感じたら早めに対処していくことだと思います。
生きていくうえで何よりも大切なのは「健康」です。
仕事や家事などは、生きていく為のツールの1つにすぎません。
くれぐれも常日頃から自身の体調には十分に留意するようにしましょう。