うつ病などのメンタル疾患が若い人に増えている。若手・新入社員はご注意を

空と雲若手社員にメンタル疾患が増えているようです。

うつ病をはじめとしたメンタル系の疾患は、働き盛り、中間管理職の30代から40代が多いという印象がありましたが、昨今では様子が変わってきているようです。

メンタル系の疾患は、一度かかると回復までに時間がかかり、またその後に無理ができなくなります。

そういう意味では、若いうちにうつ病などを経験すると、その後の人生は結構辛いものになってしまう可能性があります。

若いうちほど、よりメンタル疾患には注意した方がよいのかもしれません。

心の病に罹る割合

日経新聞によると、うつ病などの心の病に罹る割合を年代別に見ると、以下のようになっています。

ソース:日経新聞

  • 10~20代:27.9%
  • 30代:32.6%
  • 40代:35.8%

40代が依然として多い傾向はありますが、10代~20代がここ数年で増えてきたということです。

以下引用です。

うつ病など心の病にかかる社員が最も多い年代は10~20代だと答えた企業の割合が、3年間で急増し、27.9%に達したことが、20日までに日本生産性本部の調査で分かった。

40代が多いと答えた企業は35.8%で、30代も32.6%を占めるが、それに迫る勢いで若者の割合が上昇している。同本部は「若者でも責任の重い仕事を任される一方、見合ったポストや権限は与えられず、不調に陥る人が増えている」と分析している。

ポイントは、

  • ここ3年で10代~20代のうつ病の割合が急増している
  • 原因は「若者でも責任の重い仕事を任される一方、見合ったポストや権限は与えられず、不調に陥る人が増えている」可能性がある

ということです。

若いうちにメンタル疾患を患うと、その後が大変

心の病に罹る人が増えているというのは、社会の流れの1つのように感じますが、特に若手で増えているというのは由々しき事態のように思います。

この病気は一度経験してしまうと、その後の人生において常に健康に留意しないといけないし、また完全に回復するということも難しいからです(もちろん問題ないレベルまでには回復することは可能です)

若者に増えている原因

また、原因として挙げられている「若者に対して責任の重い仕事を任される」という点はどうでしょうか。

おそらくですが、

  • 人手不足の中、若者にも責任の重い仕事をまかせざると得ない
  • しかしながら、上には人が詰まっているので、それに見合ったポストが与えられない

と解釈できます。

また、これに加え、

  • 会社が人を育てるという文化がなくなってきている
  • 会社におけるコミュニケーションが希薄になってきている

ということも、背景にあるように思います。

私自身も、ある時突然部内の若手が会社に来なくなったことがありましたが、振り返るとコミュニケーション十分でなく、孤立した状態が続いていたように思います。

3年前から増えている

前回の調査は2014年に行われたようですが、その時に比べ、若手の精神疾患が大きく増えているようです。

以下引用です。

調査は2017年7月から9月にかけて、全国の企業を対象に実施し、221社が回答。心の病にかかる社員が最も多い年代を尋ねたところ、10~20代は、前回の14年調査の18.4%から10ポイント近く上昇した。調査を始めた02年以降、この年代は10%台で推移しており、急増ぶりが目立った。

40代は前回調査から3.4ポイント増加し、30代は6.2ポイントの減少。50代以上は3.7%で、前回より0.7ポイント減った。

特に変化が大きかったのは、10~20代で、前回の調査から10ポイント近く上昇したとのことです。

このような調査には誤差がつきものなので、完全には鵜呑みにできないのですが、傾向として若者のうつ病が増えているということは実感としても感じるところです。

なぜ精神疾患が増えているのか

世の中はまずます便利になり、日々生活していくには困ることのないような世の中になってきましたが、だからこそ目的を見失い、精神疾患に陥ってしまうという社会的な構造が背後にはあると感じています。

日々の生活で精いっぱいであれば、その日1日1日を生き抜くことに必死になります。

一方で、社会的なインフラが発達し、頑張らなくても毎日食べるものに困らないと、人間というのは暇を持て余したり、よからぬことを考えたりしてしまいます。

物欲が満たされたからこそ、精神面に目が行き、結果として精神疾患が増えている。

そんな気がしてなりません。

もちろん豊かになることが悪いことだとは思いませんが、物的な豊かさと精神的な豊かさは全くの別物であると思います。

精神的な豊かさをはぐくむにはどうしたらよいか、それが今後考えていくべき課題なのかもしれません。

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