パキシルのジェネリック「パロキセチン」の効果・副作用と薬価・適応

海と船

パロキセチンは、パキシルのジェネリック薬品です。

パキシルは、SSRIというカテゴリーに属する代表的な抗うつ剤の1つです。

ジェネリックは別名後発薬とも言われ、元祖の薬の特許期間が過ぎた後に、元の薬と同じように作られたものになります。

つまり、ジェネリックは効果や副作用という観点からは元祖の薬と同じものになります。

パキシルの発売が2000年で、ジェネリックであるパロキセチンの発売が2012年ですので、約12年でジェネリックが登場したことになります。

ここでは、パキシルのジェネリックであるパロキセチンについてご紹介します

ジェネリック医薬品とは?

ジェネリック医薬品とは、新薬の特許が切れたあとに販売される、新薬と同じ成分を持ち、同じ効き目薬です。

製薬会社が新薬を発売した際には、特許を取得するため、特許期間中は他の製薬会社は同じ薬を開発・販売することができません。

特許期間が切れた後に、先発薬(新薬)と同じように作られた薬がジェネリックとなります。

新薬で既に有効成分、薬の構造などがわかっているため、ジェネリックは少ないコストで開発することができます。

そのため、一般的に先発薬に比べ、薬価が安いという特徴があります。

パロキセチン(パキシル)の概要

まず、上記のように、パロキセチンはパキシルのジェネリックであるため、効果としてはこの2つは同じものと考えてしまって差し支えありません。

以下に簡単にパキシルの効果と副作用をご紹介します。

パキシルの効果

パキシルはSSRIというカテゴリーに属する抗うつ剤です。

抗うつ剤とは、その名の通り、主にうつ病に使用される薬ですが、パニック障害や強迫性障害などにも用いられることもあります。

パキシルの属するSSRIは、脳内のセロトニン濃度を高めることで、不安や焦燥感などの症状を軽減し、心身を休みやすい状態にします。

パキシルはSSRIの中でも抗うつ作用が強いと言われています。

おそらく、SSRIの中では一番強いです。

そのため、後述するように、効果の裏返しとして現れてくる副作用に関しても、他のSSRI系の抗うつ剤より重い傾向があります。

パキシルの副作用

パキシルをはじめとしたSSRI系の抗うつ剤には胃腸の不具合を中心とした副作用があります。

具体的には、

  • 吐き気
  • 下痢
  • 食欲不振
  • 胃のむかつき

などです。

古い抗うつ剤に比べると副作用は少ないと言われていますが、それでも特に胃腸の弱い人にとっては辛い症状になります。

副作用は時間とともに低減していくと言われていますが、それでも一定レベルの副作用は残り続けるというのが個人的な感想です。

ですので、抗うつ剤を使用する際には、副作用の相性(自分にとって耐えられるかどうか)も重要であると思います。

パキシルはSSRIの中では副作用や離脱症状が出やすい

特に、パキシルに関しては他のSSRIよりも胃腸系をはじめとした副作用が出やすいと言われていますので、使用する際には注意が必要と思われます。

また、抗うつ剤をやめる際の離脱症状も、パキシルは出やすい傾向にあると言われています。

代表的な症状が、シャンビリと呼ばれる、シャンシャンと耳鳴りがし、ビリビリ手足がしびれるという症状です。

そのため、やめる際には少しずつ量を減らすなどの対処が必要です。

なお、パキシルの詳細については、以下の記事をご参照ください。

パキシル(パロキセチン)の効果と副作用。シャンビリの離脱症状と賦活症候群に注意
パキシルはSSRIというカテゴリーに属する抗うつ剤です。 SSRIとは現在抗うつ剤の主流として使われているカテゴリーになります。 ...

パキシルのジェネリック

パキシルのジェネリックは以下の種類になります(お薬110番より)

  • パロキセチン錠: 5mg・10mg・20mg
  • パロキセチンOD錠: 5mg・10mg・20mg

先発薬のパキシルと同じラインナップとなっています。

なお、OD錠というのは、口の中で溶ける、水がなくても飲めるタイプの錠剤になります。

ジェネリックのメリット

ジェネリックのメリットはなんといっても薬価が安いことです。

一般的に、ジェネリックになると、薬価は数分の1程度になります。

もちろん効果は先発薬(パキシル)と変わりません。

現在パキシルを使われている方は、ジェネリックを使った方がお財布に優しくなります。

パロキセチン錠の薬価

では、パキシルのジェネリックであるパロキセチン錠の薬価はどのくらいなのでしょうか。

以下が先発薬のパキシルとの比較になります。

  • 5mg:パキシル52.6円⇒パロキセチン20.5円
  • 10mg:パキシル92.3円⇒パロキセチン37.9円
  • 20mg:パキシル160.7円⇒パロキセチン67.9円

概ね先発薬のパキシルの3分の1強の薬価になっています。

このように、パキシルを処方される際には、ジェネリックのパロキセチンの方が圧倒的にコストパフォーマンスがよいです。

既に述べたように、効果はパキシルとパロキセチンで同じですので、利用できる場合には是非ともジェネリックを使用することをおすすめします。

パロキセチン錠の適応

パロキセチン錠の適応疾患は以下になっています。

  • うつ病、うつ状態
  • パニック障害
  • 強迫性障害
  • 社会不安障害
  • PTSD(外傷後ストレス障害)

これは先発薬のパキシルと同じです。

特許は適応疾患ごとに管理される

先発薬の特許は適応疾患毎に管理されます。

そのため、例えば当初はうつ病のみの適応で、3年後にパニック障害の適応が追加された、というような場合には、ジェネリックも当初の適応はうつ病のみという場合があります。

パロキセチンに関しては、このようなことはなく、パキシルと同じ適応となっています。

ですので、現在パキシルを使用されている方は、上記のどの疾患であってもパロキセチンに置き換えることが可能です。

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